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蛍は焦げる  作者: 愛璃
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栄えある

大会はもう目前、ついに今週末となった。


最初こそ間に合わないんじゃないかと心配で仕方がなかったが、もうすでに資料やポスターは作り終わったしプレゼン用のパワーポイントも作り終わってしまっていた。


今週は大会当日までプレゼンの練習をひたすらするだけ。


すごい……改めて皆さんの仕事の速さに感動する。


「それじゃあ、今年の大会でプレゼンに出るメンバーを決めようと思うんだけど、」


木原さんが全員を集めて話を始める。


「あ、今年は僕出なくていいから後輩たちに出させてあげて?」



「じゃあ今回は最年長組と年下組の入れ替えって感じですか?」


「ん〜、熊井はいた方がいいと思うなあ〜」


山浦さんが意見すると次々と出てくる提案。


「あ、僕、人前に出ると緊張して話せなくなる太刀なので熊井さんにお願いしたいです」


珍しく爽ちゃんが割って入る。


それを聞いて、木原さんがメモを取りながら小さく唸っている。

突然、決めた!と立ち上がり、


「今年のプレゼンメンバーは俺、熊井さん、山崎、濱元、奈美ちゃんで行こうと思う!!」


えええええ!

声には出さなかったけれど、心の中で私は叫んだ。


「うん!いいと思う!奈美ちゃんは大丈夫?」


それを汲み取ったのか築田さんが尋ねてくれた。


『大丈夫……ですけど…』


「けど?」


思わず口ごもってしまった。


『皆さんの足を引っ張りたくなくて…』


私がそう言うと一瞬の沈黙。


「「「「なぁ〜んだ〜!」」」」


そんなことか〜!と皆さんの言葉でそれは弾けた。


「俺達、奈美がこの前の学部のプレゼン大会で選ばれてんの知ってるけど?」


達斗がそう言ってフォローをしてくれた。


実は私は高校生の時からいくつかプレゼン大会に出場をしているから、プレゼン自体は得意といえば、得意なこと。


けど、こんな3回連続優勝がかかっている大事なプレゼンで失敗はできない、そんなプレッシャーが私の中でうずを巻く。


「僕はそういうの苦手だけど、奈美ちゃんなら任せられるから僕の分までよろしく!」


爽ちゃんがそう言ってくれたあと、木原さんが私が悩んでいることに触れてくれた。


「大丈夫。もしかしたら、3回連続優勝がとか考えてるかもしれないけど皆で努力することが大事だから、ね?」


「あ、そういうこと?」


爽ちゃんだけが気づいてなかったらしく室内は暖かい笑い声に包まれた。


『それじゃあ……頑張ってみます!』


こうして、私はプレゼンメンバーに加わることになり、練習中に見せる私が高校3年間の間に培ってきたプレゼンの技を皆さんが感心してくれたのは嬉しかった。


パワーポイントの修正、話し方、話す順番、そんな細かいところを一つ一つ終わらせていき、不安な箇所などひとつも残さずについに本番は明日に控えていた。


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