表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/112

10-3

・2021年8月23日付

細部調整


・2023年5月29日付

細部調整

 ゲーセン内での二人の会話は――意外な形で終わる事になった。そのきっかけは、ガーディアンの女性が気付いたある事である。


「その例え方、何かを知っているな?」


 ガーディアンの女性はビスマルクの独特の話し方やワードの使い方を不審に思い、何かを隠していると察する。そして、彼女の視線はマルスに向けられていた事も証拠だろうか。


「知っていたとして、名前を出さないような一般ガーディアンに話すと思うのか?」


 ビスマルクの一言も正論である。ガーディアンの方はガーディアン所属は分かっていても、名前を出していない。


「本名でガーディアン入りをしたと、本気で思っているのか――」


 ガーディアンの女性の指摘ももっともだが、それはビスマルクにも言えるのでは――と反論する。ビスマルクはハンドルネームのような物と認識しているようだが、本名を出していない点では同じだろう。


「誰が本名を出してほしいと言った? ガーディアンだけでは会話が不便と思わないのか?」


 呆れているのはビスマルクの方だった。確かにガーディアンの方は名前を出していない。それに加えて、称号や階級等も私服ガーディアンなので分かるはずもないだろう。


「確かに。私服である以上、呼びづらいのは事実か」


 本名は名乗らなくていいとの事だが、自分には団長のような呼び名がある訳でもない。だからと言って、あの名前を名乗るのも――影響があるのは言うまでもないだろう。


「デンドロビウムだ。敢えて呼びたければ、そう呼べばいい」


 数秒ほどの思考の結果、彼女はデンドロビウムと名乗るようにビスマルクに言う。しかし、ビスマルクの表情が若干深刻となっている。不味い事を言ったのだろうか?


「それで構わない。デンドロビウム、改めて君に聞きたい。七つの鍵の真相を――」


 しかし、デンドロビウムがそれをビスマルクに話す事はなかった。まだ確実だと言うソースもないような情報を、拡散する訳にもいかなかった事情もあるだろう。お互いに、まずは自己紹介程度で――と言わんばかりに二人はゲーセンを後にした。



 その夜の掲示板、そこではガーディアンの動向が拡散されている。その内容は明らかに第三者が拡散したように見えるフェイクニュースと言う形だった。結局はフェイクニュースだったので、拡散したユーザーが炎上する事になったのだが。


【最近、ガーディアンのフェイクニュースが多い】


【どれが事実で、どれが偽りなのか判断せずに手当たり次第拡散する人物がいる】


【そうした勢力がいる限り、SNSを正しく運用するなんて困難を極めるだろう】


【だからと言って、テレビや新聞のニュースばかりに依存するのも問題がある。昭和の時代に逆戻りか?】


【今は令和だぞ!?】


【SNS依存が一種の情報格差を生み、SNS炎上を誰でも起こして世界を混乱させる事が容易になったという事だな】


【つまり、SNSさえあれば誰でも世界征服できると? それこそ――】


 つぶやきのまとめサイトでさえ、SNS炎上に対して悪化させているようにしか見えない。平成時代に社会問題化したSNS炎上、それは令和になっても終息しないと言うのだろうか?


 SNS炎上は一部のバズを求める勢力が起こし、それがまとめサイトに取り上げられ、拡大していく――。


「ここまでくると、もはや――と言う事か」


 コンビニの入り口付近である人物を待つガングートは、一連のまとめサイトを見て――ため息しか出なかった。それこそ、自分の世界で起こった事件が再現されている様な感じである。他の作品でも似た事件はあるので、自分だけと言うのが被害妄想かもしれない。


 昭和の時代にはSNSと言う概念がなかったのは分かる。さすがに昭和にSNSがあったとする噂はフェイクなのも明白だ。フィクションの世界であれば『もしもSNSが昭和の地球にあったら』みたいな作品はあるだろう。それを鵜呑みにする人間がいるのかと言われると、少数派かもしれない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