母親
(尚美視点)
私の名前は山吹尚美、もともと体が弱く子どもは諦めろと言われ続けてきました、でも私は絶対に子どもが欲しくて諦め切れませんでした。そんな私に夫の山吹武さんは子どもが出来なくても養子を取れば言いと言いますが私はどうしても自分と武さんの子どもが欲しくて無理に迫り待望の赤ちゃんを身籠る事が出来ました。
夫もなんやかんやで私達の間に子供が出来たのが嬉しいらしくもう赤ちゃんのベッドを買ってます。そんな夫の姿に私も嬉しくて笑みが浮かんで来ます。
それから月日が経ちお腹も大きくなり元気が有り余ってるらしく何度もお腹を叩いてます。元気があっていいのですが、お腹が痛いです、でもお腹を優しく撫でると大人しくなるので優しい子供だと分かります。そんな私も外に出ては散歩をしてます、家にいたら体がなまってしまいますしこうして何度か外に出て散歩をします。
そしたら急にお腹が痛くなってきました、、お腹の赤ちゃんが叩いてるのが分かりますが、いくら撫でても痛みが収まりませんいつもは撫でれば落ち着くのに今回は落ち着きません。
「どうしたの坊や?いつもなら撫でれば落ち着くのにどうしたの?」何故か大人しくなってくれません。
「い、痛い、落ち着いて!」つい言葉に力が入りますが、そしたら後ろから車がもの凄いスピードて突っ込んできました、電柱にぶつかり車は悲惨な事になってますがもしあのまま進んでいたら私もこの子も大変なことになってました。
自然とお腹に手がいきます、私はこの子に助けられたような気がします。それからもお腹を撫でても痛みが落ち着かない時は何かしらの事故に巻き込まれます、でもそれはギリギリで回避してるのでこの子が守ってくれてる気がします。
遂に出産がきました、先生が言うにはかなり危険が伴うと説明されましたが、私は何故か安心してました。それはこの子がまた守ってくれる気ががしました、だから私は安心して産む覚悟が出来ました。
遂に長く辛い時間が終わり、産まれた子が泣きません。
「先生この子鳴き声をあげません!」と言い急いで先生に渡しましたが先生が強く叩いたら私の坊やはすぐに声を上げましたそれをみた私は安堵しました、先生は私に赤ちゃんを渡して来ます、それを受けとると私は信じられない事に気がつきます。
「何この子?」赤ちゃんの目がなく真っ黒い空洞しかありません、私には分かります。この子は普通の子じゃあない!気持ち悪い投げ出したくなりましたが堪えます。そうだ私が守らなければ誰がこの子を守るの、この子は何度も私を守ってくれたのに!よくよく考えてみればこの子が強く叩く時は必ず何か悪いことが起きる時だった、この子はずっと守ってくれてたのに。
「悪いママでごめんね」その気持ちが伝わったのか私の子どもが笑ってくれました、その時には真っ黒い空洞はなく、綺麗な青い海と同じ目をしてました。この目は私と同じ目です、この子が本当に私の子どもだと実感が湧きます、だから私が絶対に守らなくてはいけないと思いました。
「さぁ坊や寝んねしなさい」と優しくお腹を撫でてると坊やも目を閉じていき眠りました。
「坊やは私が守るからね」