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27話 災厄後の話と面倒事

真っ暗だ・・・これは夢なのか?それとも死んでしまったのだろうか?

12の光が俺を囲み何かを伝えている

何を言ってるのかわからないが一言だけ聞こえた言葉に俺は無意識に頷いていたようだ

頷きを確認した光は満足したように消えて行った

聞こえた言葉は「神喰いを信じるか信じないかはお前に任せる」だ

そして俺の意識はまた沈む・・・・・






次に意識を取り戻した時、俺は天井を見ていた


「ここは・・・どこだ?・・」


絞り出すように出た声は俺の声みたいだ

自分の声と認識するまでに多少の時間がかかったほど弱弱しいと自分でも感じる


辺りを見回すと家族(父は退席中)にリリィ王女・ティア・輝く星のメンバーがいた

全員が無事なようで寝ている

俺は状況がイマイチ呑み込めていない

西側はどうなった?何故みんながここにいる?ここはどこだ?何故俺はここにいる?

状況確認をしようと考え始めると同時にリリィ王女とティアが起きた

まだ寝ぼけているのだろうか?「おはよう」と声を掛けると、俺が目覚めたのに気付いたようで二人共珍しく泣き出してしまう

その声にウォルド達も目が覚め、ナユルも一緒に泣き出しヤナが涙を浮かばせつつ慰め、3人は俺に礼を言ったり無事な事を安堵した


状況が全く分からないので起き上がって話を聞こうとするも全く力が入らない

ナユルとティアがぐずりながら上半身を起こしてくれた

今ので俺はベッドに寝ていたのはわかった

何故寝ているかはわからんが

ウォルドは苦笑しつつ状況を説明してくれた


スタンピードは被害甚大だが王国側の勝利で終わった

冒険者側の死者は621人でFとEが半分以上を占めるそうだ

重傷者も多く、一命は取り留めるも冒険者を続けられない怪我をした者が多数

復帰不能者は引退を余儀なくされ、冒険者ギルドや王国は彼らに別の仕事を斡旋するらしい


王国軍は1万5千名中約4千名が死亡8千名が重傷で残りは軽傷だそうだ

8千名も傷が癒えれば復帰できるが防衛力は著しく下がった

今、他国が攻めてきたら降伏するしかない状態にまで陥っている

俺は東側での戦闘終了後に歩き出そうとしそのまま倒れたそうだ

命の危険はなかったが身体のあちこちがズタズタで回復魔法の利きも悪く大変だったらしい

北と東の絶大な功労者で、色々と面倒事にもなりそうなので王城に匿って治療をしたと聞かされた


俺が呼んだルリとハクは王城の庭で待機しているそうだ

二匹が倒れた俺に真っ先に駆け寄り、ウォルド達に運んで行き指示?を仰いだらしい

指示に関してはウォルド達も多分と言っていたが間違いないだろう

ルリとハクは賢いからな


俺は念話でルリとハクに「ありがとう」と伝えると数分後に部屋までやってきた

二匹が急に動いたので何事かと兵士やメイドさんに父とフェル殿下や果てには陛下までもが現れ、部屋の中は一時騒然となった

二匹は1メートル強の大きさで戦闘態勢は解いていなかったが、俺の元に来るといつもの子竜と子狼の姿になり、リリィ王女とティアの膝の上で寛いでいる

何とも羨ましい二匹である


ウォルド達は俺を運んだ後が大変だったと言った

冒険者連中は騒ぎだすし、西の援軍に向かわにゃならんわ、良くないことを考える奴をぶっとばしとかないかんわと散々で半日ほど前にここに来たようだ

ウォルド達が来て半日なら一日眠っていたくらいだろうか?

聞くと既に8日眠りっぱなしだったそうだ

それで未だにまともに動けないとか結構ヤバくね?

ルリとハクも8日間全くご飯を食べずに警戒していたそうだ


二匹を撫でてやろうと思い手を伸ばそうとするが動かそうとする度に激痛が走り倒れそうになるもナユルが支えてくれる

ウォルド達はニヤニヤしてやがる

何か言いたいことあるならはっきり言えこの野郎!

