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251話 処罰と公都の選定

少しわかりづらい部分があるので、後書きで珍しく補足説明です。(多分出来てると思います)

 建国宣言後、予想通りに挙兵した貴族が出て来たので、平定を開始……したはずなのだが、なんか1週間で全部終わってた。

 最大勢力である旧ダグレスト中央南部貴族が真っ先に潰されたのだが、実は戦闘に非参加な俺。

 なんか、北西東部も同時期に潰されてたらしい。

 斯くして、平定作業は直ぐに終わり、現在、平伏ではなく、土下座した貴族達が目の前にいた。


「うん、なんでこうなった?」


「ラフィ様は、戦いたかったのですか?」


「そういう訳じゃ無いけど、なんか第三者的な視点に見えてさ」


 実感が無いと言うか、眺めてたら終わってたと言うか。

 まぁ、なんとも言えない気分なわけだ。

 因みにだが、平定戦闘の被害は、こちら側は全くの皆無だったりする。

 と言うのも、先の戦いで竜達と仲良くなり、心を通わせた兵士や騎士たちがいたのだ。

 その彼らは、竜の背に乗って各地の戦場を飛び回った。

 結果、北西東部の挙兵しようとしていた貴族家は、徴兵した領民たちが逃亡して敗北。

 中央南部貴族達は、ウォルドが指揮官となって七天竜を引き連れて大暴れ。

 北西東部の挙兵貴族達は、一応、被害無しではある。

 一応なのは、徴兵された領民の一部が心に傷(トラウマ)を負った可能性があるから。

 中央南部貴族達は、2割の損害を出した時点で降伏。

 で、数日かけて敵対した貴族達が本陣までやって来て、今に至る。

 未だに天幕を張っている状況なので、彼らは地面に頭を擦り付けて土下座中という訳だ。

 因みに俺は、ミリアを筆頭に、婚約者勢ぞろいで椅子にふんぞり返っていたりする。

 ついでに、同盟中の為政者も全員揃っていたりもする。

 まぁ、半分は面白がってだろうが、もう半分は俺の建国を各国が承認して後押しをしていると知らしめるためだろう。

 簡単に言うならば、利用してくれて大いに結構! 但し、きっちりと罰は与えろと言っているのだろうな。


「で、どうする?」


「ラフィ様が決めませんと」


「うーん、法整備はこれからだしなぁ」


 法整備がされていない――それは同時に、何処かの国の法を参考に処分が下されるという事だ。

 その言葉を聞いた土下座貴族達の顔色は悪い。

 下手をすれば、一族全員が処刑である。

 中には、まだ幼い子がいる貴族家もいるので、明らかに焦りが見えている。

 しかし、彼らからの発言は許されない。

 今、この場で発言が許されているのは、新しく王家となる者達だけ。

 それは同盟の為政者であっても同じだ。

 こちらから問いかけられた時にしか話せないのだ。

 見届ける者達と裁可を待つ者達と言う違いはあるが、結局は同じである。

 さて、本当にどうするかね。


「ラフィ様、一つ良いですか?」


「ん? リーゼには良い案があったりする?」


「案と言うか、妥協です」


 リーゼが言うには、挙兵した北西東部貴族達の一部は、分割した国土の中にある貴族家がいるらしい。

 なので、そちらは組み込まれた国へ任せたらどうかというものだった。


「問題は?」


「特には無いですね。各国の仕事が増える以外は、ですけど」


「じゃ、採用で」


 面倒事を押し付けられた! って顔を皇王、皇帝、ランシェス王がしていたけど、一部だけなんだから頑張ってください。

 発言が許されていないから、反論も出来ないので、これ幸いと押し付けに成功した。

 で、残る貴族――大半は中央南部貴族達なのだが、そっちはどうするのか聞いてみる。


「処刑は……駄目ですね。各領地が混乱しますから。しても、当主のみが限界です」


「降爵の上で、多額の賠償金か?」


「忠誠を誓えばですね。しないのであれば、家臣の中で秀でた文官を代官に――でしょうか」


「揉めね?」


「そこは、鶴の一声と言いますか……」


 リーゼが言うには、あくまでも案の一つらしい。

 正妻はミリアなので、リーゼの案はミリアの承認も必要と言われてしまった。

 但し、初代公王は俺なので、決定権はあくまでも俺とも言われてしまう。

 うーん、なんか矛盾している気もするが。


「リーゼさんの言う事は間違ってませんよ。私が別の案を出したなら、優先度が高くなるというだけの話です。但し、決定権は王であるラフィ様しか持っていませんので、王の決定には逆らわないというだけです。そこに遺恨はありませんよ」


