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能力ガチャを引いたら、武器ガチャが出ました(笑)  作者: 通りすがりの医師
第三章 異世界人と交流を深めろ
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#54 料理長からの依頼

 ――さっきから気になってはいた。

 ウェイターとして料理を運んでくるのがずっと、目の前にいる店長兼料理長ロディと、同じくシェフっぽい格好の若い男一人。


 普通レストランって料理作る人と運ぶ人別れるよな? 異世界でも大体同じだろうに。

 なんでシェフ二人が作って運んでるんだろうと、気になってた。


「ここのところ、お客さんの入りがよろしくなくて……以前はたくさん店員がいたんですがね。減っていく給料に、みんなウチを見限って逃げてしまったくらいに経営難です」


 だからウェイターというかホールスタッフというか……がいねぇのか。周りをよく見ると、確かに昼時にしては空いてる。


「とにかく、今お金がないんです。肉の蓄えは一応まだあるんですが……キノコが著しく不足してしまって。時期的に市場には高い物ばかりなんです……」


 時期ってのがどういうことか興味ねぇから知らねぇけど、とにかくキノコが欲しいんだな。それは伝わってきた。


「しかしですね。どうやら北の森で大量に取れる、という噂があるんです。なぜかは知りませんが。ギルドで普通に依頼するにもやっぱり高くかかる! ――なので」


 こっから本題か。なんとなく流れが読めてきた気はするけど。


「本来釣り合わないのですが……今回のお食事代を皆さんタダに致しますので、大量のキノコを採ってきていただけませんかね!?」


 申し訳なさそうに、コック帽を胸に抱えて深々と頭を下げてくる店長兼料理長兼ウェイターのロディ。

 肉の代金をタダにするだけだと……う〜ん、本来釣り合わねぇかもな。ただ、この男は本気で困ってそうだし、後ろでたった一人忙しく働く若者も見ていて心が痛む。


 キノコよりもっと頼むことあるんじゃねぇの? とは思うが、まぁ俺はこの依頼、受けても受けなくてもいいな。暇だし。

 他の奴らはどうなんだろう。


「それは大変ですね。今日はもう訓練終わらせてるので、僕は受けても大丈夫ですよ」


「どっちでもいー」


 魔術師団の二人は了承か。

 北の森なら魔物と戦う機会はありそうだし、プラムの訓練にも良いかもしれん。


「この店にはいつも世話になってる。まだ繁盛してた頃は安くしたりしてくれたしな。オレだけは無償でいいぜ! 依頼も受けるし食事代も払う!」


「なっ、い、いいんですか!?」


 ジャイロは常連か。そんなこと言っちまったらルークも優しいから払うことになっちまうんじゃ……と思ったけど、あいつもロディの気遣いを汲んでタダにしてもらってた。

 ……流れ的には、


「この四人で一緒に行くってことか?」


「へっ、たまには良いじゃねぇか。こういうのも」


 俺の質問に答えたのはジャイロだが、ルークとプラムも否定する気は無さそうだ。

 プラムはさておき、魔術師団と騎士団の若きエースが揃ってる。こんなに心強いことあるか。


 まぁ内容はというと……キノコの採集依頼なんだけどな。

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