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ヴァーチャルレインボーファンタジー【小説家になろう版】  作者: 桜崎あかり


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4-6

・2021年8月20日付

細部調整


・2023年5月22日付

細部調整

『ある炎上事件がどういう流れになったのか、忘れたわけではないだろう。それを繰り返しては、逆にコンテンツ市場は特定芸能事務所が制圧する』


 ガーディアンの上官である女性に言われた事である。これに、彼はこう返したかった。


「それこそまとめサイト等が描いたシナリオだ。特定芸能事務所のやり方は、海外で通じる訳もない」


 しかし、反論出来ずじまいに終わる。下手に上官との関係を複雑化させてしまえば、自分の立場も危ういからだ。


「しかし、マッチポンプなのは百も承知だ――」


 男性は再びARガジェットを強く握り、ガジェットをキーへと変形させる。そして、それを読み込ませる事で――。


『今は特定芸能事務所だけでなく、権利転売屋のような連中にも分からせるべきなのだ。一次創作の――コンテンツ流通の正しい道にする事の意味を』


 蒼流そうりゅうの騎士、SNS上では特定勢力に加担している人物も噂されているが、それらが情報操作なのは言うまでもないだろう。全てはコンテンツ流通の正常化、一次創作の価値を再認識させる事――その為に、彼は戦っている。


 自分と同じような悲劇を繰り返させない為にも、蒼流の騎士はSNSの炎上をこの世界だけでなく、全ての世界でなくそうとも考えていたのだ。


(次は、若干分かりやす過ぎるが――)


 スマホでWEB小説サイトを検索していた所、明らかにSNS上の事件を題材とした作品が視線に入った。作品タグに異世界が付く単語はなく、SNSやARゲームと言ったタグが付いていたのである。


「それでも、向こうが動きだすには都合がいいかもしれない」


 既に蒼流の騎士はSNS上でマルスが動き出している事を認識していた。別の蒼流の騎士が呼びだしたマルス、彼だけはこちらが知り得ない目的を持っているだろう。作戦が乗っ取られる事を把握した上で何かの切り札を持ち合せている、その可能性だって否定できない。


「しかし、お前だったら気付くだろう?」


 このヒントは誰に向けた物なのか、本当にマルスへ向けた物なのかどうかさえも――。そして、蒼流の騎士が別のニュースサイトを立ち上げると、そこには驚くべきタイトルがあったのである。


(こちらを見てから呼び出すべきだったか。あるいは別の作品にするべきだったのか)


 再び蒼流の騎士は思わぬ誤算をしてしまう。ヒントとしてはあまりにも直球すぎる作品から呼び出した事に。視線に入ったニュースサイトの記事には、そのWEB小説をモチーフとしたARゲームがロケテストされる事が告知されている。


【パルクール・サバイバー、ロケテスト実施!】


 告知の説明には、ARゲームを題材としたWEB小説のゲーム化――とある。WEB小説がアーケードゲームになるのは初のケースではないのだが、ジャンル的な意味もあって強くアピールされていた。題材にイースポーツやARゲームを使っている事だけあって、草加市としても力を入れたいのだろう。



 フードコートスペースで話をしているのは、瀬川せがわプロデューサー、ハヤト・ナグモ、舞風まいかぜ、マルスの四人である。


「大体の候補は絞り込めた。しかし、目撃情報がない作品ばかりだな」


 瀬川も悩ませるのは、周囲を見回してもコスプレイヤーがいないような作品ばかりが候補に挙げられている事だ。そうでもないと蒼流の騎士がピックアップしないと言うのも理由だろう。しかし、マルスだけは例外で、コスプレイヤーが何人かは存在している。


「マルスだけはメジャータイトル、他は――と言う事かな」


 ハヤトの方も女性コスプレイヤーが自分のコスプレをしている事に対しては、何も感じなくなっているが――マルスのコスプレイヤーが多い事には驚く。まるで、木を隠すには森と言わんばかりの遭遇率には舞風も無言で何かをアピールする。マルスはマイナーではなかったのか?


 瀬川が若干困惑したのには、こう言う理由もあるのだろう。もしかすると、法則性を間違えたのか――と。


『しかし、SNS上でマルスの目撃情報が出てから、コスプレイヤーが増えたと考えられないか?』


「なるほど、君が噂のレッドカイザーか」


 舞風のARガジェットからレッドカイザーの声が聞こえた事に対し、瀬川とハヤトが驚く。ハヤトに関しては無言で驚いているのだが、瀬川の方は関心があるような表情をしていた。


「しかし、案外と異世界転移以外の要素を含む作品が入りこむ余地は――?」


 瀬川がニュース記事を見ていく内に、ある記事が視線に入ってきた。この記事は、草加市でのARゲームロケテストを告知する物である。そして、そのタイトルは――。


(パルクール・サバイバー? これって、何処かで)


 舞風は聞き覚えのあるワードに対し、何かを考えていた。どう転んでも、この作品は確か――。

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