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1-5

・2021年8月18日付

細部調整


ルビ修正:あまいかぜ→まいかぜ


・2022年1月9日付

誤字修正:体調→隊長


・2023年5月14日付

行間調整。

 公園から姿を消したマルスを追跡しようとした舞風まいかぜだったが、文字通りに姿を消しているので探しようがない。あきらめムードと言うべきか。ARゲームの場合、ログアウト後にはプレイヤーアバターだと外見がプレイヤーに戻る特徴があったためだ。しかし、ノンプレイヤーキャラだとそうはいかないだろう。


 それを踏まえると、マルスの追跡は絶望的――そう舞風は考えて帰宅する事にした。公園と舞風の自宅の位置は、あまり遠くないのもポイントだろうか。この公園は県営と言う事だが、実際にはARゲーム用のフィールドとしての設備を備えた公園と言える。一種の偽装にも見えるかもしれない。


(それだけ、ARゲームを観光資源にしようと言う話はWEB小説のようなフィクションではないと言う事か)


 色々と思う部分はあるだろうが、舞風はやる事もなくなっているので自宅へ帰る事にした。マルスの捜索も、おそらくはあの消えた段階で不可能と判断したのかもしれない。



 公園では警察とは思えないような装備の人物が数人、周囲を見回っていた。彼らの目的は何だろうか? 数十人単位ではなく、公園には数人がいるように見えた。さすがの舞風も帰宅準備をしていたので、彼らの方は見向きもしないでそのまま自宅の方角へと向かう。他の公園を訪れた市民は、驚いている様子でもある。


 女性の人物が一人いたように見えたが、遠目からでははっきりとは分かりづらい。それ程に重装備と言える。


「例の炎上勢力に関係する人物は?」


「駄目ですね。ここには全く――」


 彼らの目的は炎上勢力の人物らしい。おそらくは、先ほどの舞風が気にしていたまとめサイトに関係するだろうか? 警察と同じように現場を調べるにしては、パワードスーツを持ちこむのはさすがに物騒と言えなくもない。しかし、このパワードスーツはARゲームと連動した物で、リアルで起動する事は出来ない代物だ。つまり、彼らはARゲームのガーディアンと言うべき存在だろう。


「間違いなく、この近辺で目撃情報があった。あの炎上勢力は、ある意味でもテロリストだ。放置はできない!」


 男性ガーディアンは、カルシウム不足な気配で周囲に対して不満をぶつける。しかし、他の同僚は慣れているらしくスルーを決めていた。女性ガーディアンも、同じような気配だろう。


「落ち着け。炎上勢力以上に、我々が警戒するべきなのは――」


 女性ガーディアンが空を指差し、そこに浮かぶ浮遊大陸が重要だと圧をかけているようでもある。今の目的は炎上勢力よりも、あの浮遊大陸を呼び出した元凶を発見する事らしい。SNS上の書き込みを踏まえると、それが分かる。


「隊長、これを見てください。ここのサーバーに記録された動画ですが」


 別のガーディアンがタブレット端末を片手に、記録されている動画を女性ガーディアンに見せた。その内容は、三人組と勇者と思わしき人物とのバトルログらしいが――。


「これは、SNS上で拡散している動画か?」


「三人組の方は、我々がマークしているマッチポンプが疑われる悪質プレイヤーです」


「晒し目的か?」


「そうであれば、無関係な第三者が動画をアップする事自体に意味があるかどうか――」


 二人のやり取りを聞く事なく、別の男性ガーディアンは手がかりになりそうな物を探す。そして、彼は不審なガジェットを発見する。その形状は、明らかにARゲーム用として出回っている物とは大きく異なっていた。

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