お疲れ様です、天使様
日もすっかり傾き、あっというまに一日が終わろうとしている。
ノエルが来てから毎日は賑やかで、気づかないうちに時間が過ぎ去っていく。ノエルは止まりかけていた自分の時間を進めてくれた。
「お疲れ様でした、ノエル様」
「セシル!今日の私どうでしたか?立派なシスターに見えました?」
「はい、日に日に成長していますね。すごいです」
ノエルは目を丸くし、徐々に赤面する。そんなノエルを見て、微笑ましくなる。
「今日は体調が悪そうでしたが、もう大丈夫ですね」
「だから別に体調が悪いわけではなくて、セシルのせいで……」
ノエルは何かを言いかけてやめた。
「どうかされましたか?」
「……いえ」
「それでは牧師館に戻って夜ごはんにしましょう」
ノエルは弱々しく頷いた。
◇◇◇
ノエルは牧師館に着いてもずっと黙っていた。何か考え込んでいるようだ。そっとしておこうとセシルはごはんの準備を進める。ノエルはぼーっとしたまま羽を隠していたウィンプルを脱いだ。
今日のノエルは疲れているようだから温かいものをつくろう、なんて考えていると玄関からノックが聞こえた。
「はーい」
郵便局からの荷物かもしれない。丘の上だから教会への荷物は一番最後に回されているのだ。
セシルが出ようとした刹那ノエルが目の前をよぎった。
「荷物ありがとうござい」
やばい、と冷や汗が背中を伝った。ノエルは今ウィンプルをしていない。つまり扉が開かれてしまえば彼女の正体がバレてしまうということで。
「ノエル!」
「え!?」
遅かった。
扉は完全に開き切り、馴染みの顔が見えた。テディおばさんの娘である服屋さんのリリーだ。
「ノ、ノエル様に羽が生えてるぅ!」
面倒なことになりそうだとセシルは息を吐いた。




