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中魔王メデューサ  作者: 隘路(兄)
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第40話 不屈の魂たちよ(後編)

 世界樹の南側でヘルセーとザデンがウリエル相手に苦戦していた頃、北側のレヴィア、グスタフ、ヒートラも苦境に陥っていた。


 天使達の統率が目に見えて良くなっている。

 熾天使ミカエルが戦線に現れたせいだった。

 三種類の天使達の役割分担が目に見えて変化しているのだ。

 機動性に優れた赤い法衣のキュリオテス達が魔族を陽動し、剣技に長けた青い法衣のエクスシア達が迎え撃つ。

 しかし、それに気を取られると緑の法衣のデュナメイス達の弓の集中攻撃を浴びてしまう。

 しかもその統率は大部隊を率いても乱れる事がない。

 ヴァロア王国中興の祖、アレクシウス=プロテクトールの指導力だった。


 また飛行できる天使の特性もミカエルはよく活かしており、天使の奇襲攻撃は上下からも行われた。

 魔界にも空を飛べる魔物はいるが、指揮官であるレヴィアはこの三次元で戦場を捉える感覚に欠けていた。

 グスタフ、ヒートラも戦士としては手練れだったが、指揮能力には長じていない。


 バロール族のザデンがハーピー三姉妹のオキュペテーに連れられて

 世界樹の北側にやって来た時も、じわじわと戦線を押し下げられていた。

「こりゃあ見てらんねえな」

 潰走する魔族達を見て言うザデン。

「逆に見てもらうために運んだんだけど」

「ちげえねえ」


 見るため、とは文字通りの凝視するためだった。

 バロール族の「致死の凶眼」で。

 様々な魔族の特性が時と共に薄れているようにバロール族の「致死の凶眼」もいまではザデン一人しか持っていない。

 それが彼が北側の戦線に必要とされた理由だった。


「じゃあまずは一発……!」

 ザデンは押し下げられていた戦線の奥に狙いを定めた。

 味方のいない位置である事を確認する。

「逆に遠いけど届く?」

「ああ、今日何度も使ってるからその辺は大丈夫だ」


「しっかり押さえておけよ。……おらあ!」

 ザデンの両目から光線が放たれると、天使の軍勢が次々と倒れていく。

「逆にすごーい」

 間近で見る事になったオキュペテーは感嘆している。

「あれは……!バロールが来ましたか」

「やはりすごい威力じゃな!」

 レヴィアとグスタフもその威力でザデンが現れた事を理解した。


「……と、驚いてる場合じゃねえぞ」

 天使達がこちらに気付き、向かって来る。

 いくら攻撃力があると言っても二人で戦う訳にはいかない。

「あ!逆にあっちにケライノーがいるー!」

「おい、ずらかるぞ!」

「て言うか、逆に……それー!」

 オキュペテーはケライノー目掛けてザデンを投げ付けた。

「おいおいおいおいおーーーい!」

 予想だにしなかった出来事にザデンはショックを隠せない。


「普通にキャッチしたし」

 緑色のドレスのケライノーは近づいて来たザデンの髪の毛をわしづかんで捕まえた。

「だから髪の毛をつかむな!」

「抱きかかえるのは普通にあり得ないっしょ。普通に汚そうだし」

「てめえ。人を何だと……」

「ほらほら普通に凶眼ビーム」

「逆の次は普通か。そらよ!」

 さらに「致死の凶眼」が天使の軍団に炸裂した。

「致死の凶眼」とハーピーの機動力を活かして広範囲の敵を倒す作戦だった。


「そんじゃ普通に……パスー!」

「ひえええええ!」

 ケライノーがザデンを投げ付けた先にいたのは青いドレスのアエローだった。

「微妙にナイスキャッチだしー」

「ナイスなもんか!髪の毛を掴むなって!」

「抱きかかえるのは微妙に微妙かなー。微妙に汚そうだし」

「どいつもこいつも……、今度は微妙かよ」

「はい、凶眼ビーム!」

 ザデンは三度「致死の凶眼」を放つ。

 三方向からの凶眼によって天使の軍勢は多数倒され、統率は大いに乱れた。


 この隙をついてレヴィアは大波を召還し、攻め上がる。

 グスタフは地上を駆けながら鋭い爪で天使達を倒す。

 ベヒモス族の長く鋭い爪の威力は絶大だった。

 ヒートラも空中から炎を纏って攻め寄せる。

 精霊族に属するイフリートは空を飛べるのだ。


「おい、あいつのとこへ行ってくれ」

 ザデンはその様子を見てすかさずアエローに言った。

「あいつならヘルセーを助けられる」

「微妙に分かったー。微妙に飛ばすよー」

「だから髪の毛を掴むなー!」

 ザデンとアエローは飛び去った。


 一方潰走する天使の軍団を率いるミカエルは世界樹に向かっていた。

 ミカエルとしては、指揮官が二名では少ないと思っていた。

 ガブリエルが大戦目前で倒されたのは痛恨だ。

 しかもどうやらそれは女神カリスの手によるものと言う。

 悪態をつかれて、指揮官を引き受けたかは怪しいが、それでも戦力としては絶大だった。

 彼女が倒された時点でミカエルとしては上手くいっていないと思った。


 この上は女神と勇者一行にも出てもらい、軍団再編を図るしかない。

 そう思っていたが、いち早く世界樹に取り付き始めた魔族の集団を見つける。

 巨人族の軍勢だった。

 先頭に立って世界樹を登るのは、パーマを当てた金髪と顎ひげが特徴的なサイクロップスの魔王ゲイリーだ。

 少数精鋭で密かに攻め上がっていたのだった。


 ここまで攻め上がっていたか!