と心の中で思っておく


ただこの分だと食事出来ねぇなぁ・・なんて考えているとメイドさんが食事を持ってきてくれた

がっつり系は起きたてでやめた方が良いと野菜を溶けるまで煮込んだスープを持ってきてくれたようだ

ルリとハクはがっつりと肉である

二匹は二人の膝の上から降りると肉にかぶりつく

上手そうに喰ってるなぁ


俺は激痛が走るため一人では食えない

誰かに食べさせてもらわないといけないのだがそこで3人の戦いが始まった

参戦者はリリィ王女・ティア・ナユルの3名

どうせ少し冷まさないといけないから良いのだが3人の隙をついてヤナが俺に食べさせた

3人はお冠になり休戦協定が組まれたようだ

尚、家族は先程から微笑ましく見ている・・・父を除いて


時間は過ぎて話も一段落した所でヴィルノー先代とギルマスがやってきた

ナユルが俺を支えて後始末と面倒事の話が始まる

未だ自分で立つのが無理な俺は陛下に非礼を詫びたが陛下は「気にする必要はない」と話を進めた


まずはギルド側の話だ

冒険者にはまだ登録できる歳になっていないため箝口令かんこうれいを敷かせたそうだ

破ればギルドからの除名と国からも強制労働に罰金が言い渡される

根も葉もない話をした場合には禁固刑が言い渡されるようにして徹底したと聞かされたが、どうせ人の口に戸は立てられんし無駄だろうと思っているらしい

それよりも罰が重すぎやしませんかねぇ・・・


ウォルド達は一部知っているのと元々仲も良いし他にも色々と動いていたので今回の話に同席している

冒険者として活動するならウォルド達Aランクパーティーとギルドが後ろ盾になりあくどいこと考える輩から守る立場を取ると言われた

冒険者になった場合には陛下とも話し合った結果Aランクからスタートさせると告げられる

あれだけの実力がある以上一番下からは流石に可哀そうでC・Dでは実力に見合わない

ならばいっそSからとの話もあったが他が反発するとの意見もありAに落ち着いたそうだ

実力がある以上SやSSもすぐだろうと大いに期待された


次に陛下の話だが俺の両親に色々バレたらしい

うちの両親は陛下を裏切る気は全く無いが子供の為なら王家でも殴り込みそうな感じではある

実際に今回は公爵家に殴り込んだと聞かされて苦笑した

ヴィルノー先代は


「あのグラキオスの鬼気迫る感じは怖かった」


と嘆いていた

で、先代は陛下に父を合わせたと

陛下もその時のことを思い出したのか身震いした

父曰く・・・・・・


「成人後の勅命なら何も言いません。で・す・が!!グラフィエルはまだ学生で子供です!何を考えて勅命を出してるんですか!!」


と、親としては至極当然で真っ当な事を言われ、王妃に睨まれ、めっちゃ謝ったそうだ

家臣に謝る主君・・・何ともヤバい話である

全員揃ってるのでついでに言っておいた

俺は貴族家の子供であって貴族家の当主ではない

ぶっちゃけた話、陛下は勅命は出来ても俺は貴族として動けないのです

言われた父と陛下と先代公爵はまたも父に小言を言われる珍事に見舞われる


そこで生贄にされたのはやっぱりゼロで、それなりに聞いていて問題無いだろうと判断したと弁明した

陛下直属の隠密部隊も3名護衛につけていたとも弁明していたが父の怒りは収まっておらず俺が陛下へ助け船を出して父は渋々だが納得はする

納得させた話はこうだ


「1名は北側蹂躙後に報告に戻りましたが残り2名は途中で俺の提案に了承し、ついていけると判断したみたいなので本気を出して置いて行きました」


と説明して、父に呆れられた

