【漫才】ハンバーガーショップ
第3回【GETUP!GETLIVE!漫才・コント大賞】応募作品です。
―応募条件―
・オリジナル作品
・1000文字以上2000文字以下の完結した漫才、コントのネタ作品
・応募期間内に新規投稿された作品
・未公表作品(他の企画に投稿済みの作品は応募できません)
・複数応募可能
二人「はい、どうも~」
ボケ「最近、思うんだけどさ。店員さんっているじゃん、どんなお店でも」
ツッコミ「そりゃ、いるでしょうよ」
ボケ「もし僕が店員だったら、もっとお客さんをいい気分にさせれると思うんだよね」
ツッコミ「お前が? 気分を悪くするの間違いだろ」
ボケ「いやいや、例えば僕がハンバーガーショップの店員でも、お客さんをいい気分にさせれるね。自信あるもん」
ツッコミ「嘘つけ、お前接客やったことねぇだろ。じゃあちょっとやってみせてくれよ。俺が客やるからよ。店員やってみてくれ」
ボケ「いいよ? すっごい気分良くなるよ君」
ツッコミ「ウィ~ン(自動ドアのジェスチャー)」
ボケ「ダーリン、なににする?」
ツッコミ「誰だよお前! なんで俺の横にいんの?」
ボケ「君の恋人役でしょ」
ツッコミ「店員やれ! なんで恋人役だよ」
ボケ「恋人がいたらいい気分になるじゃん!」
ツッコミ「なるけど、お前じゃ気色悪ぃわ。店員やれ、店員。はい、ウィ~ン」
ボケ「いらっしゃいませ、○○様(ツッコミの名前)」
ツッコミ「なんで俺の名前知ってんだよ! 名札でもついてんのか俺は」
ボケ「自分の名前呼んでくれたら嬉しいじゃん、特別な感じがして」
ツッコミ「嬉しくねぇよ。おかしいだろ、ただの店員が客の名前知ってたら。気持ち悪ぃわ」
ボケ「いらっしゃいませ~、おひとりですか?」
ツッコミ「えっ? はい」
ボケ「わたしも独り身なんですよ。一緒ですね」
ツッコミ「……なんの会話だよ! ハンバーガーショップだろ、ここ」
ボケ「も~、夜になると寂しくってねぇ」
ツッコミ「知らねぇよ! お前のことはどうでもいいんだって」
ボケ「同じ境遇の人がいると安心するじゃん。いい気分にさせたいの僕は」
ツッコミ「そんなんいらねぇから普通の店員やってくれよ」
ボケ「いらっしゃいませ~、以上でよろしいですか?」
ツッコミ「まだなにも言ってねぇだろ! 注文させろ!」
ボケ「お品物のほう、出口までお持ちいたします」
ツッコミ「だからまだなにも買ってねぇっつの! なに出口まで持ってくって、それ服とか買ったときのやつじゃねぇか。お前はなにを持ってるんだよ? それ、なにが入ってるんだよ。なにも買ってねぇのに」
ボケ「タンクトップ」
ツッコミ「いらねぇよ! なんでハンバーガーショップ来てタンクトップが出てくるんだよ。食い物注文させろ」
ボケ「いらっしゃいませ~」
ツッコミ「え~っと、じゃあなににしよっかな」
ボケ「お客様、さきほどからこちらの商品を熱心にご覧になってますね~」
ツッコミ「えっ? はぁ……」
ボケ「お客様にとてもよくお似合いになりますよ~、今日のコーディネートにもぴったりです」
ツッコミ「服屋に来てんじゃないっつの! ハンバーガーショップだっつーの!」
ボケ「だから、僕はお客さんをいい気分にさせたいんだって!」
ツッコミ「ハンバーガーショップってお前が言い出したんだろうが! 勝手に店を変えるな! ハンバーガーショップで気分良くさせろ!」
ボケ「はいはい、もう。いらっしゃいませ~」
ツッコミ「え~、ハンバーガーひとつと――」
ボケ「ハンバーガーおひとつ!」
ツッコミ「……あとコーラとポ――」
ボケ「コーラおひとつ!」
ツッコミ「……それとポテト」
ボケ「ポテトおひとつ! お客様、コーラとポテトのサイズはいかがいたしましょうか? S、M、L、XL、3Lとございますが」
ツッコミ「服のサイズだろそれ! 聞いたことねぇぞ、ハンバーガーショップでXLとか3Lとか。なんでさっきから服屋にこだわってんの? お前。Mサイズでいいよ、Mサイズで」
ボケ「Mサイズのコーラとポテト!」
ツッコミ「いちいち大声で繰り返すなよ、恥ずかしいから。それで、いくら?」
ボケ「お代は結構です」
ツッコミ「えっ!? いいの!?」
ボケ「○○にはいつもお世話になってますから――」
ツッコミ「呼び捨てにすんなって!」
ボケ「ツケにしておきますよ」
ツッコミ「ここ初めて来たんですけど? ツケでいいの?」
ボケ「はい、ただツケのほうがもう300万ほどたまっておりまして……」
ツッコミ「なんでそんなにたまってんだよ! 初めて来たんだっつーのここは!」
ボケ「でもお客さんみんながあなたに感謝してますよ?」
ツッコミ「えっ? なんで……みんなの支払いを俺のツケにすんな! どこの大富豪だよ俺は!」
ボケ「だって、感謝されたらいい気分になるじゃん! お客さんをいい気分にさせたいの、僕は! そしてできるの! 僕は!」
ツッコミ「できてねぇっつの! 勝手に俺のツケにされていい気分になるか! 気分悪ぃわ! もういらねぇよ! 二度と来ねぇよ、こんな店!」
ボケ「ありがとうございました~。お品物のほう、出口までお持ちいたします」
ツッコミ「だから服屋じゃねぇっつの! いい加減にしろ!」
二人「どうも、ありがとうございました~」