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40話 神聖騎士誕生

セフィッド神聖国の危機的状況が、何故か疑問は残るものの俺が雷竜族の主になって終息を遂げ、教会本部と冒険者ギルドが一応勝利(ワイバーン戦のみ)と発表したので、国民は喜び夜はどんちゃん騒ぎとなった

流石に教皇や王族は軽々しくは出来ないが、それでも人々は歓喜して騒ぐ

龍島に向かう為に残った雷竜は雷竜族への友好もあり国賓待遇なのだが、体が大きい事もあり主の傍でという願いもあって屋敷の庭にいる

雨風の心配もあるので王妃様に許可を貰い、土魔法を使って簡易的ではあるが屋根付きの寝床を用意し、龍島に向かうまではそこで日々を過ごす


一夜明け、朝食を済ませた後に俺はギルドへと向かう

ワイバーンの討伐金を受け取るためだ

今回は神都内の冒険者を総動員したのでワイバーンの討伐金の中から白金貨600枚中200枚を残りの冒険者達で分け合う

残りが俺の取り分であるが黒金貨4枚とか途方もない金額である

日本円に換算すると約400億になるのだが何に使えば良いのか見当もつかない


今回は教会からも特例で報酬が支払われた

理由は本来なら絶望的な戦いの中へ良く参戦してくれた感謝である

ただ、財政的な事もあるので報酬は一人金貨5枚で参加人数は200人

黒金貨1枚分の出費となったが今後を考えると安い出費である

合計の報酬は冒険者一人辺り白金貨1枚と金貨5枚であり俺の報酬よりも超安いのだが参戦した者からは何も文句は出なかった


文句を言ったのは非参戦者たちだが参戦してないのだから当たり前だろう

中には参戦したと嘘をつく奴まで居たがギルド側が参戦者は全員記帳していたので、嘘をついたやつは一晩牢獄送りの上で冒険者ランクを最底辺迄落とされる処罰がなされた

中には俺から金を巻き上げようとする者もいたが、聖騎士達もいて同業者達からも非難を浴び更にギルド側から処罰をされ散々な目にあっていた

尚、処罰の内容は冒険者資格の剥奪で一番重い

最も厳しい処罰がなされたがこれは教会本部も合意の処罰らしい


本来、冒険者ギルドの運営に国は基本立ち入らないのだが、今回に関しては国家滅亡の危機の上、個人の戦闘能力があまりにも高すぎて両運営陣が恐れたためだ

故に、今回のギルド側の処罰が重かったりもする

非参戦者達にしてみれば踏んだり蹴ったりではあるが自業自得でもある


尚、今回の報酬に関して文句があるなら両陣営に不服申し立てを行うこと以外は一切認めない事とし、個人で今回の参戦者たちに危害を加えた場合、重犯罪者として扱い、犯罪奴隷として鉱山送りになるとも決定された