その後の話は陛下が引き継ぎ、北側の戦闘も一撃で終わらせて無傷と報告を受けていたので運び込まれた時は陛下も流石に焦ったと

そう言えば置いて行った2名はどうなったのか聞くと、追い付いた時には東側は全て終わっており、報告後に1名は凹みまくってもう1名は修練に励んでいるそうだ

その後も俺の事も考えて隠せる部分は隠して話をしていく


次に褒美についてだがまだ暫く時間もあるのでお互いゆっくり考えたいとした

祝勝パーティーは俺が目覚めてから行う予定で後最低3日は行わないとした


戦死者については兵の家族に恩賞を与え10年間の納税免除と一人当たり金貨50枚が配られる

冒険者に関しては家族が国内にいる者は同じ恩賞を与えるそうだ

ギルド側も今回は国に協力し恩賞と報酬の分担をする方向で話をしている

今回のスタンピードは東側のドラゴンが首謀者として片付けられた

冒険者側が証言をしたからである

真相を知ってる俺としては何とも言えない気持ちだ


話も終わり、皆が退席しようとした時、父に怒られた

父は一言だけ「この大馬鹿者が!!」と叱った

涙を目に貯めながら怒られた

俺は謝ろうと口を開こうとして父に抱擁された

父は「無事でよかった」と、人前では絶対に泣かない父が泣いていた

俺は何も言えなくなってしまった


ふと、陛下を見るとすごくバツが悪そうにしている

自業自得ですし、我慢して下さいと視線を送る

ウォルド達はもらい泣きだな

父の後ろから母二人も来て抱擁し、姉は話も終わり緊張が解けた事もあって「無事でよがっだぁ」と泣き出し、兄達は頭にポンと手を置き撫でてくれた

家族以外の皆はもらい泣きしていた

陛下とヴィルノー先代は負い目もあるのか部屋から退出しようとするが王妃に捕まり連行されていった

陛下と先代公爵は王妃からのお説教かな?

その後、少し雑談をしてお開きとなった


ルリとハクは念の為に護衛として俺と同じ部屋にいる

専属メイドのナリアも俺が王城にいる間は滞在し身の回りの世話をするそうだ

陛下は城のメイドでと父に言ったそうだが王妃&王女に一蹴されクロノアス家の申し出を全面的に支持した

フェル殿下も支持に回った為、陛下は孤立無援だったようだ


学院は春季休暇だった為、ほぼ問題無く例年通りに学校は再開されると連絡があった

王都に被害は無く少しずつ日常に戻りつつあるそうだ

ただやはりと言うか、箝口令を敷いたにも拘らず俺の活躍が既に市井に流れており、収集がつかなくなってもいるのでそのまま利用して民衆の不安を払拭させる方法しか取れなかった

その為に爵位授与と勲章授与は避けて通れなくなり俺としては頭が痛い事案だ

爵位は以前に王女たちを助けた分もあり男爵になる予定らしい


ここで爵位について更に説明しておこう

爵位は王家を頂点に公爵>侯爵≧辺境伯>伯爵>子爵>男爵>準男爵>騎士爵となる

侯爵と辺境伯は爵位として表向きは侯爵が上でも裏では辺境伯が強い事もあり実際はほぼ同等

但し、領地を持たない法衣侯爵と辺境伯では後者の方が圧倒的に強いがそれを表に出す事はない

それが名誉と建前を大切にする貴族と言う面倒な生き物なのである


また、名誉爵位は伯爵迄しかなく表向きは同じ爵位同士ではあるが実際は一つ下に見られる

名誉騎士爵は凖貴族で貴族では無いと言われているほどだ

また、騎士爵と準男爵も本物の貴族とは言えない

本来であれば世襲出来ない爵位だからだ

本物の貴族とは法でも世襲が明記されている男爵からになる

今回の褒賞とは辺境伯家の3男だった俺が新たに当主となって本物の貴族家を立ちあげるという話だ

・・・・・・・・・・・・爵位高すぎませんか?




