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蛍は焦げる  作者: 愛璃
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当日も浮かれがち

今日は待ちに待ったお泊まり会当日。

部活は13:00からだからそれまでにお部屋の最終チェックを済ませなきゃ。


変なもの落ちてたりしないよね!?


掃除機もかけたし、お布団も昨日のうちに干しておいたからふかふか。


部室に着くと、いつもより少し大荷物の爽ちゃんと俊くん。

2人とも今日の部活中はずっと明るい笑顔を浮かべていた。


「よーし!今日はこれで解散!」


木原さんがそう言うと中竹と濱元はダッシュで帰る支度を始めた。

そこに熊井が浮かれている2人組に釘を刺しにやってきた。


「絶対に手出したりするなよ?」


お互いに見張っておきます!と2人が元気よく答えたところで奈美の帰るよ〜という声がした。

帰るよ、という言葉の響に少し心がときめいてしまったことなど互いに知る由もない。


解散後は、3人で夕飯の買い出しのためにスーパーに寄ってから帰った。

何が食べたいか要望を聞くと、2人が声を揃えて、


「「オムライス!」」


なんて言うから母性本能を擽られた。


その後も、私が作ったオムライスを美味しい、美味しいとキラキラした顔で言いながら食べてくれ物だからこれからも何か機会があれば作ってあげようと思う。


ご飯を食べ終えたはいいけど、何をしようか…そう考えていると爽ちゃんがかばんからDVDを出した。

『レ・ミゼラブルじゃん!!』


それは数週間前に私が観たいとぼやいていたのを覚えていたふたりが借りてきてくれたらしい。


ふと、俊くんが


「今日くらいいいよね?」


と、かばんからお酒を取りだしたものだから、未成年飲酒はダメです〜と取り上げて冷蔵庫に入れて置いた。


頬をふくらませていじけていたのが可愛かったからつい与えちゃいそうにはなったけど、堪えた。


映画を見る前に少し談笑をしていたからか日付をもう超えてしまっていたからお風呂に入ってから観賞することに。


お風呂上がりの2人は正直…色気に溢れていて、普段は可愛らしい2人でもちゃんと男の人なんだなという認識をした。


テレビの前に布団を敷いて、映画を見ながら寝てしまっていたようだ。



(内容を覚えていなかったため、後日部室で見ることになった。

中竹と奈美は号泣したし、築田は悲しいお話は苦手だから〜と途中で帰っていった。)


普段きちんと髪の毛をセットしている2人が寝癖たっぷりという珍しい姿を写真に収め、朝ごはんを食べたあとは家でゆっくりしてから3人で部室へ向かった。


「お、ちびトリオの登場じゃん、どうだった?昨日のお泊まり会」


部室へ入るなり木原はそう尋ねた。

実際、昨日のお泊まり会がどんな風であったかはこの室内の人間の全員が気になっていることである。

好きな人と一日中過ごせた中竹と濱元を羨ましく感じた。

それに加えて、部屋が可愛らしかった、ご飯が美味しかったなどの話を聞かされてしまっては嫉妬してしまうことは当然である。


「2人だけずるいー、俺も奈美ちゃんの作るオムライス食べたいなー」


熊井さんがそう言ったから、夕飯は部室でオムライスを振る舞うことに。


爽ちゃんと俊くんは昨日もオムライスだったから違うのを作ってあげようかと問うと、


「僕達もオムライスがいい!」


なんて言うから2日連続でオムライスだということが決定した。



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