表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
能力ガチャを引いたら、武器ガチャが出ました(笑)  作者: 通りすがりの医師
第三章 異世界人と交流を深めろ
67/170

#66 オーク事件発生

 翌日。

 お昼時、話し合った通りに四人でレストラン『ロデオ』の前に集まり、そのまま入店。

 やっぱり客はまばらだが、従業員がそれより少ないから忙しそうなんだよな。


 案内もされねぇから前回座った席と同じような席に座る。そして四人で同じ肉を注文することに。

 これから食う肉も前のと同じだと思う。


「はいはい、四つですね〜……それにしてもまた来てくれるとは嬉しいですよ!」


 やっぱり店長兼料理長のロディが営業スマイルで注文を取り、厨房へ戻っていった。


「キノコを食べてるヤツもいんのかな、客の中に。特に問題は起きてなさそうだが」


「う〜ん……異常無し、ですね」


 マシュフロッギー産のキノコが客に悪影響を与えてないか、とかをチェックするのが来店した目的だからな。食事はあくまでついでなんだ。

 ルークの言う通り、見回してもマジで異変が無い。それどころか客のみんな笑顔だ。これはセーフだったパターンだろうか。


「お、来た。この肉うめーんだよなぁ〜」


 そうこうしてると、四つの同じ肉が運ばれてくる。ジャイロは速攻で豪快にかぶりついた。しかし、


「……なんか、食べる気にならない」


「偶然だね……僕もだよプラム」


 プラムとルークは突然食欲を失ったような発言をした。急にどうしたんだ?

 それを見たジャイロは一口目の肉を頬張ったまま、すかさず、


「うめぇな〜これ。やっぱ、魔術師ってのは草食系か。オレは間違ってなかったな」


「違うよ! 前は食べたくてしょうがなかったもん!」


「あ?」


 口撃する赤髪の騎士に不満そうに返すプラム。確かにジャイロのそれは勘違いだもんな。


「この前はプラムもルークも普通に肉食ってたぜ。『美味い』とすら言ってた」


「は? じゃあ今何が起こって―――――んん? なんか、後味悪ぃような……?」


 なんだなんだ? 遂にジャイロまで不満を言いやがった。とりあえず俺も食ってみればわかることだろう。と、肉を口に運ぶ。


「普通にうめぇじゃねぇか……後味も悪くねぇし?」


 咀嚼して、スッと飲み込んじまう。

 おいおい何も問題ねぇよ。約四十歳の俺をさしおいて、どうして若者達の舌がイカれちまったん――


「……………うっ!? やべぇ、吐きそう!」


「げっ、ここで戻すんじゃねぇぞ!?」


「お手洗いは向こうですよ」


 気持ち悪ぃ! 味はおかしくねぇのに、急に吐き気が!?

 この世界には一応トイレという概念がある。あって良かった。ルークが指差す方向へ向かうと狭くて暗い廊下が。

 やばいやばい、一刻も早くたどり着かなくては。


「こ、ここか」


 少し進むと見えてきたドア。よくわかんねぇけどまぁこれだろう! と勢いよく開ける――



「フゴ、フゴ」

「フゴォ……」



 は?


 ドアの向こうに広がってたのは、少なくともトイレなんてもんじゃねぇ。そもそもここはトイレとは違ったドアだろうが……



「オーク……? な、なんで……」



 床に藁みてぇなのが敷き詰められてる、なんつーか豚小屋とかをイメージさせる部屋。

 その部屋いっぱいに、魔物であるはずのオークがギュウギュウ詰めにされていやがる。


 ここって、レストランだよな……吐き気が引いちまったよ。代わりに鳥肌が立ったが。

 さっき俺達が食ったのは、もしやこいつらの――


「「「フギィィィィ!」」」


「どおわぁっ!」


 パンドラの箱でも開けたような気分だ。


 数え切れないほどのオークが俺を押しのけて踏み倒し、ドアを破壊して客がいる方へ走り出しちまったんだから……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