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118話 師弟の再会

28日に1周年を迎え、1話投稿してあります

ゼロに近づき、安否を確認すると、寝てると言う状況


心配して損したわ!




「ゼロ…おい、ゼロってば!」




声をかけるが、全くの無反応


人を呼び出しておいてこれかよ


何故か無性に腹が立つ




足元にある、ピンポン玉くらいの石を拾い、殺意マシマシで投げる


すると、寝ているのに反応して、鞘に納めた刀で打ち返してきた


打ち返してきた石を受け止め、起きたかな?と確認すると




「zzzzz」




「…………」




まだ寝ていた


もう一つ石を拾い、片方は殺意マシマシで投げ、もう片方は徹底的に殺意を消して投げる




殺意マシマシの石は先程と同じく、鞘に納めた刀で打ち返してきたが、もう一つの石は、見事に額へ当たる


勢いそのままに、岩の上から転げ落ちるゼロ




「よっしゃぁぁ!」




なんとなく、大声を上げて喜んでしまった


むくりと起き上がるゼロ


若干、眼が据わっていた




「あ?てめぇ…良い度胸してんじゃねぇか…」




どすの利いた声


明らかに怒っている


聞く人が聞けば、どこぞのヤーさんみたいだと思う


しかし!俺は怯まずに声をかける


いや、怯む意味もないけどさ




「呼び出しておいて、何時までも寝てるからだろう。いくら呼び掛けても起きないし…目、覚めただろう?」




「確かに、目は覚めたな。起こし方は最悪だったが」




「それは何より」




「てめぇ…悪いと思ってないだろ」




軽いやり取りをし、向かい合う俺とゼロ


睨み合う事数十秒、ゼロは荒々しく岩に座り直す


何か言いたそうではあるが、堪えて別の事を聞いてきた




「で、何時着いたんだ?」




「今さっきだよ。起こし方が雑だったのは、呼びかけても返事が無かったからだ」




「ゆすって起こせば良いだろうが!」




ごもっとも!


だがな、俺にだって言い分はあるんだ




「ゼロの事だから、何か仕掛けがあると思うのは、変じゃないだろう?油断したら首チョンパとか、目も当てられない」




「………否定できねぇのが、つれぇな」




「いや、そこは否定しろよ!」




やっぱり仕掛けがあったのかよ!


油断も隙もあったもんじゃない!


……なんでこんな、不毛なやり取りをしてるんだろうな?


ふと、我に返って、冷静になる


ゼロも同じなのか、頭を振って話題を変えてきた




「んで、土産はあるんだろう?」




「一応あるけど……酒で良いんだよな?」




「不味くなけりゃ、それで良いぜ。後は、酒の肴があれば良いんだが」




「適当に見繕うさ」




そう言って、空間収納から酒と酒の肴を出す


各国で仕入れた、それなりの酒に、適当に作った料理


枝豆に似た鞘豆に唐揚げなど、多数並べる


ちょっとした宴会の量位になってしまったのはご愛敬




「ほう、中々のもんだな。問題は味だが」




「いくつかは、自信作だ。遠慮なく、喰ってくれ」




「んじゃ、遠慮なく」




その言葉の後、酒を一気飲みするゼロ


見ていて胸焼けしそうだわ


酒を一瓶開け、適当につまみを食べていく


俺もゼロの向かいに座り、酒を飲み、つまみを食べていく




「しけた飲み方してんなぁ。もっと、こう、一気に行けよ」




「人の飲み方に、ケチ付けんな。普段はあまり飲まないんだよ」




「もったいねぇ…一気飲みは、男の華だぞ?」




「そんな華、いらねぇ」




他愛もない話をしながら、酒を飲み交わす


ある程度飲み空けた頃、ゼロが喋りだす




「そういや、お前への贈り物を見せていなかったな」




「別に気にしなくて良いぞ?」




「成人だからな、そうもいかねぇ。だから、今、俺が贈れる最高の物を用意したぜ」




「嫌な予感しかしねぇ…」




ゼロは立ち上がり、光の魔法を使って、洞窟内を照らし出す


明かりが洞窟内に行き渡り、ゼロの贈り物がその姿を現す




「…………」




「お?どうやら、驚いたようだな。どうだ、俺からの贈り物は!」




「…………あのさぁ、何考えてんの?」




俺の反応は、多分、まともな反応だと思う


光が照らしだした、ゼロからの贈り物


それは明らかに、オーバーテクノロジーの塊だった


今のこの世界に、こんなものを造れる人間など、絶対にいないのだから




「あ?反応がわりぃな。そんなに感動したのか?」




「違うわ!どうすんだよ、これ!」




もう色々問題だらけだよ!


