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第192話 旅は道連れ、世は情け

GW29日~7日まで可能な限り毎日投稿中!

 無事にダグレスト王都内に入って宿を取り、一晩明けた翌朝、朝食を取って部屋に戻った後、行動を開始する前に少しだけ話をする事にした。


 一応だが、再確認しといた方が良いと考えた為だ。




「さて、今後の行動方針についてなんだが」




「分かってるっての。ただ、期限はどうするんだ?」




 神喰の言う期限とは、日中の情報収集活動――諜報活動とはまた別――を2日にするのか、3日にするのか、と言っているのだ。


 当初の予定は二泊三日で、日中の活動は1日半の予定にしていたのだが、予定より数時間遅れて到着となったので、半日分の活動が出来ていなかった。


 当然、ずれ込んで行動する事になってしまったので、当初の予定通りなのか、延ばすのかの判断を仰いで来たわけだ。




「三泊四日に変更するけど、三泊目は当初の予定通りに動く。日中の行動は、実質二日だ」




「「了解」」




「それと、ほれ」




 神喰に硬貨を投げる。


 金額は、ダグレスト硬貨で大白金貨1枚。




「良いのか?」




「全部使うなよ? 金が必要な場面はあるだろうから、節約して使えよ。それと、二日間の飯代込みだからな」




「役得ってやつか」




「そういうこと。ただし……」




「最終日の役得には目を瞑れば良いんだろ? で、待ち合わせ場所は?」




「今日の夜に話す」




「わかった」




 話を終えると、神喰はさっさと部屋を出て行く。


 情報収集を任せる不安はあるが、消去法を取るしかない状況なので仕方ない。


 俺と八木にはやることがあるしな。




「じゃ、行くか」




「うっす」




 俺と八木は部屋を後にして行動を開始。


 今日、必ずしなければいけない事があるからだ。


 それは、複数の逃走経路を算出し、確保する事だ。


 とは言え、無計画で行う訳ではない。


 事前に八木から情報を得て行うようにしていた。


 その中でも有力候補なのは、やはりスラム街からの逃走だ。


 俺達は歩きながら、怪しまれない様にスラム街へ足を運ぶ。




「(しっかし、そこまでザルなのか?)」




「(どの国でもそうっすけど、スラムに関しては頭の痛い問題なんっすよ)」




 小声で話しながら歩き、途中で屋台を見つけて串焼きを二本購入して、食べ歩きをしながらスラムへ向かう。


 外套を羽織った状態ではあるが、別に怪しい風体でもない。


 ダグレスト王都もギリギリ雪が降る立地にあるので、雪除けとして羽織っていると見られるからだ。


 もう少し南にあると雪が降らない立地になるので、ラッキーではあったな。


 串焼きに舌鼓を打った後、串を周りには分からない様に空間収納に処分して、また小声で話す。




「(どの国もねぇ……。その中でも、ダグレストは特に酷いってか?)」




「(正確に言えば、スラムに対する政策や補助についてっすね。後、一番酷いのはリュンヌっすよ)」




 八木が諜報活動で得た情報によると、スラムに対する政策や補助などで一番酷いのはリュンヌ、次いでダグレスト、そして意外な事に、第3位は帝国であった。




「(リュンヌは、上が終わってるっすね。不正に横領、賄賂の嵐っすよ。日本なら、間違いなく逮捕案件っすね)」




「(そこまで酷いのか?)」




「(小さい犯罪は、金で揉み消し可能にしてるっすね。流石に、殺人に関しては無罪には出来ないっすけど)」




「(ダグレストは?)」




「(リュンヌほどじゃないって感じっすね。ただ、スラム関連の政策だと、中抜きや横領は当たり前って感じっすね)」




「(次が帝国なのは?)」




「(帝国の場合は、ちょっと事情が変わるっすね。前皇太子の政策から始まって、内乱の後始末に国土の広さもあるっすから)」




「(単純に予算不足なのか)」




