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42話 龍島と増える配下

祝!1万PV達成!感謝御礼!

風竜来訪により中断してしまった会談は翌日に再開と決まった


しかし、俺は風竜の言葉が気になっていた


竜が何故人を、国をあれだけ心配するのか


友との約束とも言っていたな


それに時間も気にしていた


まだ大丈夫とは言っていたが明らかに終焉がある言い方だ


こうなると気になって仕方ない


丁度良く両国のトップもいるので許可を貰おう




「俺は明日にでも龍島へ行こうと思います。ただ今は護衛依頼の最中なので、王妃の許可が欲しいのですが」




端的にお願いと許可を求めて、俺の上位者が誰かを周りに見せる


教皇は黙して語らず


王妃は、結構な爆弾を落とした




「ラフィ君の護衛依頼は既に完了にしてありますよ。娘の婚約者ですし護衛依頼と言うのも変でしょう。それと龍島へ行くのなら婚約者と私と教皇は連れて行きなさい。現状のランシェスの頂点は私ですから」




思わず泣きたくなった


雷竜の縄張りがあるとはいえ、どんな危険があるかもわからん場所に連れてけとかこっちの苦労も考えて欲しいのだが


3人の婚約者は行く気やる気でヴァルケノズさんもしょうがないわな見たいな顔してる


あんたは止める側だろうが!


