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「で、告白した男の一人が、サッカー部の人気者で。中学時代にはファンクラブもあった子らしいですよ。すごいですよね。」

「ちょっともー、よせやーい!」

 爽やか美少女になった心春は、今日さっそく男子からアプローチを受けた。先週の私ならきっと取り乱しただろうが、今は平静でいられる。心春が断ることはわかっているし、第一私も他に好きな子ができたし。

 なので、こうして雑談のトピックにもできる。一年勢はみんな同じクラスだから知ってるけど、部長と副部長はきっと初耳だろう。

 女子は基本的に、恋バナが大好きだ。目の前にいる相手の恋愛事情となればなおさらだ。こんなホットな色恋話を、花の女子高生がスルーするはずがない。テンション爆上がり必至。大盛り上がり間違いなし。流れを変えるにはうってつけの話題だ。

「あ、そうなの。男子から。」

「ようは、外見に騙される男性が多いってことだね。やれやれ。」

「でも心春ちゃん、両方お断りしちゃったんだよね。」

「ね。」

「あははっ!いやいや、そりゃーねー?ろくに知らない相手に告ってくる勇気は認めっけどさー?勇気だけで挑んでくるやつぁ勘弁つーかさー?」

 弱ったなぁというようにヘラヘラ笑いながら、心春が自分から話にグイグイ入っていった。意外なことに、すっごい得意げだった。

 どうやら、真冬さんが好きなのはそれはそれとして、モテ自慢もしたくて仕方がなかったようだ。最初は迷惑げな顔をしたけれど、やっぱりモテた話を披露するのは、悪くない気分なのだろう。人生初のモテ期なわけだし。

「大変ねー。あら、二来ちゃんおでこ赤くなってるわよー?どっかにぶつけちゃった?」

「んーん、掻いたの。なんかかゆいの。」

「ぼく、ムヒ持っているよ。使うかい?」

「んー、いいです。しみるのやだし。」

「でももう掻いちゃだめだよー?」

「いやいやいや!ほーんと弱っちゃうつーかさー?!断んのも大変だよ、マジでさー?だって一日で二人なら、一カ月後は百人くらい告ってきちゃうっしょー計算上は?って、さすがにそんなにはこないか、九十七人くらいか、ナハハハ!」

 心春が謎の計算式に基づいて、よくわからない数字をはじき出した。まあ、あからさまに浮かれていた。

 すると真冬さんが、なぜかムッとした表情になった。


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