「え? ないの?」


「あるところにはあるでしょうが、私達は仲が良いので」


「強いて上げるなら、国是もあると思います」


 ミリアの言葉に、リリィが追記する形で話してくれた。

 新しい国の名と王族の名も関係があると。

 確かにそうかもしれない。

 共に生き、幸福な日々を――が国是みたいなものだしな。

 時に言い合い、喧嘩し、そして仲直りする……それもまた、幸福な日々に含まれるのかもしれない。

 となれば、各国はどうか知らんけど、少なくとも我が国では、お互いを高め合うと捉えても問題無いのだろう。

 そう考えるならば、ミリアとリリィの考えも聞きたい所ではあるな。


「私ですか? ……リーゼさんと少し被りはするのですが、現当主は強制引退させて、子息へ継承。忠誠を誓わせる方向ですね。降爵と賠償金は必須ですけど」


「私も似たような感じでしょうか? ただ、強制引退の時期は考える必要がありますけど。後は、一からの街や城を造る訳ですから――」


「降爵は避けられないけど、働きによっては元鞘って感じか」


 ミリアは、恩赦は出すけど元鞘無し。

 リリィは、働き次第で。

 リーゼは、現当主のみ処刑もやむ無しか。

 嘘発見器とかあれば、選択肢を与えても良いんだが。


(……いや、待てよ? 誓約で行けるんじゃね?)


 誓約で嘘を吐くなと強制させれば、少なくともこの場では嘘を吐けないと考えた。

 誓約魔法は強制力が半端ないから、嘘発見器より優秀じゃね?

 そのことを、ヴェルグも交えて4人に話す。

 ヴェルグを加えた理由は、単に婚約者の中で一番魔法に精通しているからだ。

 で、結果だが、悪くない手らしい。

 受け入れなければ、叛意ありとも取れるから、非常に有用だとヴェルグからのお墨付きも出た。

 そうなると、当主だけでは話にならんなぁ。


「確か、従者も来てたよね?」


「はい。あ、もしかして……」


「リーゼは鋭いなぁ。まぁ、そういうこと」


「時間が掛かりませんか?」


「そこは仕方ないよ。とりあえず、土下座貴族達は暫く逗留で。各貴族家の従者たちは、嫡男を連れてきてもらうかな。勿論、竜送便で、最速で」


 そう言うと、ナリアが選抜した序列メイド達がスッと動いた。

 仕事が早いのは助かるが、誰に頼むかまで言ってないんだけど?

 あ、はい、そこは任せるべきだと。

 そして数日後、嫡男が到着した貴族家を一人ずつ誓約魔法で面談。

 結果としては、中央南部の一部の貴族の現当主処刑が決定した。

 現当主処刑が確定となった貴族家の嫡男の方は優秀で、時代の流れであり領民の為にと、こちらの要求に関して素直に従い、降爵と多額の賠償金も受け入れて、領地を継承する流れとなった。