ただ流石に護衛が足りなさすぎるので条件付きで了承した




風竜達に神都守護の4名を残し、残りは共に着いてきてもらう事にした


雷竜は道案内なので当然一緒だ


護衛には近衛聖騎士筆頭、第1席師団長、ウォルド、ナユルの4名だ


魔法使いの役割は竜達に任せよう


人数が多くても警戒されてしまうしな


この4名には教会から別途報酬が支払われる


尚、ナユルが入った理由は万が一に備えての回復役


ウォルドとナユルが微妙な顔になったのは言うまでもない




翌日、朝食を取った後に教会本部へ集合してから神都を出て竜に乗り、一行は龍島へと向かう


馬車で行けば龍島に最も近い漁村迄6日掛かる


空の旅でも1日は掛かるのだがそこはチートな俺の出番です


まず雷竜に乗って空力制御し、雷竜を身体強化して、空路で神聖国最南端にある漁村迄の1日掛かる行程をいくらか縮める


次に時空間魔法を使い、空間同士を繋げて神都郊外で待っている者達の場所と現在地を繋ぐゲートを作り、全員がそこを通り半日程で全員が最南端の漁村に着く


そこからは海か空の旅なのだが、時刻は既に夕方前で、今から全員で空を飛ぶと日が落ちて竜の背で一夜を明かす事になる


海路でも狭い船内で一夜を明ける事になるので、さっきと同じ方法で一気に龍島へと向かう




日が沈みかける頃に龍島へと辿り着き、何とか地面で寝れると皆が安堵した


龍島に着き、雷竜の縄張りへと案内された一行は数日ぶりの雷竜の長と再会する


ただ雷竜の長とか呼びにくかったので、長だけではあるが固有名称を付けたいと言うと歓喜した


雷竜の長は双雷と言う名前にした


安直と言うなら言えば良い


こういうのは閃きが一番なのだ


後、ここまで案内してくれた雷竜にも名前を付けた


名は迅雷


他の雷竜達から嫉妬で思いっきり蹴られている迅雷だが、どこか嬉しそうである




名前を付けた後、寝床の用意をしつつ食事はどうするかなと考えていると雷竜達が島の果物や仕留めた獲物を運んできてくれた


竜達は肉食だが別に果物を食べないわけではなく、寧ろ果物ばかり食べる変わり者もいるらしい


雷竜族は総勢100弱で食事には困らないそうだ


新しい発見でもあり心が少しワクテカしつつ夕食の準備に入る


調理は俺、ミリア、リリィ、ティア、ナユル、王妃で手際よく行っている


・・・・・・・ん?王妃?って料理できたのか?!思わず振り向いてしまった


かなり失礼ではあったが、王妃は気にした素振りも無く一言




「他所の王族は知りませんが、ランシェス王家では一通りの料理は必修ですよ」




衝撃の事実であった


王妃の言葉を聞いた残りの男衆は何とも言えない顔をしている


料理が微妙な自分達と王妃に料理をさせてしまったという事実


これ、不敬罪になんねぇよな?と一同が思うのも無理はない


しかし、王妃は問題無いから邪魔しないようにと告げて男衆を遠ざけた


そして、やはり双雷の強さが気になるのか?教皇を除く男衆は軽くて手合わせをしに開けた場所へと向かって行った




他の雷竜達は俺達の調理に興味津々である


俺も双雷の強さは知りたかったのだが、飯が遅いのは嫌だったので調理の方へ専念する事にした


10分後、ボロ雑巾になった3人を双雷が運び、ナユルが回復魔法をかけつつ、女性陣が呆れたのは言うまでもない事であった




調理が終わり夕食が出来たので雷竜達と共に食事をする


風竜達も当然一緒だ


竜族は仲が悪い訳ではなく、基本は情報交換のみで他種族と関わろうとはしないらしい


風竜族と雷竜族が共に食事をするのは超が付くほど珍しいのだが、風竜族曰く、同じ友や主を得た場合はその限りでは無いそうだ


特に同じ主を掲げた時には真逆で交流は密になるとの事


ただ、何故か夫婦つがいにはならないらしい


後、一度肩を並べたら再び主や友が違えるまで交流は続くそうだ


で、ここからが本題である





風竜族と蒼龍の一族は同じ友がおり現在も交流があるそうだ


恐らく風竜の長が巣に戻る前に蒼龍と会っているだろうと言う事で、話は幾ばくかは伝わっているはずと言うが、昨日別れたのにそんなに早く着くのかという疑問については、群れの仲間のみを巣に返し、長は蒼龍に会いに行ってるはずだと迅雷から報告を聞いた双雷が俺達に告げる


風竜の長は字の如く風を司るので竜達の中でも速さは群を抜いているとの事だ


そんな話をしつつ、子雷竜が甘えてきたので喉をゴロゴロしながら頭を優しくなでると目を細めてうっとりしつつそのまま寝入ってしまった


他にも何人か子雷竜がおり各々甘えている


そんな感じで夜は更け、一同は眠りにつく




翌日、竜達の総意もあり、先に蒼龍の元へと向かう事になった


朝食は昨日の残り物を軽く作り直して食べ済ませ、蒼龍の元へと向かう


海岸にたどり着くとそこには、青く光る竜が威風堂々と佇んでいた


直後響く音に警戒するが双雷の一言で全員が某コメディみたいにズッコケる




「蒼龍!起きんか蒼龍!!ええい、相変わらず寝起きの悪い奴め!」




そう言うや否や双雷が思いっきり蹴りを入れて沖に吹っ飛ぶ蒼龍


何か蒼龍ってクールで知的なイメージなんだが、俺の中で何かが壊れた瞬間だった


ヴァルケノズさん達は何か謎が一つ解明されたようで何とも言えない顔をしてる


聞くと時折水柱が龍島方面から上がり、その都度警戒していたらしく、その原因が蒼龍が海に蹴られていると知って「何のために警戒を・・」と聖騎士総師団長はぶつぶつ言っていた


水柱から十数秒後、再度水柱が上がり蒼龍が姿を現す




「ねっむ。なんや2頭?何か用事か?ったく、蹴って海に放ることないやろ」




何故に関西弁?俺の中のイメージがぁぁぁぁぁ


地味に精神的ダメージを与えるとは蒼龍恐るべし!




