プロローグ
初投稿です。
7月某日。
「あづいー......」
と、言いながら自分の席の机に突っ伏す。いや、もうこれ無理でしょ。耐えられんわ。
「里花~? ちょっとい....うん。良くないかな? まあいいや、話があるんだけど? 」
「ん~......今は無理......溶けそう......放課後沙紗ん家で話して......」
私の親友、結城沙紗が話しかけてくるけど、今は無理でしょ。
「おっけー。萌ちゃんも誘っとくからね~。放課後、絶対来てよ~? 」
あ、萌ちゃん___如月萌私の親友だ____も来るんだね。
「あづいー......」
うん。やっぱこの暑さ無理だわ。
放課後。
沙紗の家。
「いやー。涼しいねえ! 」
いやー。クーラーホントいいわぁ。クーラー作った人マジリスペクトだわぁ。
「いや、ウチの部屋でそんなに寛がれても......まあいいけどさ。」
「良いじゃん良いじゃん。んで? 話ってのは? 宿題は要相談だよー。」
「まあ宿題もやってほしいけど、違うよ? 萌ちゃんが来たら話『ピーンポーン』来たみたいだね。」
ドタドタと沙紗が玄関に向かう。
ん~......話って何だろ。まあ真面目な話ではないな。
「お邪魔します。」
「さ、入って入って~」
あ、来た来た。
「いらっしゃーい。」
「いや、ここウチの部屋......」
「そんなの気にしない気にしない! 」
「沙紗、それで話とは?」
あ、そういや話聞くんだっけ。忘れてた。テヘペロ。
「あ、そうだったね。もうすぐ夏休みじゃん。でさ、皆でなんかしようと思って。」
「具体的には? 」
「これ! 」
「VRギア......? 」
「そ。夏休みにリリースされる、New Life Online だよ! 」
New Life Online って......発売前から超人気のあの!?
「え!?沙紗買ったの?」
あ、萌ちゃん思考停止してる。
「ウチはβテスターだからね。自分用と特典で一つ、更に懸賞で一つ当てたんだよー! 」
「沙紗のこと舐めてましたありがとうございました沙紗様」
「あの......」
「「ん? 」」
「VRとは何でしょうか......」
静寂。
ああ、そっか。萌ちゃん家由緒正しすぎる家だったな。
「んとね。New Life Online は、分類としてはVRMMORPGなんだけど。RPGは分かる?」
「ええ。ロールプレイングゲームですよね? 」
「そ。で、MMORPGってのは、大規模多人数同時参加型RPGで、それを、仮想空間でやる、って感じかな? まぁやって見れば分かると思うよ。」
「分かりました。まずはVRギアも買わないと......」
あー、やっぱ萌ちゃん持ってなかったかー。
いや、沙紗ならきっと......
「そんなことだと思ったから、萌ちゃんにはVRギアをプレゼントするよ! 」
「え!? VRギアって高いんじゃ......」
「それだけ皆と一緒にやりたいってこと! 」
「......ありがとう!! 沙紗! 」
ニコッと笑う萌ちゃん。かわいいなー。てか敬語OFFの萌ちゃんは結構レアなんだよねー。
それじゃ、帰ろっか。
家に帰ったらクーラーが壊れてた。暑い。
早速VRギアを被って、New Life Online を起動してみる。
『サービス開始までお待ちください』
ですよねー。
あ、でもキャラ作成だけならできるっぽい。
と言うわけでキャラ作成しようかな。
『身長等は行動を円滑に進めるため、プラスマイナス5cm間でしか変更できません。リアルバレを防ぐため、髪と眼の色は変えることをお勧めします。性別の変更は出来ません。』
あ、性別の変更ダメかぁ。ちょっと興味あったのになぁ。
身長は+5cmしても低いしね。
中2で138cmってどうよ? 完全に幼女ですよ。
しかも去年から1mmも伸びてないしね。もう諦めました。
取り敢えず髪は紫色でいいかな。眼は......うん。濃い紫にしよう。
プレイヤー名は『リシェカ』っと。
サービス開始は明日の午後7時か。早めに夕飯食べないとな。
やることは終わった。
それじゃ、公式サイトでも見とこうかな。
『新たな生活を、新たな世界で。』っていうキャッチコピーか。
んー? ゲームに関する情報が少ないなー。制作会社とかプレイ時の注意とかは有るけど...,,,どんな感じのゲームなのか全然分かんない。
まいっか。明日学校で沙紗に聞こう。βテスターって言ってたし。
んじゃ、ログアウト(?)しよう。
翌日。
今日はそんなに暑くない。
教室に入って沙紗を探す。......居た。
「沙紗~。おはよー。」
「ん!? 夏の朝に里花が動いてるって珍しい......! 」
「いや、そんな今明かされる衝撃の事実的な反応されても.....今日涼しいし。」
「」
「絶句されるとは思わなかった......」
私だって夏でも動くぞ!! ......時々。
「そんなことはどうでも良いんだって。New Life Online の内容を教えてほしいんだけど......」
「あー......無理。」
「理由を簡潔に20文字以内で答えよ」
「βテスト時に開発者から口止めをされたため」
「うわっ即座に20字ぴったりで返しやがった」
ってか無理ってどういうこと?
「えーっと、先入観に捕らわれず自由にプレイしてほしいんだって。βテスト時とも大きく変わってるらしいよ。」
「キャラの引き継ぎとかできないの? 」
「アイテムを五個だけ引き継げるよ。」
ふーん。まあ、出たとこ勝負で楽しむか。
「里花、沙紗、おはようございます。」
あ、萌ちゃん来た。
「「おはよー」」
「シンクロ......? まあいいです。それで、New Life Online の事なんですが......」
以下省略。
放課後。
成績を見て落ち込んでる沙紗を尻目に帰路につく。私の成績? オール4だよ?
「やっとNew Life Online が出来ますね! 」
萌ちゃんウキウキしてるなぁ。まあ、私も楽しみだけど。
「サービス開始まであと一時間ちょっとか......」
「ん!? 一時間ちょっと!? 」
「どうした、急に大声出して。私に迷惑じゃないか。」
「早く帰らなきゃ......! 」
あ、そっか。沙紗の家結構遠かったな。
私の家? すぐそこにあるから大丈夫。
「んじゃNLOの中で~!! 」
あー、沙紗早いな......流石元陸上部。取り敢えず手をふっておこう。
ってかNew Life Onlineってそう略すんだな。
そんなこんなで私の家についた。
「じゃあまた後でね。」
「はい。」
といって萌ちゃんとも別れる。
「ただいまー。」
「お帰り~。夕飯はもうできてるわよー。」
ナイス! 早く食べよう!
というわけで午後6時55分。
ご飯を食べてお風呂にも入って歯磨きもして準備OK!
VRギアを被ってゲームスタート!
『ようこそ! New Life Online の世界へ!! 』
お読みいただきありがとうございます。
誤字、脱字等は感想にてお伝えください。
次の更新は恐らく明日です。