 尚、減封だけは、今回は見送りとした。

 流石に、各貴族家の領界線変更とか手が回らんからな。

 まぁ、処刑された現当主たちは、下級貴族ばかりで、上級貴族家に処刑された者はいなかった。

 ただ、問題点もいくつか見つかったので、各貴族家に介入はさせて貰ったが。


「お疲れさまでした。ですが、あまり良い手では無かったですね」


「そう言うなよ、ミリア。流石に、何名かの嫡男は火種になるぞ」


 嘘発見器を兼ねた誓約魔法を掛けられた嫡男の何名かに、叛意の反応があったのだ。

 当然、帰順の意を示した現当主の顏は真っ青だったよ。

 だから、助けてあげたというのに。


「お気持ちは分かりますよ。でも、王家の介入はですね――」


「あまり良くないんだろ? だから、こちらから強制的に介入するのは今回だけ。初めから帰順の意を示した当主と嫡男には何もしないさ」


「後になって謀反を起こした場合には、どうするのですか?」


「同じことをするだけさ。但し、介入はしない」


「即刻お取り潰しですか?」


「誰になるかは不明だけど、お話かな? 物分かりが良ければ、話すだけで済むだろうし」


「それでだめなら、お取り潰しですか」


「そうだな。貴族への恩情は、一度で良いだろう」


「では、ブラガス様に伝えてまいります」


 ナリアが給仕をし、ミリアと二人で紅茶を楽しみながら、今回の反省点と今後の対応に関して話していく。

 他の婚約者がこの場に居ない理由は、王と第一王妃殿下筆頭候補のお話だから。

 気にしなくても良いと言ったのだが、ナリアもミリアも、この場にいないリーゼやリリィ迄もが、王家のしきたりであり、誰が正妻なのかを周知させる為に必要だと言われた。

 王族の中でも、婚約者序列が高い二人に言われて、他の婚約者達は納得して不参加となったのだ。

 では、情報の共有はされるのか? と聞いた所、ミリアから王妃達のお茶会クイーンズティーパーティーという名の、情報交換会と雑談の場でするのが通例らしい。

 まぁ、そのお茶会も、政争ドロドロになっている場合もあるらしいが。

 うちは違うと、全員が話していたので、大丈夫だと信じることにして、今に至っている。

 で、次は、今後に関しての話し合いなのだが、この先はブラガスも交えてとなる。

 普通はあり得ないのだが、冬まで数カ月と言う事もあり、出来る所までは急ぎでやってしまう方向にしたからだ。


「本当は、暫く独占したかったですけど」


 ミリアの素直な言葉に、ちょっとだけ罪悪感が……。

 うーん、話を早急に終わらせるように努めよう。


「うふふ、冗談です。ですが、国造りの話は皆でしましょう。今日は、基礎部分のお話なのですよね?」


「そうだね。まずは首都になる位置の選定……は、多分もう終わらせていると思うから、首都をどのくらいの大きさにするのかと、騎士や文官達の資料に関してだと思う」


「ええ、その通りです。そして、恨みます」


 声の方に、ミリアと共に顔を向けると、隈を作ったブラガスが、専属文官と共に大量の資料を持って現れていた。

 ナリアさんや、来たら声くらいかけてくれ。


「仲良くお話されていましたので」


「お気遣いは嬉しいですが、ラフィ様を困らせるのは無しですよ」


 珍しく、ミリアがナリアに注意をしていた。

 その言葉に一礼して答えるナリア。

 言葉を発さずに、謝罪をしたという事だろう。

 その考えは間違っていない様で、ミリアが少しだけ頷いて、俺に視線を向けて来た。

 許せという事なのだろう。


「次から気を付けてくれたら良いから。いつもご苦労さん」


「有難き幸せ」


「あの、こっちを無視しないでくれませんかね?」


 ブラガスからの苦情に、ミリアと二人で軽く笑い、座る場所を指定して話が開始される。

 まず初めは、首都になる場所の話からだな。

 テーブルに地図を広げ、資料が手渡された。

 それを、俺の隣に移動してきたミリアと一緒に見て行く。

 ブラガスの説明付きで。


「新しい首都――この場合、公都になるのでしょうかね。その場所ですが、旧ダグレスト王都から南に、1週間から2週間ほど下がった場所を選定しました。日数に差があるのは、選定次第で変わるからとお考え下さい」


「選定場所が、100近くあるんだが?」


「それでも減らしましたが? なんでしたら、減らす前の資料をお持ち――」


「いや、いらんから!」


 ブラガスが、なんか黒い。

 物理的じゃなくて、こう背後から、ス◯ンド的な物が見えなくもない。

 休みはちゃんと与えてあるはずなんだけど、なんでだ?

 そんな考えをしている傍で、ミリアは地図と資料を交互に見て、結構な速さで何かを書いて行ってる。

 あれ? 俺って不要?

