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17話 決闘後の色々

決闘終了後、侯爵家は逃げられないよう衛兵達に連行されていった

その後、殿下たちがこちらに来て


「凄かったなグラフィエル!まさかあれ程強いとは」


「殿下、親しい者はラフィと呼ぶから」


「では僕の事もフェルと呼んでくれ」


「わかった。フェル殿下」


「殿下は無しで頼みたいんだが?」


「親しき仲にも礼儀ありだ、フェル殿下。そこだけは譲れない」


「わかったよ。今は僕が妥協するさ」


そんな会話をしているとリリアーヌ王女とティアンネ公爵令嬢が


「私の事はリリィと呼んでください」


「わ、私の事はティアと・・・」


「わかりまし・・わかった、リリィ王女。ティア様」


「さ、様は要りません!是非ティアと・・」


「私も王女は要らないのですけど、無理ですわね。兄と同じで妥協します」


ティアはまだ大丈夫としてリリィは流石にねぇ

物分かりが良くて良かったよ・・

そこへ次は王様と両親がやってきた


母は当然お小言だが、腹が立ってはいたようで「両親は巻き込んでも良いですが兄姉迄巻き込むのは駄目です!」と珍しく怒られた

至極真っ当で、当然であり、何も言い返せない

逆に父はご満悦で、帰宅後に母から怒られる事になった


話を戻すが、あの侯爵家とは先代の頃から特に仲が悪くなったそうだ

侯爵家の領地はうちの2つ隣で、発展しまくっているクロノアス領に昔から嫌がらせをしているとの事

あのバカの上にもバカ兄がいるらしく、長女の姉に相手にされなかった時、色々と悪態をついて困らせていたのだが、長男の兄が決闘をして相手に勝っていると聞かされた

その時の内容はうちとの絶縁だったそうだ

侯爵家一族の者とお抱え商人はうちの領地への立ち入りも禁止にしたらしい

後は一部の品の輸出規制で、クロノアス領特産の酒とかだな

王都に来る時も侯爵家領内を通らずに来ていたので金の循環も少し悪く、クロノアス領に比べて冒険者の仕事も良いのが少ないそうで、平和ではあるが特産品も特に無く平凡な領地らしい


次に陛下だが、侯爵家の資産はクロノアス家が全て貰うのかいくらかは個人分与するのか聞いてきたので俺は要らないと答えた

兄姉には父が個別に聞いて欲しいとお願いしておいたが、父は一度クロノアス家で納税分を収めてから成人した時に均等分与すると答えた

あくまでも資産的な価値での均等分与なので、お金とは限らないとは言われたが

波乱のお披露目会ではあったが、俺は侯爵家を潰したと有名人になってしまった


後日、王城に呼ばれ、王族専用の応接室に案内されて、事の顛末と決闘の条件を強権を使ってまで変えた事の事情を説明してくれた

父だけ聞けば良いと思ったのだが潰した当事者には聞く義務があると強制的に話を聞くことになった

他には公爵家とフェル殿下にリリィ王女がいる

二人の母である王妃様は数日前から体調を崩し、お披露目会も欠席していたそうだ

で、事の顛末だが侯爵家は脱税をしていた

調べた結果、年数は数十年分で侯爵家総資産の4分の1に当たるそうだ

脱税分を引いてからクロノアス家の納税分を引くと総資産の3分の1が消えるそうなので、特例としてクロノアス領の納税金を5年間免除するとされた

それでも納税で引かれる方が高いと言うのだから驚きしかない


余罪はまだあって、王国が特例を除いて領内での税に制限を設けているのだが、それを超えていたそうで、数十年にわたり王国に虚偽報告をしていた

王国が決めた最大制限は年収の15%迄で、月当たり1%迄と定めている

父に聞いてみると、クロノアス領は年5%で行っている

他は高くても年10%迄らしいのでかなり高い

そして虚偽報告の件だが、国には8%で提出し8%を不法収入しており、更には国が定めた最大制限を僅か1%とはいえ超過していたのだ

こんなことをしていればハイリスクハイリターンの冒険者は寄り付かないし定住などしない

領民も減少傾向にあるが、長年の高額税になれてしまった者もいる様だ

それでも領内からは少しずつ人が他領に流れており、それを止められず、クロノアス領に嫌がらせをするのであるから大した根性だ

端から見れば、身から出た錆である


もう一つ調査中であるが、どうもリリィ王女を襲ったのは侯爵家である可能性が浮上したそうだ

ドレスを仕立てた店に護衛が行かない様に裏で手を回した疑いがあるのだ

魔物の襲撃は偶然かもしれないが何かしら画策していた疑いもある

証拠が見付かったら死刑にすると憤慨していた

俺は公爵様にお願いしていた件について、この話を利用して実現しようと考えた


「陛下。現在、僕の家庭教師にSSSランクの冒険者が父に雇われているのですが、王都へ向かう道中にリリィ王女様達が襲われ助けたのですが、公爵様に事情を聞いた時にその者が疑問を抱き少し調べると言っておりました。もしかしたら数日後には何かわかるかもしれません。その者とヴィルノー公爵様と共にあってはもらえませんか?口は悪いし礼儀知らずではありますが腕は立ちますし信用のおける基本裏表の無い人物です。僕も同伴しますので」