「(この世界で最大国家っすからねぇ。ましてや、前皇太子は軍備増強路線だった様っすし)」




「(今は?)」




「(軍備に割く予算は減らしてるっすが、治安維持は必要っすから、そこまでって感じだと思うっすよ。ただ、幾つか法案を改定したのが響いてる感じはするっすねぇ……)」




「(あれ? おれのせいか?)」




「(ラフィさんの件だけじゃないっすから。この際だから、膿は出来る限り吐き出したいって考えじゃないっすかねぇ)」




「(皇帝も大変だねぇ……。ほんと、領地経営を断り続けて良かったわ)」




「(あはは……。でも、ラフィさんなら上手くやりそうな気もするんっすけどねぇ)」




 途中から他愛もない雑談も交えて話をしていく。


 一応、監視などがいないかも確認しながら歩いて話しているのだが、その心配はない様だ。


 その後も雑談を続け、スラムに着く少し前に本題へと移った。




「(それで、スラム街からの逃亡が最優先な理由は?)」




「(実際に見て貰った方が早いんっすが、ぶっちゃけると外壁に穴が空いてるっす)」




「(それ、壁の意味なくね?)」




「(ないっすね。ただ、修繕してないわけじゃないっすよ)」




 八木の説明によると、ダグレスト王都もスラム街が増加傾向にあるらしく、外壁をいくら修繕しても、スラムの住民たちが穴を開けてしまうらしい。




「(まぁ、修繕費をケチってるから、直ぐに開けられるって弊害もあるんっすけどね)」




「(……もしかして)」




「(中抜きっすね。横領もあるとか聞きますけど、そっちは噂っすね)」




「(ランシェスでそんな事をしたら、間違いなくお役御免になる話だな)」




 話しに一区切りつけ、俺達はスラム街へと足を踏み入れる。


 まぁ、国が変わってもスラムの様相はあんまり変わらない。


 そして、さっき八木が話していた外壁の穴へと辿り着き、逃走経路に使えるか調査するのだが……悩む所だな。


 と言うのも、結構人目についてしまうと言う難点があったからだ。


 流石に通報されるのは勘弁願いたい。




「(スラム街にも、元締めと言うか、纏め役と言うか、そういった人がいるっすよ)」




「(話を通した方が良いのかねぇ……)」




「(金で解決可能なら、そうした方が良いかもしれないっすねぇ)」




 悩んだ結果、用途は話さずに黙認できるかだけを聞く事にする。


 可能なら、賄賂を支払って黙認して貰うのがお互いの為だしな。


 話が分かる人物だと良いのだが……。


 そう思いながら、八木に案内されて……まて、なんで八木は面識があるんだ?




「(八木君?)」




「(諜報活動には、スラム側の情報も割と必要だったんすよ。内も外も)」




「(だから顔馴染みってか?)」




「(元締めだけっすけどね。全部が全部、知ってる訳じゃないっすよ)」




 八木、ここにきて重要な情報を話していないことを、サラッと暴露してきた。


 そう言う話は、先にしておいて欲しいんだが……。




「(ここっす)」




 八木は手慣れた感じで、中に入って行く。


 俺も続いて中に入ると、初老の男が胡坐をかいて座っていた。


 結構鋭い目つきで俺を睨んでいるが、敵意は無い。


 品定めしているのだろう。




「今日は話があって来たっすよ」




「見限るんか?」




 男の言葉に、八木は驚いていた。


 そんな八木に、男について尋ねる。




「この男、元は諜報員か何かなのか?」




「そんな話は聞いてないっすけど……」




 俺達の会話を聞いて、男はニヤリと笑った。


 そして、座れと言わんばかりに敷物を投げてくる。


 どうやら、肝も相当座っているらしい。




「で、どうなんだ?」




 男の言葉に、口籠る八木。


 と言うか、この男は多分だが、分かって聞いてる。




(となると、敢えて言わせたい? 言わせた上で、この男に何のメリットがある?)