この決定は教会本部から正式にセフィッド神聖国全体へと通達され参戦者達を守る事となった


全員が報酬を受け取る中、俺は一人で椅子に座り、終わるのを待っている

傍らには何故か近衛聖騎士が二人いるのだが理由は知らない

全員が報酬を受け終わる頃に聖騎士総師団長と筆頭近衛聖騎士の二人が現れる

何事かと思うが二人は軽く会釈をしてギルマスに手紙を渡す

受け取った手紙をギルマスが読むと俺を見て告げる


「グラフィエルをSSランクへと昇進させる」


ランク上がちゃったよ

周りの参戦者からは拍手喝采である

非参戦者たちは悪態をついていたが「文句あるなら全員相手になるよ」と言うと引き下がった

意気地のない奴らである

参戦者たちは俺の言葉に乾いた笑みを浮かべていた


俺も報酬を受け取り、ようやくちょっとは休めると思っていたのだが、近衛聖騎士筆頭が「次は本部にお願いします」と言われて連行される

参戦した冒険者達も今日は全員が休暇にするみたいで面白そうだと後をついてくる

普通なら聖騎士達は散る様に告げるのだが今回はそれをしない事に俺は猛烈に嫌な予感がした


教会本部に着くと神聖国の重鎮全員に何故かランシェス王族の面々と学友たちが全員いた

中に通されると俺を中心に囲み、神像の前でヴァルケノズさんが宣誓をする

俺の名前を呼び、ヴァルケノズさん以下セフィッド神聖国の重鎮と聖騎士達が跪き、更には御子であるミリアも跪いていた

状況が呑み込めない中、ヴァルケノズさんは驚愕の言葉を発する


「グラフィエル・フィン・クロノアス様を伝承にありし神聖騎士と認め、我らセフィッド神聖国は神聖騎士の元に集わん」

「「「「「神聖騎士様!どうか我らの身命と共に」」」」」

「御子、ミリアンヌ・フィン・ジルドーラは貴方様の傍に」

「「「「「神聖騎士と御子に祝福あれ!!」」」」」

「我ら聖騎士は神聖騎士の剣であり盾である」

「「「「「聖騎士達よ!神聖騎士と共に」」」」」

「我らは常に神と共にありて神聖騎士と共に翔ける」

「「「「「神の騎士よ!我らと共に!!」」」」」

「教皇は民の安寧の為」

「聖騎士は国の安寧の為」

「御子は神聖騎士と次代への命を」

「「「「「嗚呼、我ら神聖騎士と共に」」」」」

「「「「「嗚呼、我ら神の導くままに」」」」」

「我らの行く末に光あれ!!」

「「「「「世界に光あれ!!」」」」」


俺を中心として全員が跪き言葉を紡ぎ終わる

一体何事か?と思っていると儀式?っぽいものが終ったのか、リアフェル王妃が声を掛けてきて事情を説明してくれた

セフィッド神聖国は教皇より上位の神聖騎士の位を俺に与えたとの事

過去にも神聖騎士は1度だけ誕生しているがやはり他国の者であったらしく、過去の神聖騎士も自国の方へ席を置き、尚且つ、竜と狼を従え救国の騎士となったそうで伝承のまま・・・否、伝承以上の事を為した俺を正式に神聖騎士にしたいと打診を受けたそうだ

国の所属に関しては神聖国からの勧誘は一切せず、本人の意思を尊重するとの言葉に疑ったそうだが、神聖騎士に認めてしまえばこちらからは一切口を出せなくなると言われ、神聖騎士は神聖国内にて最上位権力者でありながら自由なる騎士になるそうでどの国に所属していても問題無いらしい

唯一許可して欲しい事は、セフィッド神聖国教会本部が全員の意思を共通させ神聖騎士を認めた事を世界に発信する事だそうでリアフェル王妃は認めたとの事

・・・・・・本人の意思を無視してな


当然辞退したかったのだがそれを見越したリアフェル王妃に先手を打たれた

宣誓と儀式を終えた以上、辞退は不可と言われる

こうして俺は各国に神聖騎士としてその名を轟かせることになった

この事を聞いた各国の冒険者ギルドは満場一致で更なる昇格を決めて全てのギルドへ連絡し神聖騎士にしてSSSランク冒険者グラフィエル・フィン・クロノアスが誕生したのであった

うん、これマジで神様~ズ何かやってるよね?




神聖騎士への宣誓が終わり、ミリアとヴァルケノズさんに連れられてとある一室へ案内される

この部屋は許された者しか入る事が出来ず、婚約発表を正式に終わらせた後に案内する予定だったと告げられた

今、この部屋にいるのはヴァルケノズさん、ミリア、近衛聖騎士筆頭、聖騎士総師団長の自国民に加えリリィとティアも一緒である

リリィは俺の婚約者でティアは予定だが神聖騎士特権でここにいる

リアフェル王妃以下ランシェス組は行きたがっていたが俺の尋常ではない雰囲気に諦めた

リアフェル王妃以外はだが

最後まで食い下がったがこればかりはダメと諫めて、もしかしたら後で知ることは出来るかもと告げたら渋々引き下がってくれた

で、案内された部屋に入った瞬間に俺はとある場所を連想した


連想したのは【神界】である

その場所を連想させるくらいにこの部屋は神気で満ちていた

そこへ突如、召喚陣が開かれる

全員が警戒するが俺は手で制した

何かを感じたのだろうか?俺の魔力と繋がっているのだから自ら召喚陣を発動させれるわな

原理はわからんけど


そんな感じで待つこと数秒でルリとハクが出てきた

出てきた瞬間、とりあえず叱った

勝手にしたらダメとかする時はせめて連絡しろとかだ

念話を使って出来なくはないので二匹はシュンとしてごめんなさいした

そんな姿にキュンとしたリリィとティアは二匹を抱き上げ撫でる

甘やかすだけじゃ良くないのだが今回は大目に見るか


俺は再び部屋の中心部へと向き直る

そこには卵と封印睡眠と言うべきなのだろうか

結界の中に小動物がいた

それについてヴァルケノズさんが説明をする


「この結界内のはミリアさんが5歳の時に贈られてきたそうです。ただ、どれだけ待っても孵らない目覚めないで、死んでしまわないように結界補強と出来る限り神聖な場所で眠りにつかせていたのです」


