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蜜を知った蜂  作者: 愛菜
3/7

初めて蜜を舐めた日

小学校高学年になるにつれ、男子はどんどんと大人になるための知識を広げていき、女子はそれを気持ち悪がった。

小学校を卒業する時、担任だった愛先生が結婚すると聞いた。それと同時にお腹の中に赤ちゃんがいるという事も。

という訳で、先生もみんなと一緒にこの学校を出ます!と嬉しそうに語り、お腹をさする愛先生を見てクラスの女の子達は黄色い声援のようなものをあげ、愛先生を祝福していた。私は、おめでとうの前に、愛先生にも私達の知らない一面があるんだ、と考えを膨らませていた。

それは一体どういうものなのか。相手の人はどんな見た目でどういう風に愛先生を女として扱ったのかを知りたくもなった。

一足遅れて祝福すると、愛先生は顔を赤らめて「幸せになります!」と言っていた。


 中学生になると、友達も増え部活も始まった。

私は、姉がいるせいか他の子達のする事なす事全て少し遅れているように見えた。

姉を見習い、入学当初からスカートを極限まで短くし部活や授業もサボり気味になった。先輩達からは一瞬目をつけられるものの京子先輩の妹だと聞くと逆に仲良くなろうと取り繕ってきた。姉は一体どんな学校生活を過ごしてきたのだろうと疑問になる。

姉が部活で帰りが遅くなっていたのはどうやら全て作り話なのかもしれないと思った矢先、やはり姉は一度も部活になど属していなかったという事実が発覚した。

だとしたら、姉は確かにやり手だったことが分かる。

そんな姉からの恩恵を有り難く事業商談し私は自分の中学生活を豊かにすることができたのである。

恐れ多き、姉。



それが「グレ」だという事も「思春期」だという事も認めようとは思わなかった。

ましてや「マセている」だなんて。他の子達が遅れているだけだろう、なんて思っていた。



ある日のことだ。いつものように学校をサボって近所のモールで友達と2人で駄弁っていると「かわいいね、君たちどこ中?」と、4人くらいの男子グループに声をかけられた。

その人達は明らかに2、3つ、もしくは4つは上で、高校3年生か大学生あたりに見えた。

初めてされたナンパに私は変に舞い上がり、すぐに話に乗った。

「この後家で皆んなでお酒飲むんだけど、君たちも一緒にどう?」なんて誘いを、自称グレてもマセてもない中学1年生の女子が断る訳もなく、私たちは人生で初めて”宅飲み”というものをした。


4人中1人がこの近くでひとり暮らしをしているらしく、私たちはお酒を買ってその人の家へ向かった。


玄関に散らばる大きめの靴が4足。それと、私達2人の小さめな靴が2足。



お酒は飲めなくは無いつもりだった。

だが、それはただの「つもり」だった。

気がつくと、ベッドのようなものに寝転んでいた。

目を開けると少し薄暗くなっていて、テーブルの下には友達が虫のように丸くなってスヤスヤ眠っている。その周りには3人の男。彼らもまた眠っているようだった。


起きあがろうとしても、頭がズキズキして気力を無くす。

今何時だろう。携帯を手探りで探すけどそれらしいものも見つからない。

すると、私のその動きで後ろの布団の塊が動く。

そういえば、前で眠っている友達の側で眠っている男達は見る限り3人しか見当たらない。


恐る恐る後ろを振り返ると、その中の1人の男が「おはよ」と声をかけてきた。


4人の中でも彼は一段とスラっとしていて一段と目鼻立ちが綺麗だった。

私にしか聞こえないような低くて鈍い声に、思わず心臓がジェットコースターに乗った時のようにフワッとして、小学生の頃に父の部屋で感じたことのあるあの変なざわつきのようなものを同時に感じた。


「おは...」最後までいうよりも先に私の唇と彼の唇は重なり合い、彼の舌が次第に侵入してきた。

初めての舌と舌の感覚に私は戸惑いながらも彼の仰せのままに私も舌を動かした。


彼が急に起き上がり、1つの部屋を2つに区切るための襖を閉めた。

部屋は真っ暗になり、私は今から一体なにが始まるというのか。という緊張で心臓が張り裂けそうだった。


その日、いかにも慣れている手つきで私を愛撫した彼は、私の初めての相手になった。





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