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3-2

・2021年8月19日

細部調整

読み仮名調整:そうりゅうのきし


・2023年5月17日付

細部調整

 草加市内にあるARフィールド、そこはARと呼ばれる拡張現実を利用したARゲーム専門フィールドである。過去には様々なメーカーがARゲームを開発していたが、今となっては最新技術で作られたゲームよりは若干だが古い技術となっている状態だろうか。


 しかし、AR技術はゲーム以外に転用されつつあり、中には本当にARとは結びつかないような物にも転用されたらしい。それが災害救助等のジャンルだった。ガーディアンが運用しているARアーマーの部類も、実はこの一環と言われている。



 フィールドの一区画、レッドカイザーとマルスのバトルが繰り広げられていた。このフィールドには既に数十人規模のギャラリーが出来ており、ある意味でもどういう経緯で駆けつけたのかが不明と言えるだろう。


「あれはレッドカイザーでは?」


「フェイクニュースも拡散していたが、あれもフェイクか?」


「あれはフェイクとは違うだろうな。SNS上で拡散しているフェイクの写真と見比べると一目瞭然だ」


「デザインが似ていて、一見では分かりにくい」


「フェイクで流れてたのは、いわゆるアニメ版デザインだろう。あのデザインはアニメ版にも近いが、どちらかと言うとラノベ版と言える」


 ギャラリーの中にはレッドカイザーが本物なのか見分けがつかない人物もいる。見慣れている人物にとっては、些細な違いで本物かどうかを判別できるのかもしれない。そうした勢力をヲタクとまとめてしまう事には、否定的な意見が多いのが草加市である。そうでなければ、聖地巡礼等でここまでの規模となる事自体があり得ないだろう。


【さっき、ゲームのライブ中継が更新されていた】


【更新? 有名なプレイヤーでもログインしたのか?】


【そうじゃない。見れば分かる】


 SNS上でも今回のバトルは注目されているらしく、ライブ中継はあっという間に満席になった。通常はARゲームの有名プレイヤーでも数千人規模ならばいい方と言われる。イースポーツが絡むと、数万になるだろうか。しかし、今回はわずか数分でキャパシティを超えたのである。その収容人数は五万人だった。


【何だこれは――?】


【これのどこがライブ中継なのか分からない。見た目は、どう考えてもレッドカイザーとマルスのバトル動画なのでは?】


【マルス? それって、SNS上の都市伝説になっている、あのマルスか?】


【有名ソシャゲにも出ている、あのマルスだろうな。デザインを見る限り――だが】


【あのメーカーはコラボに積極的だが、あのパターンはアリなのか?】


 視聴者さえも普通にARゲームのバトル中継とは気付かない。下手をすればゲームではなく、普通にアニメの配信等と間違えることだってあり得るだろうか。それ位に、このライブ中継は賛否両論だったと言っても過言ではない。  



 この盛り上がりに対し、フィールドに誘導した舞風まいかぜは逆に困惑する。一体、ここまでの流れにしたのは何者なのか――と。


(これが、SNS上で言及されている蒼流の騎士の――)


 舞風は少し落ち着いて考えた結果、この一連の流れこそが蒼流そうりゅう騎士きしに誘導されているとも思い始める。しかし、本当にそうだとして――何の得があるのかは憶測だとしても、この段階の舞風には思いつかなかった。

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