 思考超加速を使って考えるが、メリットらしいメリットは無い気がする。


 強いて上げるなら、兵士と繋がりがあって、通報すれば金が手に入る位だろうか?


 それならば、話は早いんだけど、多分違うだろうな。


 直接聞いた方が早いか。




「口を挟んで良いか?」




「良いぞ。話すかは知らんがな」




「話してくれると楽で良いんだがな。八木の答えを聞いて、あんたはどうするんだ?」




 男に直球で聞くが、やはり黙秘された。


 ……気は乗らないが、あの手で行くか。




「答えを聞いた後、兵士にでも密告するのか? 悪いがさせねぇよ。こっちにも事情があるからな。殺しはしないが、暫くの間、眠っていてもらう」




「怖いねぇ。だがな、そりゃ早計ってやつだ。こっちにもちぃっと事情がある」




「なら、その事情ってやつを聞きたんだが?」




「こいつの答えを聞くまで話せねぇな。こっちも危ない橋を渡る覚悟なんでな」




 お互いに睨み合い、一歩も引かない中、八木が口を開いた。




「ああ。見限る。俺はそのために来た」




 八木の言葉を聞いた男は、またもニヤリと笑う。


 そして、盛大に笑い始めた。




「がっはっはっはー! そうかそうか! やっと決意したのか! となると、俺の所へ来たのは脱出経路の話だな?」




 男の言葉に八木は黙って頷く。


 つか、喋ってしまって良いんか?




