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その日の行為を、私はひどく恥じた。
なんにも知らない純真な友達の身体を、いやらしい目で見た。穢れた手で触れてしまった。それは、許されない罪のように思えた。
もう二度と、心春には触らない。そう私は誓った。
贖罪の気持ち。
それもある。
でも本当は、怖かったからだ。軽蔑されるのが。友人にこっそり性的な眼差しを向ける女、そんな本性を知られるのが。
でも意志が弱くて、結局長続きはしなかった。
心春が無垢な手を差し出すと、欲望に負けて、その手に触れてしまった。
触れたあと、夜中に彼女のぬくもりを反芻し、淫らな妄想に励んだ。そのたびごとに、私は少しずつ自分が嫌いになった。
私は、この恋が叶うことを願わなかった。
このよこしまな恋は、一生外に出さず閉じ込めておこう。誰にも見つからないようにしよう。心春に知られないように。大切で大好きな、私の親友に気付かれないように。
その代わりに私は、別の願いが叶うことを祈っていた。
恋の成就とは別の、最低で最悪な願い。
それが叶うことを、胸の前で両手を組んで、頭を垂れて夜空にお祈りしていた。
神様どうか、心春が恋をしませんように。
卑怯な私は、そんな醜い祈りを天に捧げていた。毎日、必死に。
恋なんて叶わなくていい。だからせめて、ずっと彼女の隣にいさせてください。そう願っていた。
いつか私を心春の隣からどかすのは、きっと彼女の恋人だけだ。
そんな単純で浅はかなことを、当時の私は考えていたのだ。
幼稚だった。
私は結局、何もわかっていなかったのだ。




