天使様の羽
朝ごはんを食べ終わり、教会へ向かう前に今日は牧師館の掃除をする。
ノエルとセシリアには先に教会へ行ってもらうようお願いした。セシリアもノエルも掃除なら手伝うと言ってくれたが、セシリアは旅の疲れがあるだろうしノエルにそんなことを頼むのは気が引けた。それに、二人だけの時間を作ることで仲良くなる機会ができるだろう。
ノエルにはリリーしか女性の友達がいないし、セシリアと仲良くなれたらきっと互いにいい友達になれるはずだ。
今日はいい天気だから布団を干そう。そう思い、それぞれの部屋から布団を回収する。セシリア用の布団も収納から取り出した。
後はノエルの分だけだ。
「失礼します」
ノエルの部屋はもともとあった家具しかない。だからなのか殺風景に見えた。いつ出ていってしまうのかもわからないし、何かを送るのも枷になってしまうかもしれないと躊躇ってきた。
でもこの生活も随分長く続いている。日頃の感謝を込めてなにかプレゼントしてもいいかもしれない。
などと考えながら布団を回収するとふわりと目の前に白いものが舞った。
なんだろう、と白い何かを掴む。それは羽根だった。おそらくノエルのものだろう。天使の羽根は生え変わるのだろうかと考えながら布団を勢いよく捲り上げると、羽根が部屋中に舞った。
こんな光景見たこと無い。幻想的な景色に見惚れてしまった。まるで天国にいるみたいだ。羽根は窓から差し込む朝日に照らせれ、チカチカと輝きを放っている。
羽根がすべて床に落ちるとセシルはそれを一つずつ回収していく。万が一、セシリアに見つかってしまったらまずいからだ。
それにしてもこんなに羽根が落ちていることなんて初めてだ。何度か掃除のために部屋に入っているがこんなこと一度もなかった。
こんなに羽根が落ちていて、ノエルは大丈夫なのだろうか。




