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蛍は焦げる  作者: 愛璃
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所謂ダークホース

いつものように部室でだらだらと過ごしていた。


外は暑いけど部室はちょうどいい感じに涼しいから、どうしてもだらけてしまう。


それはどうも私だけではないみたいだけど、そう思いながらソファでだらっと座っている達斗や熊井さんたちに視線を向ける。


突然、私の携帯が鳴って出てみると、


「もしもし〜?奈美ちゃーん?」


電話の主は愛斗さん。


『あ、はい!愛斗さんですよね?お久しぶりです!』


部室にいるメンバーは"愛斗"と言う単語が出た瞬間に反応し、奈美との電話に聞き耳を立てている。


「久しぶり〜!あのさ、俺とデートしよ!」


愛斗さんが突然そんなことを言い出すものだから私はびっくりしてしまった。

けどそれ以前に、


「は?だめだよ?」


「愛斗はひっこんでろー」


なんて部室の皆さんが猛反対してることに驚いた。

なんで聞こえてるんだ!


それを無視して愛斗さんは続ける。


「今週末とかどう?」


あ、今週末は…などと考えていたら山浦さんが私から携帯を奪って、


「残念。僕と予定があります。」


「…じゃあ来週?」


「来週は僕と予定があるんだよね?ね?」


今度は築田さんが私の携帯を奪って話をしている。


『え、あ、そ、そうみたいです…?』


え、そんな予定あったっけ?と思いながらも、もう肯定してしまっていた。


「絶対違ったやろ!?」


勢いよくツッコミが入る。


これじゃあきっと約束が執り決まらないので来月絶対行きましょうと伝えると


「じゃあもう切ってもいいよね〜」


いたずらっ子の顔をした俊くんが、愛斗さんの「まっ、ちょっ…!」という言葉を無視して切ってしまった。


愛斗さん……申し訳ないです…


木原さんが不安そうな顔で聞いてくるけど、私だって皆さんと仲良くしたいから愛斗さんとも遊びに行こうと思っている。


「じゃあ俺も行く。もえきょん誘って4人で遊ぶのはどう?」


そんな素敵な誘いを誰が断りましょうか!


さっそく愛斗さんに連絡して来月の3週目に行くことになった。

今から楽しみで仕方ない。


了承はしたものの、2人きりで遊びたかった愛斗は落胆していた。


「セコムが多すぎんだよなあ…」


そう呟いた後にせめてもの嫌がらせで木原にメールを送る。

"貴方を呪います!!"

木原のもとにそんなふざけたメールが届いたのは内緒である。


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