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ヴァーチャルレインボーファンタジー【小説家になろう版】  作者: 桜崎あかり


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46/112

7-4

・2021年8月21日付

細部調整


・2023年5月25日付

細部調整

 ゲームをプレイ終了後、ハヤト・ナグモは不在着信になっていたスマホに気付く。名前にも瀬川せがわプロデューサーと書かれていた。怖くてスマホを取れないと言う訳ではなく、別の意味で取らなかった可能性も否定できない。どちらにしても結果論だが。


「ハヤトです。さっき、電話があったようですが――」


 ハヤトの声を聞き、瀬川の方もようやくか――と言う表情をしているのは容易に想像できる。しかし、ハヤトが不在だったので別の連絡をしていた為、色々とハヤトが後回しになって都合がよかったのかもしれない。


『SNS炎上を大規模テロと例えている集団を特定した。彼らにとっては都合のいいニュースか抽出せず、それを炎上させて楽しむ――不愉快な連中だ』


「その集団がどうかしたのですか?」


『レッドカイザーによると、わずか数時間前には壊滅したらしい。つぶやきサイトのトレンドでも出ているはずだ』


「やけにあっさり。それだけ他の作品で語り過ぎたので消されたとか」


『さすがにそれはないだろう。彼らを鎮圧したのはガーディアンだろう』


「ガーディアンが? 別働隊ですか?」


『そう考えて間違いない。蒼流の騎士の目撃情報がなかった』


「目撃情報がない? それはおかしいです。舞風の自宅へ到着する前、スマホで蒼流の騎士目撃情報をキャッチしたので」


 瀬川とハヤトの会話が色々な意味でブーメランしている可能性もあるが――ガーディアンが動いているのは事実だった。その一方で、ハヤトの言う蒼流の騎士目撃情報を瀬川は気にしている。一体、何が起きる前兆なのか?



 草加市某所、蒼流の騎士がARアーマーも装着せず、ある人物を待っていた中で――想定外の人物がやってきた。


(歩行者天国でなければ、下手に怪しまれるが――?)


 その人物とはかつて上官だった女性ガーディアンだったのである。今は再編の関係上で上官でも何でもない。女性ガーディアンの方は、試作されているARアーマーを所持、蒼流の騎士対策をしているようでもあった。


(他のガーディアンに場所を教えた覚えはない。まさか――?)


 周囲に人影はあるのだが二人の方を振り向く気配はないし、他のギャラリーはコスプレイヤーの撮影会や他のARゲームに集中している。ある意味でも女性ガーディアンにも都合がよいと言えるだろう。今回の一件が都合の悪いかのようにドローン撮影なども行っていない。実際にはコースを外れるようにプログラムされているようだが――。


 さすがにビルから下の道路を見るようなギャラリーには気付かれるかもしれない。それでもある程度の情報操作もガーディアンは行うつもりだろう。それ位に重要な案件と言うべきか。


「こちらとしては、別のまとめサイト勢力を待っていたのだが――」


「残念だな。その人物は既に摘発済だ」


「ガーディアンのやる事は、いつから魔女狩りのような時代になった?」


「魔女狩りとは失礼だな。お前も分かっているだろう? SNS炎上はコンテンツ流通にとってマイナスでしかないと」


 待っていた人物、それはまとめサイト勢力の人物なのだが――既にガーディアンが確保していたらしい。その上で、蒼流の騎士はガーディアンのやり方を魔女狩りと指摘したのである。当然、向こうは否定する訳だが。否定する事自体、彼にとっては織り込み済な表情には女性ガーディアンも理解できていない様子だった。



「確かにSNS炎上は企業にとってもマイナスイメージしかない。それに、炎上を楽しむような連中だっている」


「ならば、我々が止めるしかないだろう。ガーディアンが――」


「果たして、ガーディアンが過去に起こった事件のように適切に動いているか、疑わしい所だ」


「何を証拠に?」


 女性ガーディアンが証拠と言及する物、蒼流の騎士が背広のポケットから取り出したのは一つの鍵だった。その鍵とは、剣使いの魔法少女が描かれたカードである。しかも、この魔法少女はあいね・シルフィードが登場する魔法少女物の主人公――。


「このカード、何処から出てきたと思う?」


「まさか、貴様は――」


 ガーディアンの女性の表情が次第に変化していき、遂には自分が持っていたキーを展開した。そのキーに描かれていたのは、特撮変身ヒーローであり――。


「一次創作以外の炎上するような要素は全て排除し、それで聖地巡礼計画とは――」


「お前も分かるだろう? 有名な歌い手が二次創作でイメージダウンした結果、引退したという事件を――」


「それも一部勢力がSNS炎上させ、二次創作ではなく完全一次創作を推奨するように仕向けただけのマッチポンプだろう」


「そこまで言う以上は、ガーディアンを追放される事も想定済みと言う事だな――団長?」


「当然だ。今のガーディアンにはかつての秋葉原や足立のような同調圧力や洗脳まがいな考えに屈しない人物は――」


「過去は過去に過ぎない。様式美やフラグ等に依存するような時代こそ――終わりにするべきなのだ」


 蒼流の騎士をガーディアンの女性は団長と呼んだ。それが何を意味するのかは分からない。それでも視線をそむけることなく、ガーディアンを一直線に向いている事からすると――。


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