表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
四獣の魔聖剣  作者: ゼティゼア
4/5

第一章ノ四 旅の始まり

 『彼』が消えても、世界は変わらなかった。


 世界からみれば、彼が死のうがどうなろうが、知ったことではなかったのさ。


 結局は、自分達を救ってくれる心優しい人物に頼るだけ頼って、用がなくなれば捨てる。


 ひどい話だよね。


 皆、彼がイーステルに向かったあと、どうなったのかは知らないし、知る気もない。


 僕は、彼の残した世界を見てみたかった。でも、やっぱりこうなるんだよ。


 皆、自分が一番大切なんだよ。


 他人を利用するだけ利用して、価値がなくなれば捨てる。


 魔王を倒した人物なんて、最初は感謝して。


 感謝が終われば、次は魔王を越える化け物扱い。


 でも、それでも彼は、そんな自分を化け物扱いした世界を、救おうとした。


 魔王の『次』があることに、気付いたから――


 ……ああ、暗い雰囲気になっちゃったね。


 うん、じゃあ次は明るい話をしよう。


『今の時代』の話を、ね。






 数日後、村の復旧も終わった頃。

 青龍との契約者である青空青刃は旅に出ることを決心した。

 村の皆に事情を説明するのには、以外にも時間がかからなかった。

 それというのも、村長が変なくらいに状況を飲み込んでいたからである。

 そんなこんなで、現在は数日分の食料や、其なりの資金を持って西の町へ向かっていた。

 天気は晴れ。空を見上げれば、広大な青い空間を白い雲が漂っている。

 ――が。

「何でお前らが付いてきてるんだよ」

 青刃の他に、三名の姿がそこにあった。

「いいだろ別に。母さんにはちゃんと、許可取ってきたしな」

 一人は、青刃の幼馴染みにして唯一とも呼べる親友、赤岩朱羅。

 よくねーよ、何でついてきたかを聞いてるんだぞ。

「個人的に『面白そうな事感知センサー』が反応していたのでー!」

 二人目は、同じ幼馴染みの白浜明理。

 要するに、面白そうだったから。全く、このバカ二人は。

「青刃が行くって言うから~、なんとなく~」

 三人目は、またも幼馴染みの黒浜暗理。

 犬の遺伝子でも継いでるのかと思える発言。というか、直接的すぎる。

「はあ……これはあくまでも世界を救うための旅だぞ?死ぬかもしれないんだからな?」

「wktk」

「ケンカジョートー!」

「青刃が一緒なら~、青刃が守ってくれるでしょ~?」

 三人目のも少々問題があるが、他二名はもう意味不明である。

「お前ら……まあいい。死んでも文句言うなよ」

「死なないから問題なし!」

「大丈夫、大丈夫ー!」

「死ぬときは~、一緒だよ~」

 問題はあるし、大丈夫じゃないし、洒落にならない言葉が出てきた。

「……とにかく、早く進むぞ。食料も限られてる」

「「「おー!」」」

 面倒くさくなったのか、若干ヤケクソ気味に言う。

 そして、西にある町へ向かい――


「予想できていなかった訳じゃないが……酷いな」

 ――辿り着いたのは、崩壊した町だった。

 建物や城は跡形もなく破壊され、各所には焼け焦げた跡が見える。

 人は忙しそうに行き交い、復旧作業をしている。

 そして、町の入り口に立つ青刃たちに気付いた人物が近寄る。

「ようこそ、東の町『アスタリオ』へ。……すまないね、少し前にドラゴン達が急に攻めてきたんだ。縄張りに侵入しない限り、敵対的になることはないはずなんだけどね。まあ、そんなわけで今はこんな惨状なんだ」

「そうか、ここにまで――とにかく、宿……ではなくとも、寝泊まりできるような場所はありますか?」

「ああ、それならあそこ……見えるかい?あのいろんな物の継ぎ接ぎで出来たドーム。ボロすぎて気がつかなかっただろう?それでも、『雨風を凌いで、休める場所を最優先で作ろう』ってことで、急拵えだけど建てたんだ。見ての通り、酷い外見だけどね」