閑話休題



勲章は竜輝章と呼ばれる勲章の中でも名誉のあるものが贈られると聞かされた

それとは別に屋敷と黒金貨10枚と高度高等学院の入学決定書が贈られるのも決定事項と言われた

入学決定書は王家ではなく高度高等学院から正式に贈られてきたもので週1の朝礼ですら免除で好待遇の超特例付きでもあった

他にも必要な事があれば出来る限りさせてもらうとのお達しで何が何でも入学せざるを得なくなった


そんな話を聞かされつつ目覚めた日から5日、スタンピードから約2週間が経過した

万全とは言えないが日常生活はほぼ問題無く過ごせる位には回復した

たまにふらつくが時間が解決するだろう


更に3日後、謁見の間にて式典が行われた

以前に聞いた恩賞が渡されるのだが全員が入れるはずも無く王国軍は代表者が冒険者側はギルマスが代表して受け取る

俺は褒賞なので全員が受け取る恩賞とはまた別枠である

始めは皆と同じで良いと言ったが国としての立場や王としての威厳に国民への英雄的行動への対価などの観点から却下された

俺の目録になると当然の如く貴族の一部が吠え出すが


「なら、お主が同じ事をして見せよ」


と陛下に言われると黙るしかなくなる

陛下は強権を発動しなかったが救援要請は出しおり、応じた貴族には2年間減税の恩賞が出ている

国への納税は年15%の月1%と格安である

今回は恩賞によって年5%にまで下げられているので領地持ちの貴族は大いに喜んだ

要請には応じたが間に合わなかった貴族にも恩賞が出ている

現在は軍がほぼ機能してないので一部兵を借りる代わりに2年間減税で年10%になっている

吠え出した貴族は恩賞を受けれなかった貴族達だ

要請を拒否したんだから当たり前だと思うが

3分の2近くの貴族は要請拒否しており陛下は


「叛意があるのかの?」


と続け全貴族が叛意は無い証として増税された

年30%を2年なので倍の納税である


「兵を出さず叛意もないのなら資金面で要請を受けよ」


とは陛下の言葉である

貴族達は受けざるを得なくなってしまった

強権発動よりこちらの方が強制力が高いと感じてしまった

俺もまだまだ勉強不足だな


こうして俺の褒賞は問題なく終り、勲章の授与も滞りなく終わった

爵位襲爵に関しても過去と今回の行動を見ても与える爵位が高いと一部が騒ぎはしたが陛下の一声により無事に・・・とはいかなかった

爵位は予定通り世襲可能な一番下の爵位で男爵が与えられた

未成年と言う事もあり今回は領地に関しては見送られた


ここまでは無事に済んだがリリィ王女を助けた件で騒いだ数名の貴族に陛下が不快感を示した

そりゃ王女であるのを差し引いても陛下の娘を助けて褒賞の爵位が高いと非難すれば・・・な

騒いだ貴族は準男爵家が3に男爵家4で子爵家が2になる

謁見の間では特に何もなかったが・・・後日、準男爵3家は取り潰しになり男爵4家は準男爵になり子爵2家の内、1家は男爵へ降爵しもう1家は多額の罰金となった事をここに記しておく


その後パーティーが行われたが戦場に立っていたものはほぼいないパーティーになった

パーティーの挨拶では陛下が今回の戦闘参加者のみの別パーティーを近々行うと述べ、会場には王城の会場を使う事も条件付きで許可をした

貴族には遠慮してもらうと述べ貴族だらけの戦勝パーティーは開始される





パーティーでは色んな貴族が群がって来て大変だったとだけ言っておく

後日のパーティーも似たような感じになったが共に死線を潜り抜けた者達なので大変ではあるがそこまで嫌では無かった


数日後、月が替わり俺は最上級生になった

あっはっは~今回も色々カオスってたぜー(シクシク)

壊れ気味の作者です・・・

今作者が言える事は一つ・・・どうしてこうなった(がくっ)

下書きした数話の時系列と言うか文章がおかしい!

いや、下書きしたの作者ですけど・・・だから、どうしてこうなった・・・なのです

う~む・・・・わからん

カオスってる下書きがこれ以上無い事を祈る作者です(一人一)

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