 天空の神殿に戻る前に倒さなければ。

 ミカエルはゲイリーの元へ向かう。

 剣を抜いて飛びかかる。

 それに気付いたゲイリーは自らも剣を抜いて応戦した。

 普段は金棒のような大型の武器を使うが、世界樹を登るに当たっては剣を選んだ。

 空中からの攻撃を不安定な世界樹の枝の上で迎え撃つ形になったが、ミカエルに遅れを取る事はなかった。

「なかなか巧みだな、巨大に似合わず」

「おれは武器職人が本職だ。一通りの武器は使えるぜ」

 余裕すら感じる笑顔でゲイリーは答える。


「女神を倒すのが、狙いか。それとも勇者か?」

 もちろん女神カリスが総大将だが、魔界を滅ぼせる秘術を行使できるのは勇者アイギスだ。

 敵が狙って来るのは二人のどちらかだろうとミカエルは考えていた。

 しかし、返事は意外なものだった。

「いや、あんたに会いたかった。あんた、ヴァロア王国の王様なんだろう」


 それをどこで知ったのかと思ったが、天使から人間に戻った者達の中に自分がミカエルである事に気付いた者もいるようだ。

 それを人間から聞いたのかも知れない。

「おれの恋人は人間なんだ。ヴァロア王国に住んでる」

「そうか」やはりそういう事のようだ。

「あんたは魔族を滅ぼしたいのか?」

 剣の打ち合いをしながらゲイリーはミカエルに問いかけた。

「何故そんな事を聞く?」

「もしそうだとしたらあんたの国には住めなそうにないからな」

「女神を脅かそうとまでする魔族とは戦うしかあるまい」

「それは女神の目的が魔界を滅ぼす事だからだ!」

 打ち合いは互角だった。

 剣の勝負は続く。


 熾天使ウリエルの追跡から逃げるヘルセー。

 ザデンの提案を受け入れ、北の方角に向かっていた。

「どうして北へ進路を変えたのか分からんなあ」

 聖なる光を纏ったウリエルはヘルセーに話しかけて来た。

「聖水の消耗がこの技の欠点なのは読まれてると思ってたんだが。そっちの湖に行けばまた補給ができるんだぜ」

 熾天使となったウリエルは触れた水を聖水に変える。

「そんな事は分かってるわ」

 自分も最初は何を考えているのか、と思ったのだ。


「だが、補給するまで勝負を長引かせる気はないぜ」

 ウリエルはスピードを上げる。

 時折交戦中の魔族がなぎ払われ、聖なる力で焼き尽くされる。

「これは本来突進技なんだ」

 ウリエルは両腕を広げると、さらにスピードを上げる。

「最後だからな、技の名前くらい覚えてくれよ」

「くっ……!」

 速い。もう追い付かれる。


「グランドクロス!」

 光の十字架となったウリエルが迫る。

 パンチだけで吹っ飛ばされたのだ。

 無事で済まないどころではない。消滅でもさせられそうな勢いだ。実際、吸血鬼を浄化消滅する技なのかも知れない。

 などと考えている間にいよいよウリエルは接近して来る……!