 その人が指した方を見ると、確かに木や鉄の板などで繋ぎ合わせたようなドームが見える。

「恐らくですが……数日前ですよね?その襲撃があったのは」

「あ、ああ。そうだけれど……何で君がそれを?」

「俺達の村も襲われたんです。ですが、村が小規模で、ここ数日で大方の復旧が終わったので――……その原因を突き止めるために、旅に出ているんです」

「本当かい!?よく無事だったね……」

「ええ、まあ……」

 驚くのも無理はない。通常、村に兵隊などの武装組織はいないのだから。

 そこに、小さな声で朱羅が青刃に話し掛ける。

「おい。なんで青龍の事を言わないんだよ」

「言って何になる。普通の人が、大昔の伝承なんか覚えてるわけがない。四聖獣なんて言われても、分かりやしないし、俺達が竜を撃退した、なんて言っても子供の冗談程度にしか捉えられない」

「し、知ってるかもしれないだろ」

「仮に知ってても、俺がその契約者だと示す証拠がない」

「あの青い剣を出せば……!」

「見世物になる気はない。それに、お前は目立ちたいのか?敵は魔王――つまり魔物の軍団だ。ザコやチンピラじみた低脳ならともかく、知能の高いヤツもいる。いつどこで何を聴かれててもおかしくともなんともない。下手に公言すれば、最悪、暗殺されるぞ」

「……ごめん」

「謝るな。先を見ずに手を打つな、ってだけなんだから」

「…………」

「……ほら、さっさと行くぞ」

 そして、説明してくれた人に礼を言ってから、建物へ向かう。

 その道中に、明理が口を開いた。

「そう言えば、あの青い人は?俺が青龍だー、なんて言ってたけど」

「アイツなら見えないだけで、ここにいるさ……多分な」

 大正解ダ。スゴイナ青刃!

