僕らは顔を失った
ルッキズムの弊害だ、顔で良し悪しを決めるのは良く無いと人間が争っていたら人類はある日突然神様に顔を消されてしまった。
君が驚いてるのか喜んでるのか悲しんでるのかわからない。表情がわからないよ。こんなに直ぐ近くに居るのに隣の君の表情すらわからない。
「好きな人の笑った顔が見たいだけなのに」
ふと思った事が口に出てしまった、頬が熱い。でも今この瞬間は顔が見えない事に助けられた。
でも君は「ねえ、顔が赤いよ?」って揶揄ってきた。そんなはずないだろって反論しようと君の方を向くと悪戯っぽい笑みを浮かべた君が、そこにいた。