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蛍は焦げる  作者: 愛璃
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唐突なお誘い

【おわった】


グループチャットの通知にあがってくるこの言葉。

送り主は熊井で、話を聞くにどうやら昨日告白して振られてしまった結果の報告をしているところだ。


【おわった】


【それは告白が?結果が?】


【両方】



何事も無かったかのように翌日、山浦は珍しく1番に部室に入っていく。

自分が告うべき時がくるんだろうな、なんてまだ軽く考えていた。

その日は朝からずっと奈美と2人きりの時間が多かった山浦。

なんにもない時間だけが過ぎていく。

しかし、彼は告えなかった。


段階がわからないんだよなあ…


「よーっす」


「おはよー」


皆が部活にやってきて、談笑して、お茶を飲んで…そうこうしているうちに日も暮れ、他メンバーが帰宅してまた奈美と山浦の2人きりという機会が訪れた。

しん、としている2人だけの部室。

きっと今日告うべき時運命なのだろうと受け入れ、そうとなったら奈美の方を向いて突然口を開いてみた。


「好きですよ」


突然の山浦の告白に彼女はやはり戸惑っていた。

当たり前だろう。


『山浦、さん?』


鈍感な奈美でも雰囲気でさすがに告白だということに気づいたようだ。

唐突な山浦からの告白に驚いて大きな目をぱちくりさせている。



「奈美さんのことが好きです」


山浦はそのまま想いを伝えた。


「よかったらお付き合いしてもらえませんか」


彼に告げられたのは、断りの言葉とお礼。

ありがとう、嬉しかったと伝えられたことで少しは病まずにすみそうだ。

そろそろ外で聞き耳立てているやつにでも交代してやろうと重たい腰をあげる山浦。

こちらこそありがとう、とだけ伝えるとドアを開けそこにいる築田を見た。

彼が何とも言えない顔をしていたから


「お前も道ずれだ」


と、揶揄うように笑ってやった。


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