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名前を聞いたせい

改札を出て、人が少なくなる。完全にゼロじゃないからまだ少年に声は掛けない。

横並びで自宅のアパートまで歩く。

少年が見える人が居るのなら仲の良い年の離れた姉弟に見えるのだろうか。

「えーっとまず、名前は?」

「冬の精」

「本気で言ってる?」

「本気も何もそうなんだってば!」

憤慨したように可愛く怒ってる。怒ってる人が怖くないのは初めてだ。

「いちいち冬の精なんて嫌だから、そうだな、冬に因んで『雪』って呼ぶよ」

「雪…僕の名前?」

「あー、そうかな?」

雪はニマニマと嬉しそうに、雪、雪と自分の名前を何度か呟いた。

「あっ、おねーさんいい顔するじゃん!」

「えっ?」

「さっきまで死のうとしてた人とは思えないな。いい笑顔だね」

「私笑ってた?」

「笑うと言うより微笑み?」

私は頬をぐにぐにと両手で弄り、

「なら明日は雪が降るね」

私はボソリと呟いた。夕方はもう少し肌寒い。


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