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16-6

・2021年8月26日付

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・2023年6月3日付

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 その中継は瞬時に拡散するのだが、触れたとしても冒頭だけで音声がない状態で流れていた。音声に関しては敢えて流さず、その後に芸能人コメンテーターが色々と炎上を煽るように喋っている。


 実際、このニュースを報道した後に流れた話題が、超有名アイドルグループのツアー等に関しての話題だ。まるで、ヴァーチャルレインボーファンタジーの話題をかませ犬として、超有名アイドルグループを売り込むという方式である。


 過去に炎上した超有名アイドル商法をそのままテンプレにしたような方式に対し、テレビ局に対してクレームとも言えるようなつぶやきやまとめサイトも取り上げていた。やはりというか、歴史は繰り返すという意味か。この世界でも別のリアルでも――。


 この手法を取ったのは民放の報道バラエティーだけで、あるテレビ局ではその中継すらやっていない。


『今回紹介するのは、あの有名メーカーの小型掃除機――』


 午前中に今回のバトルが行われていた為か、あるテレビ局では通常通りに通販番組を放送していた。丁度、このタイミングではキャンペーン期間中の掃除機を紹介しており、逆にSNS上でこの様子が拡散されている状況だと言う。このテレビ局では字幕テロップなどでも一切対応せず、ニュースとして取り上げたのは午後の数分間のニュース番組でわずかだけである。


 今回の対応に関しては話題のニュースを取り上げなかった事に対し、非難の嵐と思われたが……むしろ通常通りで放送した事に対しては拍手もあったらしい。ある意味でも、このテレビ局が番組を差し替えで報道しなかった為に、ヴァーチャルレインボーファンタジーの話題は緊急事態ではない事が分かる。


【あのテレビ局は取り上げなかったな】


【午後のニュース番組で触れた程度だった】


【つまり、地球消滅級のクラスではないと言う事かもしれない】


【では、どうして他の報道バラエティーでは取り上げたのか?】


【理由は様々だろうが、広告会社が裏で操っていた話もある】


【ソレだとおかしくないか? 国営テレビ以外のテレビ局は広告会社はお得意様では?】


【あのテレビ局は重要なニュース以外で取り上げる事はない。それこそ――】


 これらのつぶやきは午後のニュースで取り上げられた際のタイムラインである。それ位に、このテレビ局が緊急で番組を撃ちきらない限り――どのような事態が起きても不用意に不安をあおるべきではない、という流れとなった。


 ガーディアン側も、このテレビ局が一連の報道を煽るように流していない事に対して『好感出来る報道体制だ』と称賛する。不用意に煽るような報道を行い、それこそ超有名アイドルの宣伝している商品を買わせるような誘導をするテレビ局に対しては、逆にガーディアンが非難したほどだ。迂闊にSNSを炎上させても、それを正義の行いとは言えない――とも言及する。



 ARゲーム用のセンターモニターで、この様子を見ていたのはもう一人のアルストロメリアである。もしかすると、その姿を見て何か気になったのかもしれない。


(そう言う事なのね)


 彼女はモニターに映し出されているアルストロメリアを見て、ふと違和感があった事を思い出す。自分が呼び出された際、記憶が若干曖昧だった事で質問に即答する形でアルストロメリアを名乗った。確かに自分はアルストロメリアと同じ作品に出ている登場人物であり、その名前に覚えがあったからこそである。


 しかし、実際の自分はアイオワだった。つまり、呼びだした蒼流の騎士のニアミスが全ての始まりだったのかもしれない。


(本当に、一連の炎上勢力を倒しただけで全てが終わるのか――)


 アルストロメリアは、一連の炎上に加担した勢力を全て片付けても、同じような事件が起こらないとは限らない。不安をあおるような勢力がいる限りは、全てが解決したとは言えないのだ。


「ネガティブイメージを拡散する勢力を、この世界から全て消しされれば――」


 無理は百も承知だが、ネガティブ発言を全て禁止にするような条例が適用されれば争いはなくなるのではないか――と思う。光と闇は表裏一体であり、闇だけの消滅は出来ないと分かっていても。

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