 ウリエルがヘルセーに肉薄しようとしたその時だった。

「何だと!?」

 炎の竜巻がまきおこった。

 二人の間に割って入ったのは炎を纏った姿。

 イフリート族の魔王、ヒートラだった。

「間に合ったな」

「ギリギリね」

 炎の魔王と氷の魔王、仲が悪いと言うより敬遠し合う関係だった。

 揃い踏みは珍しい。


 そしてここでウリエルも怯む事になった。

「どうした?魔を滅する光を纏っているのだろう」

 腕組みをして空中に立つヒートラ。


 ヘルセーはウリエルが怯んだ事に注目した。

 やはりザデンの考えた通りだ。

「蒸発には弱いようね」

 ウリエルの聖なる光の力が聖水によるものならば、炎に近づけば蒸発する、ザデンの考えはそうだった。

 大軍勢を率いる敵に一対多の戦闘に向いている「致死の凶眼」ならば、水の力を使う敵には炎の力、

 メンバーを逆にする事で活路を見出だす考えだった。


「しかけて来んならワシからいくぞ」

 イフリートであるヒートラが魔力を集中して発したのは炎ではなく、熱気だった。

 これなら命中させる必要もない。

 みるみるウリエルを覆っていた聖なる光が消え失せていく。


「これで奴は弱ったのだろう?ヘルセーよ、ここで一気にきめるぞ」

「ああ、それなんだけど……」

 逆転の切り札になってもらっておきながら言いづらいことではあったが。

「熱気をそろそろ止めてくれると助かるわ」

 熱気は氷の巨人族であるヘルセーのにとっても弱った事だった。「むう、それは済まんな」

 ともあれ、ウリエルの聖なる光は消滅した。


 これは実際ウリエルにとって弱った話だった。

 単純に聖水を失っただけでなく、その分の魔力が無駄に失われてしまった。

 そろそろ勝負が終わるはずだったのだが。


「あなたはガブリエルが女神カリスに殺された事を知っているの?」

 ヘルセーは距離を詰めながら言った。

 熾天使に出会ったら確認したい事だった。

「大体の事は把握してるよ」

「それを何とも思わないの?」

 配下を自ら手にかけたと言うのに。

 しかし、ウリエルの表情は変わらない。

「敵に通じていたんだろう」

「魔族と仲良くできるなら戦う必要はないと思わないの?」

 ガブリエルは利益や保身のために裏切り行為を働いたのではない。

 傷付いたアンクを助けようと思い、また彼を殺そうとしたからカリスと戦っただけだ。


「あんた達はいい奴らなのかも知れないな」

「だったら!」

「あいにくとおれは先祖代々が魔物と戦って来た一族だ。

 ガブリエルちゃんより女神様に近い考えなのよ」

 ウリエルはやはり表情を変えない。

「今、魔族が友好的だとしても今後は凶悪化するかも知れん。

 そして人間は魔族より弱い。

 力ある者が守らなくてはならない」

 それがウリエル、いやバンパイアハンターであるジョナサン=ヴァン=スローンの考えだった。

「女神様を度量が狭いように思っているならそれは違う」

「これは二つの世界にとって、平和を実現するチャンスなのよ」

 ヘルセー自身が偶然ではあるが、人間の子供達と交流した。

 以前はウェスタの語る「自由と平和」など、うすら寒いと思っていた。

 だが今はそれらを何としても成し遂げたいと思う。

 人間の世界の事をもっと知りたいと思う。


 しかし、その時。

 不意打ちだった。ウリエルの炎の鞭がヘルセーの腕を捕らえた。

 肉の焼ける臭いがして、腕に激痛が走る。

