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蛍は焦げる  作者: 愛璃
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急接近わからない君の顔

「あ、いて座発見」


ペルセウス座流星群が現れるまで星の観測でもしていよう、と始まってすぐに木原がそう言った。それを見ようと奈美が顔を近づける。

それに必要以上に反応してしまっているのはもちろん木原の方で、普段から一緒にいる訳でもない遠大メンバーにでさえも、すでに奈美への気持ちなどバレていた。


『わあ〜、綺麗…やっぱり田舎だと映えて見えますね』


木原を見てにっこりと笑う奈美は無邪気そのもので、面白いものを見つけた子どものようにとても目を輝かせていた。

ちらちらと星が降ってくる。

まさか一日目で観測できると思っていなかったため、最後の星が降り終わるまでは誰一人として感動で言葉を発しなかった。


次の日はお昼からコテージ近くの海で一同大はしゃぎ。

悲しいことに水着を忘れてしまった陸は帰りの下着を犠牲にして水遊び。


「僕、水着忘れちゃったんで浅瀬でちゃぷちゃぷするだけでいいです」


「おぉ〜そうなのか〜…なんてそんなので許されると思ったかー!」


木原さんはその場で陸さんを背負い投げ。

もちろん、陸さんはびしょびしょで……もうやけくそだっ!と海の中に飛び込んでいった。


普段、大人っぽくてクールなイメージの木原さんは、今日はなんだか子どもっぽくて母性本能を擽られる…というか。


キラキラな笑顔で、


「ほら、奈美ちゃんもおいでよ!」


と、手を差し出され思わず私の心がときめく。

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