佐渡島金山、文化遺産登録に向けての「歴史戦チーム」への違和感
結論、韓国には配慮とか丁寧な話し合いとか遺憾砲とかいらないから、国際司法裁判所で白黒つけようって云いましょうって話です。
はっきり申し上げると、私は佐渡島金山の文化遺産登録に向けた経緯を知りません。
その上で韓国の流言を基に登録交渉を見送ろうとしたことも、一転、登録へと動き出して、政府が「歴史戦チーム」なるものを作ったことも違和感があります。
まず、文化遺産自体についての是非や、必要性については此処では論じません。
次に佐渡島金山について、登録がふさわしいかどうかを論じる気もありません。
私が違和感を感じるのは、なぜ、自国の文化遺産として名乗りあげたものを他国に難癖つけられただけで交渉を見送ろうとしたのかと、交渉再開後の争点として、なぜ、その難癖をまともに取り上げているのかです。
例えば、私が教育制度の改正を訴えて衆院選に立候補したとしましょう。
そこで、一応は知人と呼べる人物が「彼は私に嫌がらせや不法行為によって損害を与えた過去があり、政治家になるべき人物ではない」と根も葉もない嘘で妨害してきたとしましょう。
それを受けて、では今回はこの人物(Aとします)に配慮して立候補を取り下げますとは絶対になりませんよね。そんなことをすれば、まわりにAが事実を言っているのだと誤認させてしまう恐れがあり、今後の政治活動にも影響を及ぼすのは明白です。
では、選挙の場、例えば演説や政見放送でA氏について言及して、争うでしょうか、しませんよね。
選挙において戦っているのは他の候補者とであり、そこで問われているのは、公約の内容や、それを実現できるプラン、そして本人の現在の人柄や能力でしょう。
勿論、A氏を放っておくわけにはいきませんが、かといって、選挙の争点に加えるような事をすればマイナスしかないのは間違いない訳で、この時点ですでに妨害が成功してしまっています。
A氏には名誉棄損であるとして、裁判所で争うと通達し、公にそれを喧伝して、実際に訴状を裁判所に提出すれば、それでいいと思うんですね。
今回の件でも、なぜ、韓国に配慮しようとしたのか理解出来ません。
そして、改めて登録へと動き出しておきながら、なぜ、佐渡島金山の歴史的価値のプレゼンではなく、韓国の主張に対してカウンターすることに注力しているんでしょう。
国際司法裁判所に明確な誹謗中傷であると提訴する。韓国の主張が事実無根だと政府の広報で発信して、制裁措置をちらつかせる。これで十分だと思うんですよ。
登録に向けて、強制労働や奴隷の有無なんて関係無いことを争点の一つにまぜれば、結局はジャパンバッシングに動く勢力や韓国のロビーに巧く利用されて、軍艦島の時の二の舞になりかねない。
韓国の主張は文化遺産登録自体には何の関係もないというスタンスをとりながら、誹謗中傷自体は許されないと外交筋から制裁措置をとる。この2正面作戦で行くべきだと思うんですよ。
それなのに、「歴史戦チーム」なんて言って、登録申請の場で日本の正当性を訴えるとか、本来なら関係無い韓国が絡む余地を与えている。
大体において、失礼ですよね。
佐渡島金山の登録の話は日韓の歴史戦のための舞台ではありませんよね。
韓国が悪いのは当然としても、無意味な政治的配慮を発動しようとしたり、本来、主張すべき、佐渡島金山が歴史に及ぼした黄金のジパング幻想への影響とか、戦国期の鉱物本位体制への影響。
信長がそれを貨幣経済の促進と「信用創造」によって打ち破ったことで天下への道が出来ながら、結局は江戸においては金本位体制に戻っていること。
歴史に詳しくない私でもこれくらいは思い付くんですから、専門家の方が佐渡島金山の重要性をしっかりプレゼンする方が、奴隷云々なんかより遥かに大事だと思うんですよ。
勿論、そうしたアプローチはあるのだと思いますが、あまりにもこの佐渡島金山の件が歴史的戦いだと言う岸田政権の前のめりな姿勢が気になったわけです。
はっきり言えば、「韓国が何か言ってますが、いつも虚言癖なので無視してください」って方がカッコいいと思ってしまいます。
で、「虚言癖なのはわかってるけど、迷惑だから裁判所で白黒つけよ」って宣言する方がやっぱりスマートだと思いませんか。
まあ、異論はあると思います。
ご意見お聞かせ下さい。
異論はあると思いますのでバンバンご意見お聞かせ下さいm(_ _)m