 そんな考えをしている中で、ミリアがブラガスへと質問をしていた。


「南部ばかりに偏った選定ですが、これは各国との兼ね合いの為ですか?」


「それもあります。ですが、今の時代は仲が良くても、未来は分からないとお考え頂ければ。後は領地の関係や今後の拡張を考えると、南部の方が伸びしろもあるかと」


「領域に関しては?」


「選定次第でしょうか。もし開放するのであれば、今が好機(チャンス)かと考えます」


「各国の軍を使うと? それは我が国に他国の軍を招き入れるのと同義では無いですか?」


 ミリアの鋭い指摘が入るも、ブラガスは平常運転だった。

 これ、絶対に聞かれる事を想定してきてるよな? それと、今日のブラガスはやっぱり黒いと思う。

 なんでかって? たまぁに薄ら笑いするんだよ。

 見ていて怖い……あ、また出た。


「現在の各国軍ですが、先の戦争の後始末をしています。つまり、建国前から居るので、今は問題無いとお答えさせて頂きます。そして、我らが陛下は、各国に貸しもあります。今回、返して頂くだけですので」


 ブラガスの言い分に、ミリアがため息を吐いて、ちょっと頭を抱え始めた。

 気持ちは分かるよ? 俺も同じだし。

 後ブラガス、俺の貸しを勝手に使うなと言いたい。

 ん? なんかミリアが諦めたっぽい感じを出してるぞ。


「各国への根回しは済んでいるのですか?」


「ランシェスと皇国以外には。帝国はこちらの頼みを容認して下さいました」


「真っ先に、最大国家を落としているのですね。ブラガスさん、確信犯ですよね?」


「ミリアンヌ第一王妃殿下様、自分めの事は呼び捨てで」


「まだ候補です。……ではこうしましょう。公の場と式を挙げてからは――と言う事で」


「分かりました」


 ブラガスとミリアの分かり合った感。

 そして、一人置いて行かれる俺。

 ナリアは、我関せず状態。

 なんだろう? 嫉妬の炎が燃え上がって――。


「ラフィ様、何処か説明が要りますか?」


「とりあえず、今日のブラガスが黒い点について説明を求めるっ!」


「重宝頂き、感謝の念に堪えませんが、恨みます」


「感謝か恨みか、どっちなんだよ!」


 ブラガス君、俺達が勝つと信じて、ランシェス内乱終結後から、睡眠時間削ってまで、今後に関して取り組んでいたらしい。

 勿論、通常業務をこなしながら。

 休みがあっただろう? え? そんなものは返上していた? 無休で2か月以上働きづめ? 俺、命令してないよね? 恨まれるのは違くね? あ、褒めろと。


「ブラガス、大義だった。これからも、力を貸してくれ」


「有難きお言葉。それで陛下、貸しを使っても?」


「あ、うん、好きに使って良いから、ちょっと休もうな」


 ブラガスの目力が凄かった。

 目がね、使わせてくれないと、計画の練り直しで、数日は不眠不休で働きますけど、良いですよね? ええ、恨みますよ? 嫌なら許可ください――って感じで、断れなかった。

 流石に、悪事をするのなら、どんな状況でも断っていたけど、流石に今回はなぁ。

 あ、ミリアのジト目が突き刺さってくる。


「ラフィ様は、甘すぎます。ブラガスさんも、確信的な行動をし過ぎです」


「さーせん」

「申し訳ありません」


「良いですか? まずはラフィ様から――」


 その後、少しだけミリアのお説教が始まって、俺とブラガスは正座で聞いていた。

 俺に関しては、自分で作った貸しを勝手に使わせ過ぎな件について。

 貴族的にダメダメらしい。

 もう少し、色々と貴族的な勉強をするようにと。

 はい、頑張ります。


「次にブラガスさん」


 ブラガスは、ちゃんと休みを取らない点について。

 これに関しては、強制的に俺が働かせているという事になりかねないらしく、非常に風聞が悪いらしい。

 現状は仕方ないが、ある程度落ち着いたら、長期休暇を取る様にと、ミリアに誓わされていた。

 それと、貸しの部分については、甘え過ぎだとも言われていた。

 もっとやりようはあったはずだと叱られていて、気の毒であった。

 でも、助け舟は出せない。

 何故かって? ナリアの眼が、終始俺に向いていたから。

 何か言おうと動こうものなら、即座にミリアに告げるつもりだったと思われる。

 対岸の飛び火は勘弁なので、心の中でブラガスに謝っておいた。


「以上です。分かりましたね?」


「「はい!」」


 元気よく返事をして、選定の話に戻る。

 さて、場所はどうするかなぁ? そういや、ミリアが何か書き込んでいたな。


