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ヴァーチャルレインボーファンタジー【小説家になろう版】  作者: 桜崎あかり


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10-2

・2021年8月23日付

細部調整


・2023年5月28日付

細部調整

 ゲーセン内のベンチに座るビスマルクとガーディアンの女性、他のゲームの待機席ではないのを確認済なので他のゲーマーが来る事はない。そこで話をしていた二人は、ある意味でも駆け引きをしているのだろう。七つの鍵の真相を知りたいと思うビスマルク、彼女から有力情報を引き出そうとするガーディアンと言う具合に。


「そう言えば、リアルでアルストロメリアがいると言っていたな。何か関係があるのか?」


「同名のゲーマー位、何人もいるだろう。動画サイトは見ていないのか」


「違法動画を摘発するのに動画サイトはのぞくが、そこまで細かく見ている余裕はない」


「そうなると、ガーディアンでも知らない情報はある――と」


 ガーディアンでも知らない情報はある、それを証明するような言質を取るビスマルクだが――目的はそれだけじゃない。何としても、七つの鍵の情報を知る為に色々とガーディアンから情報を引き出そうとしていた。


(あのキャラは、まさか?)


 しかし、会話の途中で目の前にあるセンターモニターで見覚えのあるキャラクターが姿を見せる。それは何とレッドカイザーだ。対戦相手も、マルス・アガートラームで――何か当てつけのような物を感じる。


 ガーディアンの方は反応的に気付いていないようだが、どう考えてもあのデザインだと気付かれるのも時間の問題だろう。


「そう言えば、目の前に特撮ヒーローのようなスーツが――」


「あれはレッドカイザーと言って、最近になって人気のヒーローらしいな」


 ビスマルクは若干慌てて説明するのだが、向こうは気付いていない振りをしているのか判断しづらい。下手にこちらが七つの鍵の事を話して迂闊に向こうが求めている情報を話しても――全ては水の泡だ。



 センターモニターに表示されているのは、このゲーセンで展開している映像ではない。以前にマッチングのあったプレイ動画と言うような内容だった。時期としては六月下旬から全日辺りか?


「さて、決着を付けるか」


 レッドカイザーがつぶやくが、これがバトル前の台詞なのか本当にレッドカイザーのつぶやきなのかは判断しづらい。実際にARバトルロイヤルでもアバターとして登場しており、七つの鍵の所有者としての方かプレイヤーなのかの判断も難しかった。


 唯一の見分ける方法はレッドカイザーが使用する武器類がWEB小説ベースかアニメベースかでデザインが微妙に異なる為、そこだろうか? 左手に持っている武器はシールドのように見えるのだが、腕にはめるタイプのキャノン砲にも見えた。これは別作品の武器かもしれない。


「こちらこそ、手加減はしない!」


 一方のマルスは長さ一メートルにも及ぶようなロングソードを構えている。こちらも別のソーシャルゲーム由来の武器で、実際のマルスが使う物ではない。どうやら、両方ともARバトルロイヤルのアバターとしてのレッドカイザーとマルスらしい。


(どちらも偽者――ゲームとしては本物かもしれないが)


 ビスマルクはゲーム中のアバターとしては本物で、それこそ不正ツールの類や著作権侵害スレスレの代物ではないと判断した。ガーディアンの方も特にそこは反応しないので、どうでもいいという判断かもしれない。



 バトルの方は一分ほどで決着が付いた。結果としてはレッドカイザーの勝利で、マルスの方はレッドカイザーのワンサイドゲームと言える攻防に敗れたのである。


「これではデータの参考にはならないか」


 ガーディアンの女性はバトルの方をチェックはしていたのだが、あまりにも単調なワンサイドゲームに少しあくびが出ながらも感想を述べる。


 完全に退屈なバトルであれば、そちらを無視してスマホの画面を見ているだろう。ビスマルクがいたのでスマホを見られなかった――と言う意味ではなく。


「マルス使いとしては退屈だろうな。逆にレッドカイザー使いは参考にするだろうが」


 ビスマルクの方もマルスではなく、レッドカイザーの方を推す辺り――そう言う事かもしれない。七つの鍵の所持者としてのマルスと比較するのが失礼にあたる位に、実力差は段違いと言えるのだろう。


「その例え方、何かを知っているな?」


 ガーディアンの女性は何かに気付き始めた。ビスマルクの独特の話し方やワードの使い方は何かを隠している証拠と――。それに加えて、あのレッドカイザーとのバトルでビスマルクの視線はマルスに向けられていたのである。何故にレッドカイザーを推すような発言をしておいて、視線はそちらに向けられていなかったのか?

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