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蛍は焦げる  作者: 愛璃
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初イベント

「キャンプするぞぉ〜!!!!」


部室に入るなり大声でそう叫んだ木原さん。


「今年もあれやるんですか」


「やります!!!」


もちろんのこと、私を含め年下組にはなんのことなのかさっぱりわからない。

それを見兼ねて築田さんが説明をしてくれた。


どうやら、隣接校 遠山とおやま大学の天文部と毎年夏に合同合宿(と、いう名のキャンプ)を行っているらしく今年もそれがあるらしい。


元々、部長同士が高校時代の先輩後輩関係で仲が良く合同合宿という体で毎年恒例と化してる。


「あ、僕は不参加で」


「山浦さん今年も別荘に避暑すか…」


はい、と満面の笑みで答える山浦さん。


今、サラッと別荘を持ってることが判明した。別荘って……!


『山浦さん参加できないんですね…』


少し寂しくてそう呟くと、うわぁ〜飛行機のチケット早めに取っておくべきじゃなかった、と後悔していた。


「僕も……その日程だと参加はできないです(泣)」


爽ちゃんが珍しく不参加宣言。どうやら、別の用事が入っているよう。


「あ、実は俺もダメだわ、すまぬ!」


なんと熊井さんもインターンシップで海外に行くことになっているため不参加。


というわけで、今年の合宿は私、俊くん、木原さん、達斗、築田さんで参加することが決定した。


『あ、今気づいたけど私、女ひとりですね、お邪魔じゃないですか?』


「その点なら向こうにも女の子は二人いるから大丈夫!今回はその内の1人が参加できるみたいだから、せっかくだしお友達になりなよ!」


木原さんがそう言うし、私もこれで気兼ねなく合宿に参加することが出来る。

そして、やってきた当日。


「おはよ〜う!!たつきち!おひさ〜!!」


「お久しぶりです、愛斗まなとさん!」


見るからにとても仲が良さそうな2人。木原さんはたつきちって呼ばれてるのか。

すると、彼が私に目を向ける。


「え、誰この可愛い子。もしかしてこの子が噂の、そっちの姫?」


「はい、まーそうですね笑」


爪先から頭の先まで舐めるように見る愛斗さん。


「ふぅ〜ん?俺、愛斗ね、愛斗って呼んでな〜」


『初めまして!奈美です!よろしくお願いします〜!』


じゃあうちの姫を紹介するわ、と前に出てきたのは華奢でとても可愛い子。


「もえきょんって呼んでやって」


もえきょん!?遠大の天文部は名前に個性が強い人が多いようだ…。


もえきょん私よりひとつ上だけど、すぐに仲良くなることが出来た。


「とりあえず新メンバーもいるし、お互い自己紹介しよう」


最年長の築田さんが、いつもみたく私たちをまとめてくれるみたい。


遠大天文部のメンバーは、部長の愛斗さん、副部長の千賀せんがさん、もえきょん、

りくさん、ふゆくんの同じく5人。


愛斗さんと千賀さんは築田さんと同じ4年生。

もえきょんと陸さんが木原さんと同じ3年生で、冬くんは私たちと同じ1年生。


せっかくキャンプに来たんだから今から遊ぶぞー!なんてノリになるかと思っていたら、コテージに着いて早速私たちがしたことは夜に天体を観測するための皆でお昼寝。


実際、ペルセウス座流星群を見るために時期を合わせてやってきたとはいえ確実に見れる保証はない。この2泊3日の合宿中に観測ができたら運がいい。


期待を寄せて全員が22:00のアラームで起床。


観測の準備をあらかた終えての昼寝だったため、そこから観測までスムーズに進んだ。


「見れたらいいなぁ」


私の隣でもえきょんがそう呟く。

ほんと、見れたらいいなあ。


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