「女神様は何度も人間界を侵略され、大魔王と戦う勇者を作り出してきた。彼女には彼女の歴史がある」

「女神の、歴史……」

「それはおれの一族だってそうだ」

 ウリエルはあくまで交戦を続けるつもりだった。

 ヘルセーも覚悟を決めた。


「わたし達は今ここにいる!過去の歴史がどうだろうと滅ぼされる訳にはいかない!」

 以前、魔界を滅ぼそうとする神と、知恵の果実を盗んだ初代大魔王ルシファーのどちらが悪いのか、悩んだ事があった。

 しかし、今なら断言できる。

 どちらが正当かなどに意味はない。

「わたしは未来を作るために戦う!二つの世界の未来を!」

 ヘルセーが魔力を込めると炎の鞭は凍り付きかき消えた。


「いいのかい?」

 ウリエルは水分に変化した自身の鞭の欠片によって拳に聖なる光を宿した。

「望むところよ。かかって来なさい!」

 剣を抜いたヘルセーと、拳を構えたウリエル。

 聖なる力を宿した拳は剣をも打ち砕くだろう。

 しかし、負ける訳にはいかない。ここで必ず勝利し、未来を切り開くのだ。


 ヒートラも勝負の行方を固唾を飲んで見守る。

 長いにらみ合いの後、ヘルセーの振りかぶった一撃はウリエルにかわされる。

「とろいぜ」

 ウリエルは空振った剣に拳を叩きつけた。

 剣は粉々に破壊された。

「あばよ、巨人の姉ちゃん」

 ウリエルはもう一度拳を構える。その拳にはまだ聖なる光が残っていた。

 胴体を貫けば止めは刺せるだろう。ウリエルはヘルセーのみぞおちを狙って正拳突きを繰り出した。

 その時だった。ヘルセーの懐から飛び出す姿があった。

「毛玉…だと!?」

 それはレヴィア達の支援に北へ向かったはずのザデンだった。

「いつの間にっ?」

「わたし達普通に速いし」

「微妙に速いし」

「逆に速いし」

 ウリエルが見上げるとそこにはハーピー三姉妹がいた。

「くらいやがれ!」

 ザデンの目から放たれた至近距離からの「致死の凶眼」はウリエルもかわせるものではなかった。


 ウリエルは消え去り、その魂は飛び去った。


「何とかなるもんだな」

「何とか、ね」

 身体中傷だらけな上に走り通しで疲労困憊していたが、熾天使は二人とも倒した。

 天使達の動きも乱れてきた。

 世界樹攻略の好機が遂に訪れようとしていた。


「貴様らのテュポーン討伐が散々だったと聞いていたから、心配していた。

 だが、いい連携だったぞ」

 駆け寄って来たヒートラも安堵の表情だ。


「あのよ、ヘルセー」

 ザデンが改まって話しかけてきた。

「テュポーンとの戦いの時も力を合わせる事ができてたら勝ててたかもな、って思ってよ。おれは本当に軟弱者だったな」


 意外な一言だった。

 自分の方こそ思慮が足らなかったと思っていたのに。

「あっはっはっは!」

 ヘルセーは思わず吹き出してしまった。

 これでは気が合っているのか、いないのか分からない。

「だ、だってよ、元バンパイアハンターの熾天使なんてとんでもない野郎に勝っちまったんだぜ?」

「そうね。すごい事かもね」

 ブラムでも勝てなかった強敵だ。

「ああ、これからも大魔王の側近同士、宜しくな」

「まずはあんたは身体を治さないと」

「そうだったな。戦いが終わったらアンクが治してくれるってよ」

 治せる事は確約された。

 しかし首から下全てとなると大仕事なので戦いが終わったら、と言われたのだった。

「戦いが無事に終わるといいな」

「そうね」

 結局はこの後、女神との戦いがどうなるかにかかっているのだ。