俺はここぞとばかりに少し早口で提案をした

リリィ王女様もヴィルノー公爵様も俺の提案に賛成してくれた

魔物襲撃事件の当事者はこの場には俺を含めて4人

最後の父も賛成はしたのだが「礼儀と口がなぁ・・」と、頭を抱えていた

当事者全員が賛成に回ったので何かわかれば陛下へ報告しに王城へと赴くのだが、父は領地があるので長期滞在は出来ない

そこで父がいる間はクロノアス家当主の父が報告へ行き、父が領地に帰るまでに分からなければ俺が王城へ報告しに向かうと言う事でこの場は解散となった

調査期限は2週間と定められた


2日後、ゼロが色々分かったと伝えてきたので、父が王城に向かい、陛下へ報告し、俺達は前の応接間に通される

今回の顔ぶれは陛下・ヴィルノー公爵・父・ゼロ・俺だ

陛下は食い気味で聞いてくる


「どの程度わかったのだ?」


「全部わかったぜ」


「流石最高峰の冒険者。良い仕事する」


「褒めても何も出ねぇぜジィさん」


「せめてもう少し言葉使いをだなぁ」


「親父さんの要望には応えてぇが、こればっかりはなおらねぇな」


「言葉使いと態度に関してはこの際どうでも良い!早う聞かせよ」


「急かすなよ、王さん。まず護衛依頼妨害の件だがな、これは一部の冒険者と商人と職員が結託してやがった。んで深く潜って調べたんだが行きついた先は闇ギルドだったわ」


「闇ギルドか・・確か非合法組織で何でもやるギルドだったか?」


「ジィさん、正解だ。ただ今回は闇ギルドに直接依頼されたものじゃねぇ。末端の組員が独自に受けたものだ」


「それが先程言っていた一部の者だと?」


「親父さんの答えは正解でもあるし不正解でもある。闇ギルド所属は一部の職員・冒険者・商人だ。一部の中の更に一部だな。んで所属のやつらが所属してねぇ方に仕事を依頼して護衛専門の冒険者を軒並み雇いやがったわけだ」


「なるほど、そう言う事か。護衛専門が軒並みいなくなれば専門でない冒険者に仕事が回ってくるの。護衛は距離によっては時間がかかる依頼。当然循環が悪くなり人出が足らなくなるか」


「王さん正解。次に魔物襲撃だが・・これは偶然だ。本来は暗殺者が姫さん以外を始末して、姫さんを攫うのが目的だ。裏で糸を引いてたのはラフィに喧嘩を売った馬鹿どもで間違いねぇ」


「魔物は偶然か・・・だが公爵家も王家の血筋だ。国家転覆罪も適用できるな」


「陛下。罪状は国家転覆罪、殺人未遂、誘拐未遂、脱税、虚偽報告ではありますが叩けば更に埃が出るのでは?」


「辺境伯の言う事は最もだがこれだけの罪状なら当主は死罪に出来る。問題は一族の方なんだが・・」


「陛下、他家に嫁いでいる者全てに罰を与えるのですか?」


「公爵、出来んのは分かっておるだろう。無難なのはお家取り潰しの上で当主死刑。嫡男と家族は全員犯罪奴隷。他家に嫁いでおる者への罰は・・無理だな・・・」


「陛下がそれで良いのなら儂としては何もございません」


「私も同意見でございます。クロノアス家としましては正直、あのバカ家が潰れた事で今後は嫌がらせに悩まされないで済むのが・・」


「では、それで行くとするが実行犯の方も捕まえに行かんとならんな」


「あー、それについては大丈夫だぜ王さん」


「何故だ?」


「暗殺者の方は魔物とかち合って全滅だ。闇ギルドでない一部の者たちはそもそも加担したとは言えない。んで残りの闇ギルド関連なんだが・・・」


「ゼロにしては歯切れが悪いな・・何かあったの?」


「あー、ラフィ君。王さん達にこのまま話したらお前らに迷惑掛かんねぇか判断が付かなくてな」


「君付けとか気持ち悪っ!!」


「おまっ!気持ち悪いとかねぇだろ!!これでも気ぃ使ってんだぞ!!」


「罰っせんから早く喋れ!!」


「絶対だな!!ぜってぇ罰はねぇんだな!!?」


「王に二言は・・無い!」


「何だ!!今の間は!!」


「わかったわかった・・ここで宣言してやる。この件に関してはSSSランク冒険者ゼロに対しどのようなことがあったとしても絶対に罰しない」


「絶対だな!!」


「この言葉に二言は無い!」


「・・・・・いまいち信じられねぇが。まぁいい、話すぜ。闇ギルドについてだがこれは支部だな。俺が感じたもんだからもしかしたら本部かもしれねぇが。んで結論を言うとだな・・全員始末した」


「・・・はぁっ!?今なんて言った!?」


「王さん、まだ耄碌する年じゃねぇだろ・・・もっかい言うぞ。闇ギルド含めて全員始末した。今回馬鹿から依頼を受けた奴は死体を各ギルドに届けてある。依頼は受けていないが身元が分かりそうな闇ギルドのやつらも首から上だけだが冒険者ギルドに届けてある。後で確認してくれ」


「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」


まぁそうなるよねぇ

俺は絶句した三人を放置したまま紅茶を飲む

三人の再起動まで数分を要したがそれも仕方のない事だろう

尚、闇ギルドのアジトは完全に潰され、証拠として魔水晶と呼ばれる水晶玉に犯人の一人である冒険者ギルドの女性職員が命乞いをしながら詳細を喋っている物が決め手となり、バカな元侯爵家当主は死刑が確定し、数日中に縛り首となった


「さてゼロへの褒美だが・・・」


「王さんとジィさんに話がある。聞いて損はない話だ」


ゼロはそう言うと俺と父を退出させ、残った三人で密談を始めた



どこまで話す気なのか?不安しかないわ・・・

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