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「───なるほど」
殿下の考えはこうだ。
王室からの使いという名目で俺をステラの家に頻繁に行かせて、そこで仲を深めさせる。
今の俺はステラ、というよりはステラの家族に門前払いされている状態だし、割と何とかなるかもしれない。
王宮からの使いという建前のために、無下にはされないはずだし、ステラの両親も家に入れてくれそうだ。
──結構いいこと言うな。見直したかも。
「仲良くなれれば万々歳ってとこですね」
「ああ、うまくいけば両者共々ハッピーエンドだな」
「一応聞きますケド、うまく行かなかったら....?」
「まあ、ステラ・リスティアの命はないと思え」
「!」
前言撤回、撤回だ!!
なーにが、見直したかも、だ!!
こんなサイコパス野郎にステラとの未来が握られてるとか俺もしかして選択ミスったか?
「お前、何か失礼なことを考えただろう?」
「え゛、心読めるんスカ」
「ただの感だよ....それより、考えてたんだね」
「あ」
「別にいいけどね。私はお前とステラ・リスティアがどうなっても」
コ、コワスギ
この地獄みてーな空気の中帰るのキツ
そんなこんなで着いた王城。
殿下は用があるらしく、俺はここから別行動だ。
「ああ、そうそう。明日からは大量の仕事が始まるから、今日くらいはゆっくり休むといいよ」
「は?」
「そうだった、言っていなかったね。お前には明日から私の仕事を手伝ってもらうよ。なかなか頭が切れるようだし...何より──」
不敵にニヤリと笑うと、殿下は言葉を続ける。
「ただで、とは言っていないだろう?父上にも示しがつかないからね」
のちに俺は手記に記すこととなる。
あの時の殿下はさながら悪魔のようであった、と。
大変お待たせいたしました!
書き方が変わっているかも....しれません。
完結はいたしますので、気長に更新をお待ちくだされば幸いです。
なろにろに