プロローグ 言葉の気配
日曜の朝、俺の枕元に「クロ」がいた。
黒い塊みたいな謎の生物が、埃っぽい光の中で、じっと俺を見ている。
「……なんや、あんた誰や?」
「おい、目が死んでるぞ」
社会人一年目を終えた俺の日常は、濁った水たまりみたいだ。数字とメールと上司の顔色。未来なんてどこにもない。
「社会人生活、楽しいか?」
「いや、めちゃくちゃ大変や……」
「やっぱりな。目の下のクマが証拠や」
かつて「小説王に俺はなる!」に必死で投稿してたけど、文才のなさに気づいてすぐやめた。夢はノートの端にぐちゃぐちゃに塗りつぶされ、俺は言葉を遠ざけた。
「――書かないと死ぬぞ」
「……え?」
「聞こえたやろ。書け。じゃないとほんまに潰れる」
黒い塊の声が、朝の光が差し込むように、ひそやかに心へ染みこんできた。
お立ち寄りいただき、ありがとうございます。
こちら、他サイトので申し訳ないですが『Nola 作家専用エディタツール』を使ってみたくて、思いつきで始めた小話です。
登場するのは謎生物クロと、ちょっとくたびれた社会人と、ノラ(=エッセイ作成支援ツール)。
書くことに振り回されながらも、日常を少しだけ楽しくしていきます。
技術も内容も拙いですが、会社勤めがしんどいときに
『こんなもんでも、書いて楽しんでる人がおるんや』と思ってもらえたら幸いです。




