本気と書いてマジと読む
『昨日はそのまま帰っちゃってすみません〜!何か用事とかありました?』
「俺が勝ったら「僕が「MVPが…!」
おおお、落ち着いて。笑
私が部室に入るやいなや、皆さんが一斉に何か言ってきた。
話を聞いてみるとどうやらMVPを取った人にご褒美が欲しいらしい。
そんなことよりも…
『皆さんMVP取るつもりなんですね…』
次元が違うな。
いくら得意といえどもこんなに運動神経がいい人が揃っているというのか。
皆さん入る部活間違えたんじゃないのか真面目に疑問に思った。
何がいいのか尋ねると、
「「「一緒に旅行に行こう!」」」
実は昨日のうちに決めておいたんだと誇らしげに言う爽ちゃんだけど…
どうやら、MVPを取ると学校から旅行券が支給されるらしい。
サークル別対抗で優勝すると部費をプラスでもらえるから、部活動生もガチ勢、陵大生全員がガチ勢という絵面ができあがるらしい。
「でも、毎年学部別では外国語学部が優勝するんだよな〜」
築田さんがそう言うとびっくりした表情を見せる爽ちゃんと俊くん。
どうやら外国語学部に来ている留学生がものすごく強いらしい。
確かに学年に何人かは留学生がいるけれど…今日のチーム編成で全員入れられていたなあと思い出す。
『じゃあ私も皆さんに負けないように特訓しなきゃですね!』
そう言って私が腕をぶんぶん振り回すと驚く皆さん。
「というか奈美ちゃん、学部別対抗も出るの!?」
『?…はい、出ますけど…』
「「「ええ!」」」
例年の徳進祭を知っている年上組が大きく声を上げる。
なんだかものすごく不安そうな顔をする皆さん。
「スタートは外野から?内野から?」
『もちろん内野です!!』
ドッヂボールは中にいるのが一番面白いのは当たり前でしょう!
「「「えええ!」」」
さらに驚く皆さん。
「外国語学部鬼だな…」
仕舞には木原さんがそう呟いていたけれどそれほどのことでは無いと思うのだけど…?
『とりあえず、本番は天文部メンバーだからとか関係なしにバンバン当てていくんで、正々堂々とよろしくお願いしますねっ!!!!』
なんて宣戦布告をしてみたけれどいざ対戦相手として当たったら間違えてボール渡してくれそうだなんて揶揄ってくる皆さんには全力でぶつけてやろうと思います。
そして、1週間はあっという間に経ち、ついに徳進祭1日目の前日となった。




