表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
独り言2 ~詩というか何なのか~  作者: 藤谷 K介(武 頼庵)
9/25

ストーリー

 

 何も考える事無く借りた小さな部屋

 勢いと情熱だけで突っ走っていた

 不安なんて欠片も感じずに笑う声だけが響く

 動きだしたのは名もなきストーリー


 見るモノ手にするものが目新しく

 どんな自分にでもなれる気がしていた

 どこから来るのか自信だけが有った主人公(じぶん)

 挫折や絶望などは当たり前に考えて無い


 どうすればいいのかなんて聞く当てもなく

 どうしたらいいのか良いのかと迷い続けて

 独り暗闇の中で迷子になり

 疲れ切った体がたどり着いた部屋でまた絶望する


 始まったのは未来が明るい物語だと

 いつから錯覚していたのか知らないけど

 机の前何も進んでいない真っ白な紙を見つめ

 ただただ進んでいないことに失望する


 描いていたストーリーのかなの主人公

 苦難も絶望も乗り越えていく

 出会いがあれば別れもある

 そんな中で笑顔を絶やさずに前を向く


 憧れていたのはそんな主人公なのか

 それともその中にいる自分か……


 

 勢いのない冷たい水を浴びるだけのシャワーで

 凍える身体を静かに抱くけど

 あの時描いた夢の欠片は

 纏まっていく水滴と共に流れていく


 迷い無く借りた小さいはずの部屋

 今では広いとさえ感じるこの場所は

 動けないままの自分を除いて

 窓の外 映る景色とため息だけが響く


 手にできない 何もできない

 不安しか感じる事が出来なくなって

 あの時無かった感情がやけに虚しい

 動きだしたはずの楽しいストーリー


 主人公になりたかった

 物語になるはずだった

 

 憧れていたのは主人公になのか

 それとも物語の中の自分か……

 

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
前作はこちら
独り言 ~詩かエッセイか何なのか~
ご興味があればどうぞ。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