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蛍は焦げる  作者: 愛璃
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おめでとう、

おかしい。



「奈美ちゃん、今日のおやつは何作ってくれるの?」


『今日はスコーンですかね!』


いつもと変わらないセリフ。

しかし、

明らかに木原と奈美の間で流れる雰囲気が違う。

心做しか距離も近い。

なんだかいつもより甘くて、見ていて呆れてしまうほどだ。

振られたばかりなんだから自重してくれよ……他メンバーはそう思っていたが、幸せそうな2人を見ていると、やはり微笑ましく思えてくるだけだ。


「あのさぁ~、そこの2人、ちょっとは自重してくれないかなあ」


熊井が全員が思っていただろうことを代表して口に出した。


「そうですよ!!!俺たちだって奈美ちゃんのこと大好きなんですから!」


「そーだ!そーだあ!」


爽ちゃんと俊くんが騒ぎ立てると、木原さんが皆さんにご報告があります、と立ち上がった。


「この度、奈美ちゃんとお付き合いすることになりました。皆さんの気持ちは存じ上げてます。でも、俺が奈美ちゃんを必ず幸せにするから…暖かい目で見守ってください」


言ってくれるじゃないかと囃し立てる皆さん。


少し恥ずかしくなって顔が赤く染る私たち二人。


「ぃよっ!木原っ!」


なんて場が盛り上がると、


「奈美ちゃん、木原が嫌になったらいつでも俺のところにおいでね、待ってる」


なんてものすごくいい笑顔で築田さんがすごいこと言うもんだから、木原さんは少し拗ねてしまった。


「何やってんだよ築田!ほんっと……抜け目のないやつ。あ、奈美ちゃん、この人は危ないから俺のとこにおいでね?」


「熊井だって口説いてんじゃないか!」


なんやかんやしてると、今日は2人の祝賀会だ!なんて準備をし始めた皆さん。


「あ、愛斗くんにも報告しとかなくていいの?」


その提案に乗って木原さんが電話をかける。


「は?俺も好きだったのに!?」


電話越しでも聞こえてくる愛斗さんの声。


木原さんから手渡されて電話に出ると、優しい声で一言、


「おめでとう、お幸せに」


優しい彼の言葉に私の心は暖かくなった。


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