「ミリア、何を書き込んでいたんだ?」


「更なる絞り込みをしていただけですよ。私的には、旧ダグレスト王都から、10日程の場所が無難だと思います」


「理由は?」


「ラフィ様が創られた、ダンジョンに関してです」


 旧ダグレスト王都を飲み込んだ喰邪神を、ダンジョンにしてしまった件か。

 ミリアが言うには、色々な保険をかけておくべきらしい。

 その保険の中には集団暴走(スタンピード)も含まれていた。

 皇国でのダンジョン事変があるので、予防策は講じておく必要があると言われた。

 では、距離を稼げば良いのでは? とも言ったが、街道整備に関しても考える必要があるらしい。

 結果、10日程の場所が最適だと。


「なるほどねぇ。そうなると、選定場所の数は大分減る?」


「20ちょっとでしょうか? ただ、領域の解放が必要な箇所も」


「新人冒険者の狩場……でも無いのか?」


 ダグレストの領域に関しては、あまり知らんからなぁ。


「ブラガスさん」


「はい。解放が必要な領域に関してですが、新人冒険者が狩り場とする領域もあります。ですが、別の場所もありますので、そこまで深く考える必要は無いかと。それともう一つ」


「もう一つ?」


「もう一つです。今回の戦争では、数多くの魔物が投入されていと聞いています。領域の調査は必要かと」


「そこは、冒険者の領分じゃないのか?」


「合同としてしまえば良いのではないでしょうか? 被害も抑えられるでしょうし」


「後で各国に話してみるか。クッキーさんも交えて」


「その方が良いかと。それで場所ですが、ミリア様の選ばれた箇所でしたら、この5つが最有力候補かと」


 ミリアが更に精査した資料の中にある、5つの候補地。

 その内の一つに、温泉が出る候補地があった。

 天然温泉、混浴、素敵な響きだと思わないか?


「この場所にしよう。丁度、各国からも良い距離感だし、海産物の輸送も楽だろう」


「流石は陛下です。長期休暇中は、家族と温泉休暇したいですな」


「素敵な休暇だな。他にも、出る土地はあるんだろう?」


「あります。もしかして?」


「流石に全部を直轄地にはしないさ。1か所くらいかな? 後は、褒賞用」


「手配しましょう」


 さて、次なる問題は……家臣に関してか。

 これは更に面倒そうだなぁと思う。

 つうかミリアさんや、地味に楽しそうなのはなんでかな? 俺は地味に不安ですよ。

―◇◇◇◇◇◇◇◇―


「お気持ちは分かりますよ。でも、王家の介入はですね――」


「あまり良くないんだろ? だから、こちらから強制的に介入するのは今回だけ。初めから帰順の意を示した当主と嫡男には何もしないさ」


「後になって謀反を起こした場合には、どうするのですか?」


「同じことをするだけさ。但し、介入はしない」


「即刻お取り潰しですか?」


「誰になるかは不明だけど、お話かな? 物分かりが良ければ、話すだけで済むだろうし」


「それでだめなら、お取り潰しですか」


「そうだな。貴族への恩情は、一度で良いだろう」


―◇◇◇◇◇◇◇◇―


―◇―内の台詞ですが、貴族用語で話しています。

内容的には――


現段階では何もしない。


謀反を起こされた場合の処置は、首謀者と諌言者に対して。


現当主が首謀者で嫡男が止めていた場合、現当主の切り捨てと降爵に加え、多額の罰金刑と減封――領地の一部取り上げ――の受け入れ。

嫡男が首謀者だった場合、廃嫡――切り捨て――と新しい継承者の指名に加え、上記と同じ罰。

現当主、嫡男の両方だった場合は、弟妹か親類縁者との話し合いの上、上記と同じ+家の力の入れ替え。

一族揃っての場合、問答無用。


的な会話となります。

「誰になるかは不明だけど、お話かな? 物分かりが良ければ、話すだけで済むだろうし」

「それでだめなら、お取り潰しですか」

「そうだな。貴族への恩情は、一度で良いだろう」

の会話だけで、罰に関しての話し合いが完了しています。

これが貴族用語の一部となります。


今後は、こう言った貴族用語的な物が多くなるかもしれませんので、分かりづらい場合は、応援コメントで説明を求められたら、後書きで補足説明の追記をしていきます。

但し、あくまでも貴族用語にした場合に、分かりづらいかなと考えた時のみとなります。

その辺りは、ご了承ください。

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