悪役令嬢アリーは復讐を誓う

【クトゥルフ神話の旧支配者や神話生物の助力を得た少女が、自分を不幸に陥れた者に復讐する物語】

アリアロッサは13歳、海運貿易で財を成した父親ハッサンに連れられて、領主フェルトフォンの屋敷に行儀見習いに出されるが、それは表向きの理由だった。

ハッサンはアリアロッサと領主の政略結婚を画策しており、フェルトフォンは父親が爵位と引換えに末娘を差し出したと心得ていたものの、美しい少女を見初めてに婚約を申し入れてしまう。しかしアリアロッサは、まだ十三歳の子供であれば、領主が【ロリコン公爵】の誹りを受けないために、成人するまで行儀見習いと領主の関係でいようと提案した。

それから３年後、領主フェルトフォンが成人を迎えたアリアロッサとの結婚を宣言すると誓った日、なぜか領主の隣に立っていたのは姉のフローラだった。フェルトフォンとフローラは、アリアロッサが『公爵夫人は、姉ではなく自分だ』と騒ぐので、領地の外れにある塔に幽閉してしまう。

そこで出会った魔女ササリササリーは、アリアロッサの無念を晴らすために、彼女がフェルトフォンの屋敷に連れてこられた【３年前に時間を戻してやる】と持ちかける。魔女の条件は、彼女を不幸に陥れた者たちに復讐することだった。

魔女の魔法で３年前に戻ったアリアロッサは、爵位と引換えに領主に身売りした父親ハッサン、自分を裏切って姉と結婚した領主フェルトフォン、強引に唇を奪い交際宣言したクロフィスなど、彼女を不幸に陥れた男たちに復讐を開始するのであった。