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ヴァーチャルレインボーファンタジー【小説家になろう版】  作者: 桜崎あかり


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70/112

10-7

・2021年8月23日付

細部更新


・2023年5月30日付

細部調整

『具体的な理由を言う。七つの鍵を集めても願いは叶えられない。あれは全て――ゲームだ』


 マルスが通話履歴にあった人物へ連絡をした結果、あの時と同じ発言を聞くとは思わなかった。まるで『大事な事なので二回言いました』的な表現と言うべきか。それでも、マルスがそれを信じる事はなかったのである。


 釘をさす為の物か、一種の警告なのか――定かではない。同じ事は他の鍵の持ち主にも言ったのだろうか?


「説明出来るのか? 今までの事がゲームだってことを?」


『ソレは不要だろう。君たちが、一番自覚しているはずだから』


「説明になっていない」


『ARゲームのシステムは分かるだろう。そのシステムを応用したのが、バーチャルアバターシステムだ』


「バーチャルアバター? 動画サイトで見かける2.5次元のあれの事か」


『それを知っているならば、おおよそは把握しているのでは?』


「自分達が同じ存在とでも?」


『そうだ。蒼流の騎士は中の人がいるが、君たちの場合は中の人がいない――いわば、発展型だ』


 その主は明らかにマルス達の正体を知っていた。その上で、システムをマルスに説明したのである。バーチャルアバター、動画でも見かけるようになった二次元アバターを三次元の役者と同じように実体化させる為のシステム――。


 いわゆる特撮におけるスーツアクターにも似たようなシステムで、これをゲームに転用したのが草加市内でもブレイクしたARゲームだ。つまり、マルス達は今まで運営の想定したシナリオ通りに動いていたノンプレイヤーキャラとでも言う様な存在、そう言いたいような感じである。


「自分達がゲームの駒、そう言いたいのか?」


 マルスは不満を爆発させても何の得にならない事を把握している上で、通話主に回答を求めた。しかし、その反応は予想外の回答で返されたのである。


『ゲームの駒、それは初代蒼流の騎士が想定していた話だ。今のシナリオじゃない』


 そこで通話は切れた。一体、この人物は何を言いたかったのか? 女性声だったのは分かるのだが、心当たりのある人物もマルスにはなかったのである。


(一体、あの人物は何者なのか)


 今はそれを探るような余裕もないだろう。しかし、一連の事件を追っていけば――いずれは会う事もある。そうした事もあって、マルスは今回の話は他言しない事にした。



 掲示板上のとあるスレ、様々な情報が拡散していく中で大きなニュースになったのは予想外の物である。このスレに関しては既に数万以上の閲覧数を稼いでいた。その内容に興味を持ったのは、一般ユーザーだけとは限らない。


【草加市で起こった一連の事件、やはり小説の再現なのか?】


【完全再現であればニュースサイトで炎上し、その作者は引退を迫られるだろうな】


【仮に引退はしなかった場合、逆に炎上を利用して更なるコンテンツ炎上を広めるとか】


【そう言う解釈も危険だろうな。だからこそ、一連の事件はエンドレスしていく】


【ヒーロー物とか、その時の悪は滅びても次回作では再び悪が現れる。その原理と同じでは?】


【それとこれとは話は違う。SNS上の闇は、そう簡単に説明可能な物ではないのだ】


【ゲームメーカーの陰謀説もニュースサイトにあったが、今は別の説が浮上しているな】


【話題にならなかったマイナー作品をメジャー化させ、改めてその作品が伝えたかった事をリアルで――】


【それこそ事件の再現では?】


【殺人事件等であれば、警察も動いて物騒になるだろう。炎上どころか、日本のイメージダウンも避けられない】


【だからこその、あの題材だったと】


【SNS題材であれば、生々しい部分やリアルな要素を省き、そこをファンタジー化すれば――】


 一連のSNS上で展開される闇、いつしかマスコミが取り上げていく内に闇は更に深くなっていく。それこそ修復不可能な領域にまで――という状況になりつつあった。


「だからこその、あの計画だったという事か」


 ノートパソコン上で一連のスレを見ていた人物、それは瀬川せがわプロデューサーだった。全ては、ガーディアンが自分達の存在アピールをする為に行った自作自演ではなく、もっと別な案件だったのである。

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