 心に直接呼び掛けるの本当にやめろ不快感しかない。


「さて……次は、どうするかな」

 一先ず、例のドームへと辿り着いたところで、青刃が大陸の地図を取り出す。

「四聖獣なら、青龍が東……後は、西と北と南だな。まずは残りの四聖獣と契約を結ぶべきじゃないか?」

 と、朱羅が提案する。

「それはそうだろうが……何処にしても遠い。出来れば早く移動できる手段を持ってからがいいだろ」

「と言っても、どうするんだ?俺達全員、馬なんて乗れないし、車にしたって何回も乗り継げないだろ?」

「位置的に一番近いのは、北の果て『ノースルスト』だが……徒歩で何日かかることやら……だが朱羅が言うことも確かだし……仕方ない、徒歩でいくか」

「それなら、最短ルートでいった方がいいだろ。こっからここまで突き抜けていけば――」

「お前はサバイバルでもする気か」

 そう朱羅が示したルートは、アスタリオからノースルストまでを、殆ど直線で突っ切る形だった。

 道中は殆どが森であり、それでも最低二、三週間はかかるだろう。道中が完全にサバイバル生活となるのは避けられない。

 そうして、気づけば何処かへ消えた女子二人を気にすることもなく、思案していたところへ――

「お、おい!大丈夫か!?」

 遠くからそんな声が響いてきた。

 その付近でもざわめきが起こっており、事件かなにかがあったのだろうか、と考える。

「様子でも見に行くか。何が起きてるのか気になるし」

 そう言って、朱羅が立ち上がる。

「まあ、何があったのかは気になるし、な」

 青刃もその場所へ向かう。

 そこでは――

「だ、大丈夫です!いつものことですから!気にしないでください!」

「みな、さん……私の事は……気にしなゴバァッ」

 そう言った、明らかに大丈夫じゃない様子の女の子が、急に口から血を吹いた。

「お姉ちゃんしっかりして!ほら薬!」

「うう……ありがと」

 差し出された白い錠剤を飲み込む。

 次の瞬間、勢いよく立ち上がり、変なポーズをとりながら――

「――ッしゃー!完・全・復・かtゲボバア!」

 ――元気になったと思った矢先、またも血を吐き出した。

「ニュー……今まで……楽し……かっ……たよ――……」

「お……お姉ちゃあぁぁぁぁん!………………もういいでしょほら飲んで」

「おゴアッ」

 死にかけにすら見える姉らしき人物に、妹らしき人物が容赦無く口に手を突っ込む。

「……んっと……よいしょ」

 そして、何事もなかったかのように妹が動かなくなった姉を担ぎ、歩き出した。

 その光景には、誰もが開いた口を閉じることができなかった――……


「何だったんだ今の」

「さあ……俺にもわかんねえや」

 その口にした青刃の疑問には、その場にいた誰もが、そうとしか言いようがなかっただろう――



 そことは別の、とある場所。

 一瞬、年の離れた姉妹に見えそうな二人――明理と暗理は、何処へともなくフラフラしていた。

 理由は単純明快、暇だったから。

「空がきれいだねー」

「だね~」

 そう、瓦礫の上で呟く。

 そこに、鋭い声が響く。

「お前は何をしていると聞いている!」

 それは、少し遠くからの声だった。

 気になった二人は、その場所へと向かい――

「――いいじゃねえかよー、この石頭め」

「俺は石頭ではない!それに瓦礫だからといってストレス解消の道具にするな馬鹿者が!」

 そこでは、とある女と男が言い合いをしていた。

「私よりナンバーがひとつ先だからってナメんなよ?タウェリア」

「黙れ脳筋が。……やるならいいぞ?ウプシェリア」

 今にも爆発しそうな殺気と殺気のぶつかり合い――そこへ突如、一人の少女が間に入る。

 黒く長い髪と黒い花の髪飾り、黒い和服に眼帯。130も無い、低い身体。

 黒浜暗理である。

「喧嘩は~、ダメだよ~?」

「おう?んだよ、ちっこいの……別に、マジでやりあおうって訳じゃないさ」

「……フン、周りに人さえいなければ、殺気を発する前に体が動くような馬鹿が……」

「ほーう?……そりゃあ聞き捨てならねえな。――やっぱ一回決着でもつけとくかァ!?」

 そう叫んだ時には、――何処から出したのか――その身長の二倍はあろうかと言う大剣を握っていた。

「良いだろう……貴様のような馬鹿とは、一度決着をつけようと思っていたところだ……!」

 同じく、男も何処からか刺突剣(レイピア)を取り出す。

「ダメって~、言ったばっかりだよ~?」

 だが、二人はその直後、戦慄した。

「――!?」


 遠目からその光景を見ていた明理は、それを見ていた。

 小さく軽い体に合わない脚力は、男に視認すら許さぬ間に刺突剣を奪い。

 奪った刺突剣を即座に女の顔に当たらないように、数センチ横にずらして投げる。

 その刺突剣に気をとられている一瞬の内に、右腕で女の大剣を奪い――

 『自分の手元に戻るように投げた』刺突剣が、左腕に握られていた。

 具体的に――刺突剣を投げる時に女の顔の向こう側にある瓦礫の角度を確認。

 投げた際に、どの瓦礫に何れ程の速さで当て、どう刺突剣が瓦礫に弾かれれば自分の手元に戻るかを、感覚で判断。

 ――そして現在、刺突剣と大剣は、暗理が握っている。

 何より……暗理が武器を握ればどうなるか、明理はよくわかっていた。

「御愁傷様、かなー。あの二人は」


 何が起こった、と二人は思案していた。

(刺突剣は確かに私にとんできた……なら何で、あのちっこいのが投げたハズの剣を持ってやがる!?いや、それ以上に――)

(――あの大剣は、あの脳筋馬鹿専用に調整されてる……少なくとも100キロ以上はあるハズだ。それを片手で……!?)

