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能力ガチャを引いたら、武器ガチャが出ました(笑)  作者: 通りすがりの医師
最終章 大暴れして、異世界の救世主となれ
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#155 ランペイジ!!

忙しくなってきたと思ったら、今度は体調が悪くなってきました。もうラストが目前だというのに…書くのが辛くてもうちょっと遅くなりそうです。いらっしゃるかはわかりませんが、楽しみにしてくれている方には申し訳ありません。






「能力が……」

「奪われただぁ??」


「そうなんだよルーク、ジャイロ。怪力は健在なんだが、武器を生み出す例のヤツが……消された。『相手の能力を消す能力者』が魔王軍にいやがるんだ。それから『魔王を殺したら俺が魔王になっちまう』点も問題だ。だからお前らに頼みたいことがある」



▽▼▼▽



「魔王はマコト・エイロネイアーがやる。お前達の相手は儂だ! グロロロォ!!」


「うわぁ! おい、何で魔物のドラゴンがマコト(あいつ)の味方になってんだぁ!?」


 後方でドラゴンの吐く炎が帝国兵を攻撃してる。あとドラゴンは魔物じゃねぇよ、失礼だな。

 ルークとジャイロに頼み事をした俺は、帝国をひた走る。といっても走ってるのは俺一人ではなく、


「いやはや〜まさかこの私がマコトっち直属の護衛を務めることになるとは、驚きなんてもんじゃないよね!」


 ドラコが同行してくれることになった。理由はというと……ドラコであることに大した理由は無い。そこにいたから、アヤメの『赤い鎖』から俺を守ってくれるよう、武器を出せない俺を援護してくれるよう頼んだら承諾してくれたってだけだな。

 レオンは今もドラゴンの近くにいるが、他のヤツらは俺の演説の後は適当に散った。まぁ俺についてくる必要ねぇしな。心配なプラムはジャイロと一緒にいたと思うからたぶん大丈夫だ。


「それにしてもあの騎士のおっさんね……アンタの友達の……え〜っと、レオニダスだったっけ!? あんな小太りの割には動けるおっさんなんだね! 歌って踊れたりもするのかね!?」


「レオンだよ、ひでぇ間違え方だなオイ……しかも『レオニダス』ってなんか聞いたことあるな。時にドラコ、お前って何ができるんだ?」


 人の名前覚えるのが苦手そうなドラコ。

 俺はこいつについてほとんど何も知らねぇって今更気づく。大きい武器も持ってねぇし、魔法を使えるのかどうかも――


「できること? アタシにできることって言えばやっぱしナイフをカッコよく振り回すことだね! アタシを語る上でナイフ術はかかせないよってくらいに超大切って感じです! そう言うマコトっちは? 強いってのは知ってるんだけどもね!」


