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能力ガチャを引いたら、武器ガチャが出ました(笑)  作者: 通りすがりの医師
第四章 転移者と接触せよ
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#101 三人目の転移者?

「何なんだこの状況は……」


 とにかく狼狽えちまう状況なんだが。


 第一に、あのタコ足を……背中から八本か? 生やしてるあの男はいったい何者だ。

 髪形は黒のロン毛で、なんか整えたり洗ったりしてなさそうだ。無精髭も酷いもんだし。服装は緑のトレンチコートっぽく見えるが、こっちも随分と汚い。シミとか泥とかでもはや緑に見えねぇくらいだ……

 年齢的には三十代後半ってとこか?


 第二に、


「ヒャハァ〜!! 俺様サイコーだぜぇ〜!!」


「うっ……!」


 ルークがあそこまでボコボコにされるなんて、信じられん。タコ足に捕まって叩きつけられまくってる。


 いつだか、料理長ロディと戦った時も吹っ飛ばされてはいた。でもその直後のあいつは、窓を修理しつつ余裕で俺の戦いを見物してたらしい。ただちょっと不意を突かれただけのことで、負けちゃいなかった。

 しかし、これはどう見ても――


「そこに……いるのは、マコトか……?」


「え!? なっ、ウェンディ!?」


 いかん、全く気づかなかった。すぐそこに、壁にもたれながら座るウェンディがいた。なんか疲れてるみてぇだが……


「おいおい、何があったんだ? てか何が起きてる? 説明してもらうことってできるか?」


「……私と、魔術師団の使用人のミーナ氏が……あの男に捕まり……ルーク氏が助けに来てくれたのだ……」


「ん? ミーナ!?」


 もう一度、あの戦いの場に目を向ける。うねり暴れるあの触手を一本ずつたどってみると、いた。


「本当だ。正真正銘ミーナだ。あいつ戦えねぇだろうによく生き延びてるな、大したもんだぜ」


 よくもまぁ、こんなに俺の知り合いが集まったもんだな。


「ああ、彼女は……誰よりも勇敢だ。ルーク氏は彼女を助けようとしているのだが、いかんせん上手く運ばないらしく……」


 ウェンディは一度あの触手に捕まったらしいが、今はここに座ってる。状況的にきっとルークに助けてもらったんだろう。

 しかしだいぶ体力を削られてかららしいな、助かったのは。


「……ルーク氏は最初、優勢だった……氷の魔法で次々とあの触手を切り飛ばすのだが……切っても切っても再生する触手の権能に、次第に押されていき……」


「で、今こうなってると。マジか再生……面倒くさいヤツだなぁ、その能力」


 だが、なんとなくあの野郎の正体はわかった気がする。


 ――たぶん転移者だ。この世界において特殊すぎる『能力』、異世界人を圧倒しまくるその『強さ』はヒロと似たものを感じる。さらに『黒髪』に『トレンチコート』ときてるしな。


「よし、お前は休んでろウェンディ。俺はちょっとルークに加勢&タコ野郎と話し合いに行ってくる」


「……そうか。ルーク氏を圧倒するとは……並大抵の強さではないぞ。気をつけろ、マコト」


「おう」


 今まさにルークが痛めつけられている現場へ歩いていく。まさか、ヒロの二の舞にはならんだろ、落ち着け俺。


「よーう、ようよう! その能力イケてるじゃねぇか! お前、名前は? ひょっとして転移者か? 俺マコトってんだけど――」


「んマコトぉ〜〜〜!?!?!?」


「は?」


 空中のルークをブンブン振り回しつつ、自分は落ちてる果物を食い漁ってる……そんなロン毛の汚らしい男が急に叫んだと思いきや、俺の足に触手が絡みついてきやがる。

 いつの間に近づいてたか知らねぇが、


「うお」


「死ねや、マコトぉ〜!!!!」


 触手のすげぇ力にグイッと足がもってかれる。一瞬宙吊りの状態になり、振り上げられたと思ったら――



「ごべふッ!?」



 ルークと同じように、地面に叩きつけられた。

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