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11 魔王6

 「さぁ、ご決断なさいませ陛下」

 グレンは真っ直ぐ魔王を見据える。

 対する魔王は渋い顔をしてグレンを真っ直ぐ見据えていた。

 そして魔王の口が開いた。

 「兵を見捨てて逃げる、か。それはまた随分と魔王にぴったりな役だね」

 魔王の声は乾いていた。

 それを聞いたグレンは微笑を浮かべて

 「分かってくださいましたか。では早速逃走の準備を始めましょう。共に生き残るべき兵は私共が適切に見繕います。出立は今から3時間後、10時半ごろとしましょう。陛下はそれまでお休みください」

 グレンは一息ついたように肩の力を抜いた。

 一方このやり取りをただ聞いていたゲウスは、ベイルとグレン。この2人に違和感を感じていた。

 (何か、何か二人とも・・・演技をしているようだ。ふっと感情を表に出したかと思えば、またすぐにまた違う感情を出す。まるで出来損ないの舞台劇を見ている気分だ)

 この遣り取りは一体なんだというのか。確かに魔王は感情的で天邪鬼な所がある。しかしグレンはもっと冷静だと聞いている。それは何度か彼を見た私も異論は無い。しかし何故だろう。まるで魔王を挑発しているような気さえする。

 そんな事を考え込んでいると、魔王が立ち上がった。

 「会議はこれで終了だ。みなもう解散していい・・・。それでグレンといったね、お前。話があるからここに残っていろ」

 魔王ベイルはそう無表情で告げると、グレン以外、ゲウスたち3人を強引に追い出した。


 (訳が分からない。この遣り取りには何の意図が込められていたのだ?)

 ゲウスはそう思いつつ退出する。残りの2人を見ると、彼らもどこか腑に落ちない表情をしていた。




 

 「さて本題だ」

 ベイルは椅子に座りながら正面に立つグレンを睨んだ。

 「この前お前の姉に会ったが、お前ら姉弟は一体この僕にどんな役柄を望むんだ?」

 グレンは微笑で答える。

 「何の話です?私に姉などいませんが」

 「惚けなくていい。あの占い師からお前のことは聞いていた。最初はまったく意味が分からなかったが思い出した」

 「・・・。そうですか。では隠すのは止めにしましょう」

 グレンは薄笑いを止め、真顔になった。

 「どんな役柄を望むか?そんなもの望んじゃいませんよ。ただ貴方がレンブラントを葬ってくれさえすれば良いんですから」

 「そもそもそれが分からない。なぜ人間のお前らが勇者の死を望む」

 グレンは忌々しそうに

 「奴を勇者だなんて呼んでほしくは無いですね」

 ふっと肩を落として続ける。

 「良いですか、貴方がレンブラントを殺す。そして私たちは貴方の野望に協力する。いま重要なのはそれだけでしょう。残念ながら今回レンブラントを殺す事は出来ませんでしたが、いずれまた好機が訪れ、今度こそ貴方が勇者を殺す時まで、私達は貴方の味方です」

 ベイルは頭を軽く抱え、溜息をつく。

 「ああ分かった。それで、さっきの会議で、お前は俺に何を言わせたかったんだ」

 するとグレンは薄い口を吊り上げ

 「いえ、ただ兵の前で、兵を見殺しにすると言えるかどうかを知りたかっただけです。案外貴方もお優しいのですね」

 そう笑いながらグレンは退出した。



 ベイルは立ち上がり、テーブルの上の水差しを持つ。

 (それにしても気に食わない。自分の知らない所で話が回っているというのはとても気に入らない)

 しかし何より気に入らないのは・・・

 (あんな奴らに頼らなければいけない自分の無力さか)

 水差しに入っていた水を、苛立ちを振り払う様に一息に飲み干した。 

久しぶりに部屋の片づけをしていたら

1年位前に書いた小説を発見。


・・・・・明らかに今より上手い。

まぁ仕方ないね。あれから随分書かなかったしあんまり小説も読めてないし。

さてどうにか会議を終わらせた。

会議って最も書きにくいシーンだと思うわけよ。

いやまぁ誰に何を言わせてどういう結論に持っていくかをしっかり考えない自分が悪いんですが。

ところどころ奇妙な点があるのは自覚してますが割り切ってくれると嬉しいです。

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