いくら空間収納に入るからって、大き過ぎるわ!


帝国で見た大型飛空艇の3倍以上はあるし……


後、何?中央にある城っぽい何かは……


某RPGの天〇の城とでも言いたのか!




更に、戦艦に取り付けられてる46cm砲みたいなやつとか、機関銃とかもついてるし


ミサイル発射管とかないだろうな?


それと、中央先端部分に物凄くイヤな予感がするんだが……




とにかく、ツッコミどころ満載であった




「あん?気に入らねぇのか?……ふむ、やはり、惑星破壊砲を取り付けるべきだったか」




「ストップ!もう止めろ!お腹いっぱい過ぎるわ!」




ゼロは何処へ向かっているのだろうか?


一人の時間が長過ぎて、おかしくなったとか?


かなりドン引きしている俺を見たゼロは




「そこまで引くなよ。これでも、抑えた方なんだぞ?」




「これでかよ!盛り過ぎて引くわ!」




「ひでぇなぁ……」




と言うが、俺のマジ引きに少し落ち込んだ


とりあえず、尋問をしないと……


こんなもん、普通に使えないし…




「で、なんでこんなもん造ったんだ?」




「成人になった、お前のプレゼントだ」




軽くこめかみを抑える俺


対するゼロは誇らしげに語る


両者の温度差がかなり酷かった




「うん…まぁ、やり過ぎた感はあるけど、気持ちだけ受け取っておく。でも、解体一択な」




「するわけねぇだろ。これ造んのに、5年以上かかったんだぞ」




「貰っても、使い道が無いんだよ!」




「安心しろ!ステルス機能も搭載してある!誰もお前の空を止められはしない!」




「寧ろ、止めて欲しいわ!」




話が噛み合わない


その後も、お互い妥協せず膠着状態が続く


30分後…ゼロが拗ねた




「なんだよ…喜ぶと思って造ったのによ。ロマンの分からね奴だな」




「ロマンは分かるが、やり過ぎだと言っている」




「けっ!意地でも使わせてやるからな!」




「あんたは子供か!」




なんだろう…もの凄く疲れた


感動的な再開?シリアスさんは休憩中らしい




とりあえず、贈り物の件はひとまず横に置き、別の話題へと移る


ゼロは不服そうではあったが、こちらの話に乗った


乗せないと、同じやり取りをいつまでも続ける羽目になりそうだしな




「それで、俺と別れてから、ずっとここに居たのか?」




「んなわけあるか!1~2年は各国を渡り歩いていたんだよ。少し気になる事もあったから、神界へも行ったな」




「神界に?そもそも、行けるのか?」




「腐っても原初だからな。いくつかの方法は持っている」




神界への行き方はちょっと気になるな


全智さんは教えてくれないし、ゼロに聞いてみよう


しかし、ゼロの答えは素っ気なかった




「あん?教える訳ねぇだろうが。てめぇで調べて行けや。その為の全智神核だろうが」




「教えてくれないんだよ……」




「教えねぇって事は、資格が足らねぇんだろ。そういやお前、全智神核に名前は付けたのか?」




「何の話だ?」




「は?ジェネスのガキから聞いてねぇのか?」




「いや、知らない。詳しく、プリーズ」




ここに来て、初耳の情報が出て来た


ゼロは知っているものだと思っていたようで、どう説明するか考えて……あ、面倒になって思考放棄した


このパターンだと、全部教えてくれるか、自分で調べろのどちらかになるな




「はぁ、しゃねぇから教えてやる。だが、その前に確認だ。全智神核には自我が芽生えているか?」




「多分、あると思う。最近は毒を吐いたり、感情豊かだったり……いや、感情は元々豊かだったかな?」




「OK……条件の一つはクリアしてるな。次に、お前のスキルだ。どの程度、解放してある?」




「そういえば…ここ数年、見てない気がする」




「確認しとけや!」




怒られてしまった


そうだよな…自分の状態確認はしておくべきだよな


素直に謝り、【ステータスフルオープン】して、ゼロと共に確認していく