ヴァルケノズさんはこれが何かわかっていない様だ

ミリアも若干わかってはいる様だが確信には至っていない模様

俺はおもむろに手を添えると意識が流れ込んできたので3人を呼び、まずは卵にミリア・ティア・リリィの順番で手を置かせその上に手を置き神力を少しずつ流し込む


数十秒ほど経つと卵にひびが入り中から雛、ではなく小さな小鳥が誕生する

「ピ」と元気良く鳴くと羽ばたきミリアの肩に止まる

ヴァルケノズさんは「流石・・」と褒めるも半ば放心している


次に小動物の方だ

こちらはミリアだけで良さそうだな

小鳥を肩に乗せたままのミリアの手を取り一緒に触れると結界が一瞬で消え、封印が解かれて中から小さな狐が姿を現した

ただ、普通の狐ではなく尾が9尾あった

じっと見ていると狐は俺の手に頭を摺り寄せた後、ミリアにも同じことをして「キュ」と鳴いた後に眠ってしまった

後ろでは「おお~」という声が上がったがあえて無視する

俺は小鳥と子狐を見て「やはりか・・」とボソッと呟き


「ヴァルケノズさん。小鳥と子狐は任せて欲しいんだが」


「それは構いません。が、やはりその1匹と1羽は?」


その問いに俺は頷いて肯定する

ヴァルケノズさんも「やはりですか・・」と察したようだ

俺達はそれだけ伝え合うと部屋を後にする

ヴァルケノズさんには念の為にあの部屋はこれからも同じように扱うようにと告げておいた

全員には神秘の部屋とでも名付けて説明すれば良いとだけ告げて事後処理は全て任せる事にする

とりあえず用事も終わったし半日は休めるかな?と思うがそうは問屋が卸さない

神聖騎士になったので色々な書類を今日中に整理しないといけなそうで、それには俺の署名が必要な物もあるからと執務室へと連行され今日が終った


翌日は前の会談の続きでまたも教会本部へと赴く

中に入るとシスターが両手を組み俺に祈りを捧げてから案内に入る

途中、すれ違うたびに祈られるので堪ったものではなかった


応接室に入り再び婚約発表についての協議がなされるが呆気なく終わった

神聖国側が開口一番、打開案を提示したのだ

秋の収穫祭の時に同時発表にしようと提案してきたのだった

ミリアは既に留学中であり本国には居ないが良いのかと問われると神聖騎士に付き従いか共にいると宣言すれば問題はないとの事

秋の収穫祭はどの国も似たような時期に行われるため問題もない

ティアにも配慮した時期となり、両国とも約2か月後の月の始めに発表する事で合意し、3人の婚約を正式に発表する事となった

ティアに関してはリアフェル王妃も間に入り動くとの事でほぼ間違いなく婚約できるだろうとの事だ


次にヴァルケノズさんのランシェス迄の護衛だがこちらも引き受け、帰りは現在の護衛をそのまま引き継ぎさせることで合意した

そこに俺と学生冒険者は含まれていないが


ミリアの住まいに関しての再協議だがこれはランシェス側が折れた

俺が神聖騎士になった以上は王宮住まいと言う訳には行かないと譲らなかったのだ

ただ、国賓待遇は変わらずに行う上で住まいは俺の屋敷にし、護衛を付けて滞在費用は両国で分割する事になった

また神聖国側からも近衛聖騎士を分隊派遣する事になり、有事の際には使って貰って構わないことにして、色々アピールに使うそうだ

神聖国側もかなり甘い条件を出してきたので折れるしかなかったのが正解だろう


次の議題は神聖国側はあまり関係はないのだが、口を出さずにはいられないようで、俺の陞爵の件の話になった

初めは子爵であったが本国に戻り次第、伯爵までは間違いなく上げる、と言うか上がる、いや上げざるを得ないのだが神聖国側が納得しなかった

だが辺境に領地を持っていない以上、辺境伯は不可能で侯爵に上げるとするならば反発は必須であり伯爵に上げるのも半分は強権発動に近い

神聖国側も理解はしてるが神聖騎士が伯爵ではという思いもあり、会談が荒れに荒れそうだったので、「学生で独立貴族で伯爵なら前例がないのでは?」と俺が言って何とか落ちついたが、必ず伯爵にする事を条件にされリアフェル王妃も約束した


最後で少し時間を取られたため時刻は昼を回った位だ

一度休憩を取り、全員で食事を取っていると聖騎士が騒がしく走ってきて、ノックもせず部屋のドアを開けて、


「ひ、東の方角より竜の群れが多数!接敵は2時間後になると思われます!」


全員「はっ!?」だ

一昨日終わったばかりだろう、と思いつつ我に返ったヴァルケノズさんは「直ぐに騎士団を!」と叫び休憩も会談も中断となった

そんな中でリアフェル王妃だけがワクテカしてたのは言うまでも無い事だった

ストックが心許ない為、本日分から1話投稿になります

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