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教会の朝

「おはようございます、牧師様」

「おはようございます」


 顔見知りの街の人々に朝の挨拶を交わす。それが日常だったが、今日はほんの少し特別だ。


「お、おはようございます!」

「あら、あなた……」


 ノエルもセシルの真似をして街の人々に挨拶をしている。

 見たことのない容姿をしているノエルに街の人たちも驚いているようだ。


「金髪なんて、まるで天使様みたいね」

「え、て、天使?」


 ノエルは慌てふためき、セシルに助けを求めるような瞳を向ける。

 セシルは苦笑しながらノエルと話すお婆さんに近づいた。


「彼女は今日からここでシスター見習いとして働く方ですよ」

「はじめまして!ノエルと申します!」


 まあ、とお婆さんは嬉しそうな声をあげた。


「この街に新しい方が増えてとても嬉しいわ!私のなまえはテディ。みんなからはテディおばさんって呼ばれてるの」

「とてもいいお名前ですね。よろしくおねがします、テディおばさま!」


 ノエルから眩い光を感じる。これは、ノエルが天使だからだろうか。それともノエルの持ち前の明るさなのか。

 テディおばさんはすっかりノエルの明るさに魅了されてしまったようだ。


「もう!とってもかわいいわね。本当に天使みたい。セシル、この子を離しちゃ駄目よ!」

「そうですね」


 二人で笑うと、ノエルは恥ずかしそうに顔を赤らめた。

 テディおばさんはそのままいつもの席に座った。


「……意外と大丈夫そうですね」

「はい、少しドキドキしますが。天使の羽もうまく隠せていますし」


 金髪は仕方がないとして、人前に出るために困ったのは羽だった。羽が見つかってしまえばすぐに天使とバレて、大騒ぎになってしまう。折り曲げて小さくしても限界がある。その末に考えついたのは、ベールだった。シスターが被るものであるから不思議に思われづらい。長めのものを選び、羽を隠すことにした。

 街の人たちはノエルの金髪に目がゆき、ウィンプルにはそこまで興味を持たなかった。


「よかった。これでノエル様も安心して過ごせますね」

「はい!」


 天使であるノエルは教会をとても気に入ったみたいだ。聖なるものを感じ、天界に似た環境だからとても過ごしやすいと言っていた。

 セシルはノエルとともに前に進み出た。

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