 後は女神を倒せるウェスタに任せるしかない。


 ゲイリーとミカエルの戦いも決着が迫っていた。

「おれ達は魔界と魔族を守りたいだけだ!」

 気迫においてゲイリーの方が勝っていた。

 対してミカエルには迷いがあった。

 女神に選ばれた栄誉と軍略を示す機会を得た事は嬉しい事だったが、実際の戦いはどうにも充実感が得られない。

 人間達の天使化で世界中に混乱が起こっている事も迷いを大きくしていた。

 自分の戦いは本当に正しいのか?

 その迷いのせいか。

 ゲイリーの一撃がついにミカエルを切り裂いた。

 枝に引っ掛かって墜落をまぬがれたミカエルはゲイリーに話しかけた。

「軍略を試す機会が欲しいと思っていた。平和な世界をどこか物足りないと思っていた」

「そんなに戦争が楽しかったのか?」

「いや」ミカエルはかぶりを振った。

「戦争と言うのは非効率で無意義な事でしかないと思い知ったよ。わたしの王道にとってはな」

「そうか」

「知っているか?わたしのヴァロア王国は優秀で友好的な魔族の居住を奨励している事を」

「そうなのか?」

「お前の能力次第ではわたしの国に住んでもいい」

「本当か?こんな戦争の後で」

「何とでもする。それがわたしの王道だ」

 ミカエルは消えて魂は飛び去っていった。ヴァロア王国の方へ。

「お前の王道に期待するぜ」

 ゲイリーは世界樹の枝の上からその様子を眺めていた。


 熾天使撃破の報は結界城のウェスタの元にも入った。

「そうか!いよいよだな、アンク」

「はい、皆頑張ってくれました」

 アンクの片翼は今や魔界随一の速さだ。

 ウェスタはアンクにつかまり、世界樹を目指す。

 道中もほとんど天使には出会わなかった。

 しかし、ザデンとヘルセーとヒートラが一緒にいるのを見かけた。

 以前は仲が良かったとは言えなかったが、親しそうに談笑している。

 ゲイリー、レヴィア、グスタフも協力して熾天使を撃破したと言う。

 魔王達は皆よく頑張ってくれた。

「彼らに報いるためにも必ず二つの世界の平和を成し遂げなければな」

 順調に世界樹目前まで進んだ、その時だった。


 世界樹の上から猛スピードで飛来する二体の姿が現われた。

 一体は六枚の羽と大戦斧を持った屈強な天使だった。

 短く刈った黒髪で、黒い法衣を纏っている。

 もう一体は同じく六枚の羽に白い法衣を纏っている

 白髪で切れ長の鋭い目つきだ。

 かつての勇者一行の戦士、ゲーゴスと魔法使いフィリップ。

 今は天使、サンダルフォンとアザゼルを名乗っている。


 いや、二体ではなかった。ゲーゴスの背には黒髪の少女の姿があった。

 兜代わりの髪飾りとと短めのマント。勇者アイギスである。

「アイギス!」

 ウェスタははっとした。

「アンク!アイギスだ!行くぞ」

 アンクは反転してゲーゴスを追う。

 彼らの行く先は魔界のようだった。

 魔界に急行して滅ぼしてしまう考えなのか。

 いずれにしろ、追いつくしかない。


「今、ウェスタがいた?」

「かもな」

 アイギスもウェスタの声に気付いた。しかし今はやるべき事をやるだけだ。

(追って来い、メデューサの魔王)

 一方、戦士ゲーゴスは戦斧を握る手に力を込めた。


 ついに動き出した勇者アイギス。

 戦いも佳境を迎える中、ウェスタとアイギスの再会の時が迫る。

前期OP割と好きでした

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