「八木」




「大丈夫っすよ。多分っすけど、誰か便乗させたいんじゃないっすかね」




 八木の言葉に男は少し驚いたが、またもニヤリと笑って、そして頷いた。


 八木の読みは当たっていた様で、詳しい説明を求めると、素直に話してくれた。




「頼みたい事ってのは、お前さん達と一緒に、連れて行って欲しい奴がいるんだ」




「それは……」




 男の言葉に対して、八木は言い淀んでこちらを見た。


 八木自身も助けて貰う立場なので、即答できかねるのだろう。


 うーん……どうすっかなぁ……。




「とりあえず聞くけど、何人?」




「一人だ。長くなって良いなら、全部話してやるぞ?」




「なるべく手短で」




 そう言うと男は、自分の生い立ちを話し始めた。


 男は元貴族で、子爵家の5男だった。


 母親は降嫁した王女で、継承権も低い女性だと言う。


 そんな男だが、元々冒険者に憧れており、子爵家の継承権を放棄する代わりに、資金面で援助して貰って夢を叶えたそうだ。


 家族仲も悪い訳ではなく、継承権は放棄したが、実家にも普通に帰って土産話をする程だったと言う。


 そして、そんな男には年の離れた妹がいた。


 とても仲が良く、可愛がっていて、目に入れても痛くないと豪語できるような妹だったらしい。


 男が40を迎える時に、妹は政略結婚したらしいんだが、そこからが悲劇の始まりだった。


 派閥内での政略結婚だった事もあり、嫁ぎ先も含め、政争に負けた派閥に属する大多数の貴族が粛清されたそうだ。


 そして、その妹は少し身体が弱かったそうだが、出産して間もない頃の出来事だったこともあり、精神的疲労も相まって亡くなったそうだ。


 男の実家も今は無くなっており、家族の安否も不明なのだが、男にとっては姪になる女の子を連れて、妹の嫁ぎ先の家臣が訪ねて来たそうだ。




「姪を連れて来たのは良いんだがな、当時の俺は仕事で怪我を負っちまって引退した直後だったんだ。妹も出産が遅くてな。今年で15になるんだが」




「忘れ形見か……」




「ああ。スラム街には住まわせていねぇが、近くに住んでる。俺は有り金を全部やって、家臣ってやつに姪を育てさせたんだが……」




「その家臣は?」




「3か月前に亡くなった。当初から老人だったんだ。良く長生きして、面倒を見てくれたと思うよ」




「忠臣だったんだな」




 そして、男の頼みとは、その姪を国外に連れ出して欲しいとの事だ。


 最近の様子を見て感じたらしいのだが、どうにもキナ臭いと思っている様だ。


 成人はしている年齢とは言え、まだ若いと言うのもあるが、本題は別らしい。




「祖母が王族なんだ。この意味が分かるだろう?」




「利用されるだけなら良いが、最悪の想定も考えている訳か」




「そうだ。今の王は小心者なくせに、野心だけは人一倍強い。継承権は無いが、血筋と言う物がある。2代前なら猶更だ」




「簒奪を恐れて、暗殺もある訳か」




「いや、実際に2度あった。だから、何時でも逃げ込めるように近くに住まわせているのさ」




「どうやって事無きを得たんだ?」




「一度目は家臣が対処した。老人と子供だからな。簡単に済むと思ったんだろうが……」




「返り討ちにあったのか。二回目は?」




「偶々、俺が傍にいた」




「なんで三回目は無いんだ?」




 そう言うと男は、ニヤリと笑った。


 あー、なんか弱みを握った訳か。


 で、脅したと。


 ただ、その弱みも効力を失いかけているのに加え、情勢が不安定だから逃がしたいと。


 面倒な話になって来たなぁ……。




「どうするんっすか?」




 ここまで話を聞いた八木が指示を仰いで来た。


 ぶっちゃけ、めっちゃ断りたい。


 でも、多分、断れない。


 断ったら、確実にこちらが不利になる様に、この男は動くだろう。


 なんで細部まで聞いてしまったんだろうな、俺は……。


 こうなると、見返り次第になるだろうなぁ。


 かなり危ない橋を渡ることになると思うし。


 いや、既に危ない橋を渡っている途中か……危険度が増すだけの話だな。


 だが、こちらが話を振る前に、男の方から見返りを提示してきた。




「勿論タダとは言わねぇ。まず、逃走経路に使用予定の場所には、日時の指定さえしてくれるなら、誰も近寄らせねぇ。見ざる、聞かざる、言わざる、だな」




「その言葉、あったんだな」




「何の話だ?」




「いや、こっちの話だ。それで?」




「こいつをやる」




 そう言って男が差し出してきたのは、オリハルコンとミスリルの剣。


 それも、相当な値打ち物で、魔法付与もされていた。




「実は金があまりねぇんだ。だが、旅費を差っ引いても十分にお釣りは来るだろう?」




「……」




 はっきり言おう。


 この男、昔は相当稼いでいたんじゃなかろうか?


 怪我をして引退したと言っていたが、元貴族ならば教養もあるはず。


 駆け引きも上手いし、文官としても食って行けるのでは?




「あんたはどうするんだ?」




「他の奴らがいるからな。俺はいけねぇさ」




 正直に言おう。


 こいつも一緒に持ち帰りたい。


 ぶっちゃけ、我が家の文官に欲しい。


 度胸良し、頭の回転良し、器量もある。


 たかだか武器二本よりも、人材として連れて帰った方が、将来的に利益になる。


 問題は、どうやって口説き落とすかなんだよなぁ。


 ……いや、まて。


 重要な話をしてなくないか?


 俺はその考えの元、一つだけ確認をすると、やっぱりと言うかなんと言うか。


 この男、姪に伯父だと話していなかった。


 うん……カッコつけすぎなので有罪ギルティだな。




「話は分かった。受けても良い。但し、こちらの条件を飲むならな」




「出来る範囲なら飲む」




 ゴクリとつばを飲み込む男。


 そんなに緊張しなくても良いよ。


 取って喰ったりしないし、そこまで難しい話でもないからな。




「お前も一緒に来い。そして、俺の家で仕事をしろ。それと、無事に国外に出たら、ちゃんと伯父だって名乗れ。それだけだ」




 予想の斜め上の言葉だったのだろうか?