うん…なんか、ヤバいのが解放されてた




「虚数空間は解放されてるな。これで戦艦も収納可能になるか。後は、禁書目録も解放間近か。となると…」




「あ~、なんかヤバいのか?」




「いんや。寧ろ、足りねぇ。つうか、禁書目録の上位スキルが発言してないとか、サボってたんじゃねぇのか?」




「んなわけあるか!結構死にかけたわ!」




ここで、ゼロと別れてからの話をする


ランシェスのスタンピードに始まり、神聖国と竜王国での出来事


神樹国での事に帝国でのブチ切れ案件


そして、フェリック皇国での事


全て話し終えたら、1時間以上経過していた


その話を聞いたゼロは、笑いながら一つの提案…ではないな


命令にも近い発言をする




「そのヴェルグってやつは、嫁にしろ。聞いた限りじゃ、こっちに取り込んだ方が良い」




「まぁその辺は、おいおいかな。性格は嫌いではないし」




「なら良いさ。それと、腐竜だったか?最後まで確認はしてないんだな?」




「ああ。出来る状態でも無かったしな」




「それでか…詰めがあめぇなぁ…」




「どういう事…まさか……」




「てめぇの考えてる通りだよ」




腐竜の核は邪神核だった


だが、神喰の力も取り込んでいた


……いや、順序が逆なのか!


神喰の力を複数取り込んだせいで、邪神核になった!?


しかしそれだと、神喰は邪神と言う事になる


神喰と邪神は違うと言っていた


……そうか!そういうことか!




「穢れが神喰の力を取り込んで、邪神核が産まれたのか。でも、俺が邪神核を破壊して穢れを消滅させたから…」




「そうだ。純粋な神喰の力のみが残った。後は腐竜の肉片が少しでも残っていたのなら、それを元にして再生。神格を持たない神喰の出来上がりだ」




「もしかしたら、神喰の方が、穢れの残滓を喰った可能性もあるのか」




「否定は出来ねぇな。ただ、穢れの存在は確認できなかった。完全に消滅しているだろう」




「……その口ぶりだと、ここに来てるな?」




「ああ。近い内に会うと思うぜ」




「厄介事が増えるのかよ……」




これ以上、面倒事は勘弁して欲しい


後、ここに神喰が来ていたのは予想外だった


何をしに来たのか、ゼロは語らなかった


半分は楽しんでいるのだろうな




「しかし、天竜の復活は驚いたな」




徐に、ゼロが話題を変えた


これ以上は聞くなと言う事らしい




「意外か?」




「竜ってのは、プライドの塊だからな。炎竜と水竜は分からなくもない。しかし、黒竜や白竜までとなると、驚きしかねぇわ」




「ゼロでも難しいのか?」




「従わせるだけなら可能だな。だが、天竜へと昇華するには、絶対的な忠誠心か愛が必要になる。1種族や2種族なら、まだあり得る話だが、7種族全てとなるとな」




「黒竜は武者修行の旅に出ているけどな」




「それを許容できるお前が異常なんだよ。どんな精神してたら、許容できるんだって話だ」




ゼロの目が、化け物を見るみたいな目になっている


だがな、それは特大ブーメランだと気付け


俺からしたら、ゼロも化け物なのだから


……これも、特大ブーメランだな、俺への




「さて、大体はわかった。でだ、ここからが本題だ」




「本題…ねぇ。何を話すつもりだ?」




「そうだな…俺の真の目的と過去についてだな」




「ゼロの真の目的ねぇ」




素っ気なく聞いているが、実は興味津々だったりする


結構謎が多いので、聞ける部分は聞きたいと思っていたからだ


だが、ゼロの真の目的を聞いて、俺は後悔することになる




「それじゃ、先に最終目標を先に話すとするか」




「その最終目標とは?」




「原初を継いでもらう事さ」




面倒事キター!


しかし、次の言葉に俺は絶句する




「そう…俺を消滅させ、原初を継いでもらう為さ」





ゼロの言葉に、ただただ、絶句するしかなかった



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