「ん?なんや客人か?わいは蒼龍こと水龍や。よろしゅうな」




何かが壊れ、プツンと音を立て、気付いた時は全力で蒼龍改め水龍の顔面右に拳を叩き込み、身体強化して再度沖へと吹っ飛ばす


数秒後水柱を上げた水龍は




「いったぁぁ!何すんねん!喧嘩ならいつでも買「謝れ!全ての蒼龍と水龍ファンに謝れ!!」」




と、水龍が言い切る前にもう一発ぶち込み、また水柱が上がり復帰時に水柱が上がりまたぶち込み・・・・・・以下エンドレス


5分程同じことを繰り返し、周りが止め、ようやく事態は落ち着いたが水龍は謝り続けていた




「主・・・・・・気持ちはわかりますがやり過ぎです」




双雷に言われるが




「イメージがぁぁぁ・・・・・・俺のイメージがぁぁぁ」




叫びまくり両肘ついて四つん這いになる俺


その姿を見た双雷を含めた全員が「ラフィ(君)(様)(主)にあれだけの精神的ダメージを・・」と驚愕していた


更に10分が過ぎ、お互いが落ち着き、対談は・・・始まらなかった


それもそのはずで予想通り風竜が水龍に会いに来ていて話をしていたからである


後は聞いていた魔法とルリの話を聞くだけだったのだが、ラフィの暴走により力は見るまでも無くルリに話を聞くまでも無く配下に加わった




「わいは風竜から話聞いて待っとったのに思いっきり殴られるわ蹴られるわ踏んだり蹴ったりや」




「その喋り方が悪い!!蒼龍と水龍のイメージ壊しやがって!」




「昔からこの喋り方やしなぁ。因みに水龍族は皆こんな感じやで」




「マジか・・・水龍族に何があったらそんな喋り方になるんだ」




「さぁなぁ。ワイらからはすれば我・・とか、汝・・とか堅っ苦しいだけやしなぁ」




「あ、頭いてぇ・・」




「大丈夫か主はん?薬調合しよか?水龍族は竜族の薬屋でもあるんやで」




「いらん!ったく。んでさっきの話で良いんだな?」




「問題あらへん。海の方は水竜族に任せとき。それよりもや。ほんまにこっちのお願いは行けるんか?」




「それについては問題ありません。人化出来るならば神都にて学べるでしょう」




「ほんまか!?流石教皇はんやなぁ。わい教皇はんやったら友になったってもええで」




「ありがとうございます。今度ゆっくり話をしましょう」




「せやな!酒でも飲みながらお互い愚痴でも言い合おっか」




何ともノリが良く軽い水龍である


名前を付けるならば関西人とつけたいわ


いや、風を受ける某ミュージシャンの○川でも良いかもしれない


それくらいの関西弁でノリが良いのだ




「次は赤んとこ行くんやろ?あいつは多分1戦交えなあかんやろうなぁ」




「先手必勝フルボッコする」




そういうと水龍はブルっと震え、双雷は「ははっ・・」っと苦笑いする


かくして一行は水龍族を配下に加え、龍島中央の赤竜の元へと向かうのだった




龍島中央、赤竜の縄張りに足を踏み入れた一行だが、現在手厚い歓迎を受けていた


双雷と水龍が皆を守り、俺は赤竜達とOHANASHIの真っ最中である


とはいっても多数対1ではなく1対1なので身体強化した俺の無双中である


ただ数が結構いるのが面倒くさい


現在無双して50勝位だろうか?ここでようやく赤竜が現れる




「ほう?我が一族が相手にならんか・・・・面白い!我は赤竜族の長、炎竜!!汝の名は!?」




「グラフィエル・フィン・クロノアス」




「グラフィエルとやら我と戦え!勝てば話を聞いてやる!!」




「了解。泣いても知らんからな」




その言葉の後、赤竜改め炎竜は泣きはしなかったが一方的にフルボッコされ、降参しても容赦なく攻撃されて恐怖を植え付けられた


悪鬼羅刹の如き攻撃に周りが止めに入りようやく止まるが、水龍は「あれ、序の口やったんや・・」と呟き、双雷は「主・・やり過ぎです」と言い、炎竜は白目を剥いて気絶し他の赤竜達は平伏した


俺の完全勝利である!


尚、赤竜達は後日談でこう語っていたそうだ


「この世には手を出してはいけない存在がある」と




炎竜の気絶回復を待つ間、丁度昼頃だったので昼食にする


食べ終わる頃には炎竜が目を覚まし、他の赤竜達が平伏しているのを見て配下に加わる事を宣言し、赤竜達が安堵する




「強いな、我が主君は。風竜の話を聞いた時は眉唾だと思ったが」




「風竜が来たのか?」




「来ました。我ら竜族が再び一つの主の元に集うべき者とも言っておりました」




「へぇ。・・・・・ん?ちょっと待て。再びと言う事は以前にも集ったのか?」




「全竜族が集ったわけではありませんが赤、蒼、緑、茶、白は主ではなく友として集ったことがあります」




「主では無くても友として5種族が集うとかどんな奴なんだ?」




「風竜の盟友にして竜王国の初代国王です。主君は単騎でも力を見せましたが彼の者は主君とは別の力を見せ友となりました」




「スゲーな。竜王国の初代国王は」




「ですがその竜王国も終わりの時が近づいております。主君に願いをした時に奴は竜王国に救いをと言いませんでしたか?」




「何の話だ?俺は風竜から竜王国に来て欲しいとしか聞いてないぞ」




「なるほど。奴の矜持が許さなかったのでしょう。盟友の願いと主への忠誠は別と言った所でしょうか」




「詳しく話せ」




「御意。我が主君よ」




炎竜から聞いた話はこうだ


現在竜王国は未曽有の危機に瀕している


帝国の侵略に腐竜の増加と正体不明の灰色魔物


その全てに風竜族は竜王国の兵達と共に対処しているとの事


本来なら竜族にとってはどうでも良い話だ


だが風竜は初代国王と友になり、盟約を交わして今尚守護竜として前線にいる


度重なる戦闘により竜王国は国力、兵力共に危機的状況にある




だが、悪い話ばかりではない


帝国は皇帝が病で倒れたことにより一度進軍を止め、現在は相互不可侵条約を結び、いくつか奪った山脈を返還している




一方、腐竜の増加は止まらず謎の魔物は正体不明のまま数年が経過


当初、雇用していた傭兵国の戦士達も雇うのが困難になり現在国土の4分の1が腐竜達によって占拠され汚染が拡大しているのだ


幸いなのは水源の場所が汚染されておらず何とか国を保っている状況である




俺は思わず「あの大馬鹿野郎が・・」と呟いてしまい、竜王国自体には縁も所縁もないが友が死して尚、守ろとする風竜を助けてやりたいと思った


当然、一発は殴るつもりではある




俺の気概を感じたのか龍島の竜達が一斉に咆哮し全ての竜が集まる


連れて来ていた皆に




「今から竜王国に行く」




と告げ、全員が了承した


今回は着いてくるとは言わない


冒険者でもなく神聖騎士でもなく竜達の主として竜王国へと向かう


その決意の前に誰も何も言えず、婚約者たちは唯々うっとりとしていた


ゲートを使い神都迄繋ぐ






全員を送り届け、竜の主は龍島の全竜を率いて竜王国へと向かう

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