今度こそゲームスタート!
「お~......絶景かな絶景かな!」
キャラメイクルームは一面白だったからなー。
中世ヨーロッパ風の街並みと、街の中心にそびえ立つ大樹。
もうこれを絶景と言わなくて何というのかと。
あ、沙紗たちと待ち合わせしてたんだっけ。あの大樹方向に行けばいいか。
《浮遊》はやめとこ。
色んな店があるなぁ。
罠屋、錬金術のアトリエ、バー【スライム】、革細工店、宝石店、転生の神殿......変な店混ざった。
まぁいいや。あとでアトリエには行ってみよう。
ってかこの街広くね?いや、最初の街だもんね。仕方ないか。
ん、着いた。
二人の容姿が分からん...... それっぽい人に手当たり次第話しかけ......いや、そんなことしてたまるか。ヤダ。怖い。
おっと。思考がそれた。
うーん。どうやって見つけようかな。
「里花? 里花だよね? 」
「そうだけど......沙紗? 」
「うんっ。こっちではサーシャだよ。」
「そのまm......いや、そうなんだ。私はリシェカ。」
「いや、今そのままって......まぁいいや。」
「萌ちゃんは?」
「サラっていう名前で、どっかにいるはず。」
ん?なんで知ってるんだ?......あっ。
「キャラメイクルームで連絡取り合った?」
「いやー。あれって1回きりじゃん? ゲーム初心者のサラちゃんにサポートがいるかなーって。」
「ま、別に良いけど。」
サラ、サラ......
あ、居た。確保。
「里花ですか。さっきぶりです。」
「いや、それ首根っこ掴まれた状態で言うことじゃないでしょ......」
ってか人多い!
「サーシャ、ひとがあんま居ないとこない?」
「おっけー。付いてきて~。」
「サラちゃん、行くよ-。」
サーシャに付いていく。あれ?見覚えがある道だ......
「到着だよ~。」
バー【スライム】。まさかゲームの中で最初に入る店がこことは......
「マスター、ちーっす。」
「おっ、サーシャちゃん、久しぶりだねぇ。そっちの二人はお友達かい?」
「うん。黒髪の娘がサラ、紫髪の娘がリシェカ。」
「俺はここのマスター、シューゴだ。宜しくな! 」
「「よろしく(お願いします)」」
むぅ......知らない人怖い......無理......
「奥の個室もらうよー」
「おうよ!」
「サーシャ、お願いだから早く......」
サーシャをせかして個室に逃げ込む。
「それで?何のためにここまで来たの?」
「自己紹介......かな?パーティ組むんだし、スキルとかも教え会う方が良いよね。」
サーシャにしては珍しくまともだ。
「ねぇ、何か失r「サーシャ自己紹介頼んだー」」
「......まぁいいや。」
ん?どうしたのぉ?という表情でサーシャを見ておこう。
「ねぇ、その顔なn「サーシャ、早く進めてください」むぅ......集中砲火ぁ」
ざまぁww
「リシェカ?」
「何でも無いですごめんなさい話進めてください」
「えっとー、名前はサーシャ。種族は狐人族。戦闘スタイルは回復役と補助役だよぉ。スキルは種族スキルで《狐火》《妨害魔法》。あと他に《魔法書》《光魔法》《補助魔法》《回復魔法》《消費魔力軽減》《多重詠唱》《鑑定眼》《識別眼》《呪具作成》《麻痺の魔眼》だね。」
......突っ込むのは後にしよう。自分も突っ込みどころ満載だし。
「次は私ですかね?名前はサラ。種族は人間族ですね。戦闘スタイルは、サーシャが言うには斥候? らしいです。種族スキルは《鑑定眼》《発見眼》その他には、《刀》《短刀》《二刀流》《闇魔法》《急所の心得》《軽業》《蹴り》《木工》《採取》《罠解除》」
わりとマトモだ。最後は私か。
「んじゃ私だね。名前はリシェカ。種族は......羽からわかると思うけど妖精族。戦闘スタイルは生産メインで、戦闘なら魔法攻撃役かな? 種族スキルは《浮遊》《風魔法》で、スキルは《水魔法》《空間魔法》《錬金術》《料理》《短刀》《投擲》《消費魔力軽減》《採取》《楽器演奏》《眼力》。」
..................無言ツラい。
「...,,,いきなりだけど反省会しようか。」
「......賛成。それぞれのスキル構成について文句を言おうか。」
「サーシャ魔法多すぎ。」
「いやー......リシェカも十分多いってー! 」
「どっちもどっちです。」
てへ。
「ってか魔眼って何なの? 」
「麻痺の魔眼は、発動中に見た生物......普通の木とかは大丈夫っぽいけど......味方はダメみたい。」
「ダメじゃん」
「その為の回復魔法と補助魔法だよー! β版ではわりと有名だったんだよー? 」
......まぁいいとしよう。ん?
「そういやタンクとか居なくて大丈夫? 」
「知り合い連れてこよっか? 」
「知らない人怖いです会話NOです」
そういやなんでリーブさんと会話できたんだろ。
奇跡かな? うん。奇跡だ。
「それで? この後は何をしますか? 」
「んー......戦闘なら準備しないとだし......生産のチュートリアル受けよっか。利用できる店も増えるしー。」
「どういうこと? 利用できる店が増えるって。」
「えーっとね、武器屋や防具屋、道具屋は最初から使えるんだけど、生産スキルに対応した......例えば《木工》なら木工店みたいな店があるんだよ。この街のどこかに。まあ、スキルじゃなくて条件を満たせば入れるっていう店もあるけど。」
ほうほう。
「でね。その対応したスキルがなきゃ店には入れないし見えないの。で、生産の師匠からなんかの条件満たして紹介される、ってことを繰り返せばどんどん利用できる店が増えるの。《木工》の師匠から《細工》に対応した店を紹介されれば細工の店が使えるようになるって感じかな? 」
「え? ここは? 」
「あー......パーティーの中の誰かが条件を満たせば入れるの。ここの入店条件は、このカードを持っていることだね。」
えーっとなになに? 会員証?
「おう! そうだぜ! 」
わああああああああ!!
「リシェカ、大丈夫ですか? 断末魔あげそうな顔でしたけど。」
「マジびびったぁ......」
「あ、わりぃな。嬢ちゃんたちにも会員証をプレゼントするぜ。」
「ありがとうございます。」
「あ、ありがと......」
「じゃあな。邪魔して悪かったな。」
心臓がまだバクバクいってる......
「んじゃ、別行動しよっか。」
「私は木工店、サーシャは呪具店、リシェカは......すぐそこにあったアトリエですね。」
「りょーかい。」
えーっと、条件を満たさなければ店が見えない......
ん?
私、革細工店とか宝石店とか見えてね?
お読みいただきありがとうございます。
誤字、脱字等ありましたら感想欄にてお知らせください。