「…………おいおい、奪い返しにも来ねえのか?……チッ、拍子抜けだな」

 その声は、暗理の口から放たれた。

「なっ――!!??」

「おら、奪いに来ねえのか?そっちから来ねえんならこっちから行くぞ?」

 そう、暗理――もとい、暗理の姿を借りた誰かが構えの姿勢をとった時。

「た、助けてくれ!イノシシだ!イノシシが町に入ってきたぞ!」

 近くからそんな声が聞こえた。それを聞き、暗理は構えるのを止める。

 だが、その目は怨念染みたものに満ちていた。

 その目を見た二人は、その目を向けられているのが自分ではないと分かっていても……恐怖した。

「せーっかく面白くなるところだったってのによぉ…………殺ス」

 言いながら、大剣を持ったまま、十数メートル飛び上がる。

 そのまま、()()()()()()()()()()()()()()イノシシを視認。空中で大剣を持ったまま、投擲の姿勢に入り――


 ――その大剣を、イノシシに向けて、投げた。


 大剣はイノシシの体を真二つにし、マトモに歩くことすら不可能となったイノシシが倒れる――それすら許さぬ斬撃が、イノシシから足を奪った。

「この俺の楽しみを奪ったんだ……ストレス解消の道具になってもらうぜ?」

 そこには、大剣を持った少女がいた。

 切断面からは血が溢れだし、最早イノシシは痛みを認識することすらできない。

「叫び声の1つもねえのか……まあいい。血ぐらいはだしてくれよ」


 それより先は、悲惨の一言だった。

 大剣で切り続けられた身体は原型を留めるハズもなく、何の物ともわからぬ肉塊と化した。

 脳や内臓が飛び出せば、それすら残さず潰した。

 ただその行為を続け、返り血を浴びながら狂気的な笑顔を浮かべる少女は、ただ恐ろしく見えた。

 5分程後、うっかり寝ていた明理が起きて、止められるまでその行為は続いた。

 尚、借りた刺突剣と大剣はちゃんと返しました。

 女の方は、血塗れで少々ボロくなった大剣を、苦い目で見ていた。


「もー、『クロ』はよっぽどのことがない限り、抑えてって言ってるじゃん」

「でも~、武器を持つと~、どうしても~……」

 黒浜暗理は、二つの人格を持っている。

 通常は穏やかな性格でゆったりしているが、武器と認識できるものを持つ事によって人格が変わる。その人格のことを、青刃たちやイーステルの人々は『クロ』と呼んでいる。

 クロは暗理と真逆で、凶暴かつ好戦的。異常なまでの戦闘力を持ち、その実力が発覚するまでは、村内でかなう者がいなかった明理を凌駕する実力を見せ付けた。

「~……まあ、そろそろ青刃たちのところに戻ろうよ。これからの事も決まってるかもしれないし」

「うん~」


「お、青刃。明理と暗理、帰ってきたぞ」

「……どこにいってたんだよ、二人とも」

「ごめんごめん、色々あってさ」

「変な二人組にであって~、大変だったの~」

「変な二人組?そういや、こっちにも変な姉妹がいたよな」

「ああ……いたな。だが、気にするようなことじゃないだろ」

「そんで、これからどうするかは決まった?」

「ああ。俺達には、時間に余裕が無いと思っていていい。だから、出来る限り近道でいく」

「近道~?」

「まずは北に向かう。そして、基本的には森を進む。途中で幾らかは町にも立ち寄れるルートにしてあるから、そこで休息をとりつつ、ノースルストに着き次第、玄武と契約する……といった感じだ」

「ノースルトって……ここから何キロメートルよ?」

「そこまで気にしてられない。今は、進むぞ」

「よしっ!そうと決まれば、早速出発だな!」

「はあ……あんまりはしゃぐなよ、朱羅」

「気合い入れて行きますか!」

「お~」


 目指すは――大陸、北の最果て――『ノースルスト』

パト●ッシュ……もう疲れたYO……

ところがギッチョン死んでません!でも、眠いのは確か!

ではどうするか!?その答えは単純明確!皆も一緒に


(ーωー)オヤスミィ……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