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「あのよ、なんかいい感じに解釈してくれてるのはありがたいんだけどよ……。あたしも別に、あるぜ?その、に、肉欲。」

「えっ。」

「『えっ』じゃねーよ、当たり前だろーが。」

「で、でも……、え、ほんと?」

「嘘ついてどーすんだよ、こんなこと。だからさぁ、あたしも、そのぉ……。ええい、もう!だからあたしも、夜な夜な好きな女の裸思い浮かべちゃー、独り肉欲にふけってるっつーのっ!あーもう、やだ、恥ずかしっ!こんなん言わせんじゃねーよ、ばーか!」

 顔をこれ以上ないくらい真っ赤にしながら、英子が言った。

 衝撃的な言葉だった。


 それを聞いた私は……、興奮した。


 バカな私をいさめるために、きっと勇気を出して言ってくれたであろう、彼女の告白。

 それに対して、驚いたり反省するより先に、興奮してしまったのだ。

 私は最低の親友だった。

 心春だけじゃなく、英子に対しても最低だった。

 はにかみながら赤裸々な告白をする英子が、官能的に見えた。

 独り肉欲にふける彼女の姿を想像した。

 そしてつい、彼女の胸元……豊かに盛り上がったブラウスの膨らみに、目をやってしまった。

「あ……。ちょ、なにエロい目で見てんだよてめー。ははっ……。」

 私の視線に気付いた英子が、腕で胸元を隠した。

 その瞬間……。

 熱湯に触れたような衝撃、痛みに似た罪悪感が、私を襲った。

「ごっ、ごめん!ごめんなさい!」

 弾かれたように立ち上がり、頭を下げた。

 しまった。とんでもないことをしてしまった。やばい。嫌われる。キモがられる。いやだ。いやだ。いやだ。

「……え、あ、えっ?」

「き、気持ち悪かったよね、友達にこんな……!も、もうしないから!やらしい目で英子のこと見たりしないから!ごめんなさい、反省します!だから、ゆ、許して……。」

「お、おい、落ち着けよ?!どうしたんだよ急に、頭上げろって!」

 英子がベンチから立ち、私の肩を掴んだ。そしてぐいっと強引に引き上げ、謝罪をやめさせられた。

「マジで急になんなんだよ、わけわかんね……!そんな謝ることじゃねーだろ?!」

「だって、だって私、友達をいやらしい目で……。こんなの、嫌われて当然……。」

「だから、なんでそーなんだよ?あたしは別に……あっ。」

 不意に、英子の表情が変わった。

 みるみるうちに、怒りのこもった怖い顔になった。

 私は思わず身をすくめた。

「ひょっとして……。誰かが、お前にひどいこと言ったのか?」

「え……?」

「どっかのバカがよ、『やらしい目で見るな』だとか、もっとひでーこと言ったりして、戸成のこと傷つけたのか?!そうなんだな?!誰だよ、あたしがぶっとばしてやる!」

 声を荒げて、英子が言った。仮に誰かの名前を告げたりしたら、今にも飛んでいきそうな勢いだった。でもそれは、全然違う。誤解だ。

「あっ、もしかして、姫川か?!あいつに悪口言われたから、だからお前、こんなにつらそうな顔して……」

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