 男は目を見開いて驚いていた。


 しかし、それも一瞬だけで、直ぐに考えこむ。




「難しく考える必要はないはずだ。それに……」




 言うと同時に立ち上がり、玄関扉を開けると、そこには一人の少女が立っていた。


 身長は言う程高くない。


 155センチ位だろうか?


 長い髪を一本の三つ編みにして束ねている。


 多分、この子が姪なのだろう。


 男の方も、なんでいるんだ?って顔をしているからな。




「どうしてここに……。いや、それよりも、話を聞いていたのか?」




「その、全部聞こえていた訳じゃ無いけど……。あの、私、の、家族なの?」




「肝心な所は聞こえてるじゃねぇか……」




 最悪だ……とでも言わんばかりに、天を仰ぐ男。


 因みにだが、俺は気付いてた。


 正確には、男の過去話が始まった所で気配を感じて、リエル経由で探査サーチして、正体を知っていた。


 俺の思惑もあったので、敢えて放置したって話だ。


 それと、彼女は一つ嘘をついているのも知っている。


 気配の正体を知った俺は、敢えて全部聞こえる様に魔法を使っていたからな。


 全て知った上で、一部しか聞いて無いと、姪っ子ちゃんは嘘を吐いたのだ。


 優しさからなのか、理解が追い付いてないからなのは分からんけどな。




「さて、返事は?」




 最早、逃げるのは無理だと悟ったのだろう。


 こちらの申し出に了承した男。


 姪っ子ちゃんは、まだ混乱していたが、中に入れて話を詰める。




「脱出は明後日の早朝。4時頃になる」




「荷物は……あまり多くは無理か」




「譲れないもので、持ち運び可能な物だけだな。鞄一つくらいが限度だろう」




「直ぐに用意させる。落ち合う場所は……」




 八木と姪っ子ちゃんを放置して、話を進めて行く。


 姪っ子ちゃんについては、男に任せる事で決まり、移動手段などの確認もしていく。


 全ての話が終った後、一つだけ注意事項を言っておく。




「言っとくが、今回の手助けは亡命に近い。元の家名は名乗れないと思ってくれ」




「それは仕方ない。俺は偽名でも良いが、姪については憂慮して欲しい」




「ランシェス国内なら、家名さえ名乗らなければ大丈夫なはずだ。暫くは客として扱うから安心してくれ」




「恩にきる」




 こうして話し合いは終わり、追加で二人、脱出を手助けする事になった。


 まぁ、こうなったら、一人も二人も大して変わらんな。


 その後は、当初の密約を交わしてお開きとなり、予想以上に上手く逃走経路の確保をする事が出来た。


 明日は、軟禁状態の2人の居場所の再確認だけに絞れそうだ。


 そして、八木と通りを歩いて、宿に一度帰ろうとする中、何かを見つけた八木が俺に話しかけてきた。




「ラフィさん、あれ……」




「ん? …………あの、馬鹿ちんが!」




 八木が見つけた事。


 それは、大食い大会の中に神喰が参加している姿だった。


 あのバカ、何を考えてやがる!




「どうするんっすか?」




「帰ってきたら、どギツイお仕置きだな。手加減無しの」




 俺の言葉を聞いた八木は、両手を合わせて合掌し始めた。


 尚、あのバカが帰って来たのは夜も大分更けてからだった。


 先に食事は済ませていたので、帰って来たバカにキッツいお仕置きを敢行して、夕食抜きの刑にもした。


 ほんと、不安って当たるもんだよねぇ……。


























(好き勝手し放題……。漢っすけど、擁護は出来ないっすよねぇ。神喰さん、無事に明日を迎えられると良いっすね。南無南無)


 合掌した八木は、我関せず、で行く事を決めたのであった。

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