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蛍は焦げる  作者: 愛璃
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うたた寝

徳進祭も終わり、奈美たちは冬を迎えようとしていた。

冬休講前のテストのために部活は休みとなっているが相変わらず天文部の部室には人が集まっている。

今日は珍しく奈美が1番に講義を終え、部室で他メンバーの到着を持っていると冬仕様に用意されていた毛布を抱いてそのままソファで眠ってしまった。

そこへ築田、熊井、山浦の3人が到着する。


『冬休講は部活以外の用事で大学に来るのは嫌だから今回は真面目に受けます!』


という奈美の言葉がエコーして、こうなった所以を3人は納得した。

机には珍しく奈美のものであろう教科書が広げられている。


「はあ〜、寝顔天使過ぎない?」


そう言いながら自分の着ていたジャケットを奈美にかける築田。


「ちょっとそれはずるい」


「僕も」


と、2人も上着を脱いで奈美にかける。


「おつかれさまでーーす!!」


大声を出して入ってきた木原に、バカ!今奈美ちゃん寝てるから、と小声で伝えると猛反省する彼。

山崎は問題なかったが、同じくうるさく入ってきた年下2人を軽くお説教すると、


『んぅう〜!』


よく寝た…と思って周りを見るとすでに皆さんお揃いです。


それになぜか上着が3枚私にかかっていて、きっと風邪ひかないようにしてくれたんだと思うと優しさを感じる。


「おはよう!」


一番元気に声をかけてきたのは爽ちゃんで、目をとても輝かせている。


何故かって今日が爽ちゃんの誕生日だから。


『おはよう、爽ちゃん、誕生日おめでとうっ!』


そう言うと嬉しそうに頬を赤く染める爽ちゃん。


その後、皆で爽ちゃんの誕生会をして、私はプレゼントに万年筆をあげた。



「なんで…!欲しかったやつ!!!」


とテンション爆上がりな爽ちゃんだけど、あれだけ遊びに行く度に万年筆を見て欲しいなあと呟いていたらそりゃ誰でもわかるでしょう。


その証に…ほら。


「え!奈美ちゃんも万年筆!?…俺も。」


木原さんが自分で爽ちゃんにあげるプレゼントを開けてみせると、


「待って、実は僕も」


と俊くんも開けてみせた。


▹爽ちゃんは万年筆を三本ゲットした!


幸い、私たち3人のあげた万年筆のタイプは若干違うようで使い分けはできる様子。


「大事にします!」


と他メンバーからも貰ったプレゼントを抱えて幸せそうな爽ちゃん。


暖かい部室に私は安心を覚えた。


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