「そうか、お前も俺のこと知らねぇんだったな。あ〜もう少し前なら色々できたんだが、今は――おっと敵だ」


「『噂をすれば何とやら』ってやつだぁね!」


「いや敵の噂してねぇよな、今!?」


 三人の帝国兵が正面から走ってくるのを見たドラコが天然を炸裂させる。いや天然じゃねぇな。

 前々から思ってたが、たぶんドラコはいつでも適当に喋ってるだけなんだろう。見た目はただの美少女なのに勿体ねぇなぁ。色々と。


「見ろマコト・エイロネイアーだ、やっちま――」


「ちょいとアンタ達邪魔なんだわ」


 いつも通りにニコニコしながら、ドラコが迷わず突っ込んでった。手には一本の平凡なナイフ。


「ほいほいほい……っとね!」


 突っ込んだと思ったら風のような速さと滑らかさで蛇行して、一気に兵士達の背後まで駆け抜けたドラコ。

 彼女がナイフを懐に納めた瞬間――三人の帝国兵が一斉に喉から血を噴出させて、音も無く倒れた。


「え、お前こんな強いの!?」


「当たり前ッ!! ドラゴン様に会ったら即効(ソッコー)気に入ってもらいたい……その一心でめちゃくちゃ特訓した熟練の業、舐めてもらっちゃ困るんだよね!」


「まぁそれはいいが、アレか。人殺すのに躊躇しねぇ感じか。騎士とか魔術師ならわかるが、お前ただの一般人だよな?」


「ただの一般人じゃないんだってば! アタシはねぇ、百戦錬磨のドラゴン教の教祖なんだよ!? だから普通の教団とは訳が違うわけ! おわかり?」


「教団っつってもなぁ。お前一人じゃ説得力がねぇよ」


 前にジャイロが言ってたがドラゴン教って教団の現メンバーは、教祖のこいつ一人らしい。どう考えても教『団』じゃねぇよな。

 とにかく俺達は今、魔王が住んでいるという要塞に向かっている。魔王を倒すってのは確かドラコとも――


「そういえば『魔王なんかぶっ飛ばしちゃって』ってアタシ普通にマコトっちに言ってたっけ? アンタの実力も知らずに……ちょっとさ、そろそろ見せてくれてもいんじゃな〜い!?」


「別に隠してたつもりはねぇけど……ちょうど敵の軍団が来やがったし、いっちょやるか」


 これぞ噂をすればってヤツだぜ。今度のは三人なんてもんじゃなく、二十人か三十人くらいの一団だ。


「あ〜、さすがに多すぎる? なんならアタシも協力してあげよっか??」


「任しとけ。よっと!」


 ドラコの心配を振り切った俺は大ジャンプして兵士の軍団の中心に飛び込む――オーラを纏った右拳を引っさげて。



「くらえストレス発散、〈大暴れ(ランペイジ)〉!!」



 その拳を勢いよく石畳に叩きつける。

 轟音とともに、俺の周囲の地面に衝撃が伝わる。その爆発したような広範囲の衝撃に帝国兵どもは全員揃って吹っ飛んだ。一撃で全滅って結果だな。


「強っ……これ、アタシいらなくね?」


「い、いやぁ俺武器持ってねぇから、剣とか槍の相手がキツいかと思ったんだが……」


「いやいやいや斬られる前にぶん殴れば絶対大丈夫だってこれ! んじゃアタシはドラゴン様の方に戻っとくから、魔王ぶっ飛ばすのはアンタに任せたよマコトっち!」


 ドン引きされちまった、よりにもよってこいつに。俺とした約束を釘を刺すようにもう一度言ったドラコは背を向ける。



「おいドラコ! もし途中でアーノルドに会ったら、伝言が伝わってるか聞いてくれ! もし伝わってなかったら『ゆっくり要塞を目指すように』話しといてくれよ!」


「アーノル……ああ〜、あのエクスカリバー持ちの騎士ね。了解了解。それじゃまたねマコトっち!」


「おう!」



 普通の美少女っぽい笑みで手を振るドラコに、俺も振り返す。さぁて俺も要塞を目指して――


「ヘイヘイヘェ〜〜〜イ!! この俺様が見つけた見つけたぞ見つけたぜ、マ〜〜〜〜〜コト〜〜〜〜〜・エイロネイア〜〜〜〜〜!!!」


「げっ、お前……」


「忘れたたぁ〜言わせねぇぞマ〜コトぉ〜〜!!」


 振り返った瞬間、背中から生えるタコ足を揺らす転移者タカオ・ディザイアに迎えられちまった。

 が、さらにサプライズ――良い方の。



「「〈ヒート・ショック〉!!!」」


「何だぁ〜!?」



 道の両脇の建物の屋上から赤髪と青髪の若者がそれぞれ飛び降りてきて、炎と氷の合体魔法を繰り出した。

 後ろにステップしたタカオには当たらなかったが、まさかルークとジャイロが協力してるとは……


「おいヒョロ! 逃げられちまったぞてめぇがノロマなせいだな!」


「違いますよ! ジャイロくんが僕と合わせようとしてないからです!」


 なんだ、いつも通りで安心だ。

 ってか『ヒートショック』って冬に風呂場で起こるヤベー現象じゃねぇか。偶然だろうけどよ。






投稿頻度、遅くなってきましたよね。自覚はしてます。

でももうすぐ終わりなんで、ゆったりお待ちください。

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