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蛍は焦げる  作者: 愛璃
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彼はきっと策士

いつもの部室。

今日もみんな夏休講だというのに部室に集まっていて、私を含め暇人だなあと改めて感心する。


集まったとは言ってもなにかする訳でもなく、大会も終わったし皆でただただ談笑するだけというなんともゆる〜い光景。


厳密に言うと、皆仲がいいってこと。


今日もいつもの通り、だらだら話して夕ご飯を私が作ることになるんだろうな、何作ろう。


『皆さん、今日は何が食べたいですか?』


「ハンバーグ!」


「グラタン!」


毎回こうやって聞くと次々回答が返ってくるのは嬉しいけど、お子様ランチのメニューみたいなのばかりで可愛らしいなあと毎度思っている。


『じゃあ今日はハンバーグにしようかな〜』


というと喜ぶことが聞こえるのもまた嬉しくなる。


「もう買い出しに行く時間か、よし!じゃんけんするぞ!」


木原さんの声で皆さんが集まって買い出しジャンケンを始める。


毎回1人だけ私のお供についてきてくれる人がいて助かっている。


今日はどうやら築田さんみたい。


買い物中、カートを押しながら一緒に歩いていると、

「なんかこれ…夫婦みたいだね」


なんて言うから私も築田さんも照れてしまった。


「恥ずかし…」


なんて言ってるけど、自分で照れるなら言わなきゃいいのにね笑


ハンバーグの材料も無事に買えての帰り道、築田さんが何かを思い出したように


あ、


と声を出した。


『どうしました?』


「あ、いや、そういえば奈美ちゃんの誕生日知らないなって思ってさ」


『明日です、築田さんは?』


「え、俺はね〜…え!?明日なの!?」


驚いた顔をする築田さん。

まあ、誕生日いつ?って聞いて明日なんて偶然なかなかないからなぁ。


想い人の誕生日を把握出来ていなかったことに築田は焦った。

奈美特製のハンバーグを美味しくいただいたあとは、用事があるからと言ってそそくさと帰っていった。

用事というのはもちろん、明日奈美に渡すためのプレゼントを買うことで、築田のあまりの帰宅の速さの理由を部室に残った一同が知ることになるのは、どうやら明日になりそうだ。


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